2022/12/29 のログ
ご案内:「魔族の国」にヨハンさんが現れました。
■ヨハン > 険しい山脈の中、一人の青年が下っている。
とても登山向きではない装備でありながらも、青年は僅かに息を切らしている程度だった。
魔族の国、という噂を聞いて直接乗り込むほど彼は無謀な存在ではないと自分では思っていた。
だが、興味は尽きなかった。ならせめて、その道のりだけはちょっと確認しようと。
そういうのを、彼は無謀であることがわかっていないのだが。
「ふぅ……。噂には聞いてたけど、やっぱり山登りは得意じゃないな……」
そう言いながら、青年は後ろを振り返って自分が下ってきた道を見る。
魔族と直接接触したいわけではないが、さて、もしばったり見つかったらどうなるのか。
好奇心が彼を突き動かし、さらに前へと歩み出した。
■ヨハン > 「(まぁでも、中に入るのも危ないよなぁ。もしかしたら罠とかあるかもしれないし)」
そう少し悩みながら、フードを被って黒髪を隠す。
旅人の服装をしているが、その各所には動きやすくも身を守るための防具を着ていた。
気温もイマイチ低く感じて、マントを羽織って体を温める。
ここで野宿をするのも、テントを張るのも危険な気がして周囲を見渡す。
「(しかし、本当にこんなところに魔族は住んでるのか。
魔族にも町とか、市場とかあるのかな?なんとか変装とかできないものか。
というか帰り道どうしよう、また山脈を登りなおすのは面倒だな……)」
吞気にも帰りのことを心配しながら、しかしその青年は油断はしていない。
気を張るというほどではないが、長旅に慣れているのだろう。
常に周囲の気配を探って剣を抜けるようにしていたが、同時にリラックスもしている。
■ヨハン > 「ま、案外魔族じゃなくて同じ人に会うかもしれないかな」
それはもしかしたら、ここに連れてこられた奴隷。
それはもしかしたら、同じようにここまで来たバカ。
それはもしかしたら、魔族の国に潜入した人間。
あるいはそれとは違う、魔族でもない別の種族もいるかもしれない。
相手が凶暴であれ、友好的であれ、どれも非常に楽しみだ。
勿論、危険は承知している。それでも青年は、期待も胸にあった。
それは自信過剰か、勇猛なのか、判断はつかないが……不安でいるよりはいいと、自分に言い聞かせて。
「なるようになるしかないよな、ここまで来たら」
そう雲行きの怪しい空を見上げて、ため息をつく。
■ヨハン > 「……」
あるけどあるけど、いまいち道が変わった様子がない。
もしかしたらすでに迷っているのかもしれないし、何らかの罠にでもかかったのだろうか。
前に進んでいるはずなのに、なんだか一歩一歩が少ない気がする。
怖気づいてしまったのだろうか?いや、そんなことはないと思いたかった。
「弱ったな……」
ここまで景色が変わらず、石と土の道ばかりだとは思わなかった。
魔族の国というのだから多少は文化的な道もあるのかと思ったが……。
あるいは自分がまだ魔族の国についていないだけなのだろうか。
「(夜もここだと危ないし、せめて街らしい街にたどり着けたらいいんだけどな)」
雲行きは変わらず怪しいまま、雨が降らないことを祈って足早に歩みを進める。
せめて敵でもいいから、自分以外の生き物に会いたかった。
ご案内:「魔族の国」にカレリアさんが現れました。
■カレリア > 「斥候、にしては妙な感じですわね?」
ふと、青年に声をかける声が1つ
少女は青のミニドレス姿であまりにも場違いな恰好
それどころか、声をかけるまで草木を分けて近付いてくる音も無かった
「王都の軍所属の方でしょうか?それとも冒険者さん?」
二コリと笑顔を向ける
その笑顔は可愛らしく、とても分かりやすい作り笑顔でもある
■ヨハン > その言葉を聞いて、青年はゆっくりと振り返る。
振り返る瞬間に僅かに自らの得物へと手を当てて。
「おや、これは麗しいお嬢さん。奇遇だね」
その笑顔に対して青年はフードの下から同じ笑顔を浮かべる。
ただし、彼女の作り笑いに対してこちらは爽やかな本当の笑みだ。
だが、決して目前の少女に油断をするつもりはなかった。
「冒険者だよ。たまたまこの国に興味があって来たんだ。キミはここの住民かい?」
そう聞きながら、一歩、目前の少女へと近寄る。
■カレリア > 「ふふ、奇遇だなんて面白い冗談ですわね?」
笑顔を浮かべたまま手先を動かす
青年が足を近付けた更に一歩先の部分で地面が小さく爆ぜる
衝撃やダメージ等は一切無くとも見た目と音で威嚇の効果はある
「今はまだそれ以上近付かないでください。
冒険者と言うのが本当であれば危害は加えませんわ。」
ふぅ、と笑みを捨てれば赤い瞳がそちらを見据える
■ヨハン > 小さく舞い上がった地面の土煙に、足を止める。
「いやあ、実際奇遇じゃないかな?だってお互い、今日会うのを予想してたわけじゃない、でしょ?」
楽しそうな笑みはそのままにその赤い瞳に見据えられ、青年は目を細める。
警戒されている。彼女はまだ、自分を敵かどうか見定めているといったところか。
どうやって今の現象を起こしたのか、魔法か道具か、あるいは特殊能力か。
それが非常に興味深くも思う。
「わかった。わかったよ、じゃあお互い気が済むまで話をしようじゃないか。
……話の主導権はキミにあげるよ。代わりに先に名乗らせてほしい、礼儀として、ね?
僕はヨハン、旅人の冒険者さ」
■カレリア > 「貴方の行動は少し前からこの地域で監視対象でしたわ。
装備をしている不審者ではあるものの、遭難しかけている可能性も有ったので話しやすい私が呼ばれましたの。
いきなりこんな場所で魔族が出てきたら話なんてできないかもしれないでしょう?」
なので奇遇と言うには少し違う、と訂正
明らかな敵、王国の兵であればこんな回りくどい事はしない
なので今現在はそれを確認している最中である
「ご協力感謝しますわ。
ですが、心配しなくても確認はすぐに終わりますわよ。
冒険者のヨハンさん、、、本当みたいですわね。
私はカレリア、人間ではありますが魔王様の内の1人に仕えていますわ。」
そう言うと表情と警戒は少し薄れる
とても簡易的にはだが尋問は一旦終わった
青年が本当のことを言っているのは理解したらしい
■ヨハン > 監視されていた。なるほど、山脈を登っている間時々感じた違和感はそれかと悟る。
となれば、彼女の言葉を聞いて思うことが一つ。
「ということはキミは魔族じゃないってことか。なるほどね……。
そうだね、キミみたいに綺麗なお嬢さんが出てきたら、どんな人もびっくりしないだろうさ。
その赤い瞳と長くて綺麗な髪。並の男だったら吸い込まれてしまいそうだよ」
そう軽薄な笑みを浮かべて、言葉を出す。
本心からそう言っているがこの状況で吐くような言葉ではない。
「カレリアか。ってことは、僕はそのキミが仕える魔王の領内にはいっちゃったわけかな?
……もしかして、通行許可証とか、そう言うのがないとダメな感じ?」
恐る恐る、といった風にそう聞く。
冒険者の割にはそういう細かいことや法律は気にするタチらしい。
■カレリア > 「間違いなく人間ですわ。
まぁ、信じずに襲い掛かって来てもいいですけれど?
お褒めに預かり光栄ですわ。」
褒め言葉に笑みを浮かべるが嬉しそうな様子は無い
本心と分かった上でこの対応であった
「いいえ、冒険者や商人、旅人と言った方々であればそこまで目くじらを立てたりもしませんわ。
ただ、、、兵士や密偵に周辺の土地を把握したい斥候であれば潰しておく必要がありますので。」
ぷちっと、と指でジェスチャー
青年の事も最初はそうなるかもしれないと思っていた
「先程も言いましたが、ヨハンさんの事は周辺の土地情報を調べているのか遭難しているのよくわからないと報告がありましたの。
案内もつけずに単身、しかも徒歩で魔族の国に向かう方はそうそう居ませんから。
先程のお話中魔法で確認しましたが、少なくとも嘘をつく方ではないと分かりましたので警戒は緩めて頂いて結構ですわ。」
■ヨハン > 「(こりゃ難物だな。僕個人じゃなくて、他の要因で僕に対して警戒してるか嫌ってるってところか。
もしくは、そもそも誰にも心を開かない―――っていうタイプではなさそうかな?)」
彼女の笑みに、内心でそう観察して。
お役所仕事や密偵の仕事としてならしっかりと話し合いは得意とするはずで。
ここまで彼女から、どこか冷えた視線を感じるとそういう理由でもなさそうだった。
「まぁ国の人間からしたらそうなるよねぇ。いちおう身体検査なら受けるよ?」
そう言って掌をひらひらと、脱がされたり持ち物を調べられてもいいというジェスチャーをする。
ここで下手に揉めたりして余計に労力を使うのも面倒だ。戦うのはまぁ、いいのだが。
「お、やっぱり魔法を使ってたんだ。あぁいや、さっきの爆発がなんなのか考えてたって方でね?
でも、噓か本当かを探る魔法の方は気が付かなかったよ。
それじゃあお言葉に甘えて……」
警戒を緩めようとして、一度言葉を止めて
「近づくのはまだNGかな?」
■カレリア > 「そこまでは不要ですわ、そのために私が呼ばれたという経緯もありますので。」
何より触るなんて御免ですわ、と小さな声で呟く
カレリアにとって男相手に身体検査など拷問に近いものが有る
ここ数年でまだマシにはなったものの、このカレリア、、、極度の男嫌いなのである
「先程の地面のも、噓かどうかの判断も魔法で間違いないですわ。
これでも魔法専門で冒険者の登録もありますの。
もう大丈夫ですわ、ある程度街が見える所まで案内もいたします。
ただ、突然私に触れられると吹き飛ばしてしまいますので気を付けて下さいませ?」
接近の許可と、後半部分は警告に近い
話す、近付くはともかく心の準備もしていないのに男に触られては自分でも何をするか分からない
魔法を使える分謝って重傷を負わせる可能性も有る
■ヨハン > 「へぇ、魔族の国って結構蛮族気味なところかと思ってたけどそうでもないんだね」
国の体を為していて、文化的な話もあるがそれでもそういうイメージを抱かざるを得なかった。
積極的に人間を襲い、攫い、その精神や命を弄ぶ存在と専らの話だ。
もちろん、それが魔族に限った話ではないことは知っているのだが。
小さな呟かれた声に、ほんのちょっとだけ聞こえて。
「(触るなんて……ということは、なにかに触れたり、触られたりするのが嫌なのかな?
あぁ、もしかしたら初対面の人とか、あるいは主以外の存在にという意味かもしれないな)」
そう考えて、下手にちょっかいを出すのは避けるべきが吉かと結論付ける。
不用意なことはもともとこの国に来た以上しないほうがいいのは知っていたが。
この女性に対しても同様に接触するべきのようだ。
「魔法を扱う戦士か。なるほどね、ここじゃなかったら手合わせ願いたいところだったよ。
まぁ、安全っていうのは違うけど、とりあえずここら辺を適当に歩いてももういいのかな?
それともキミがどこかに案内とかしてくれたり?」
■カレリア > 「仰る通り、そう言った魔族も多いですわ。
ですけど人間と違い一度上下関係を叩きこめばすんなり従う方も多いんですの。」
力こそ正義の側面は強い
それこそ優れた統治者寄り強いリーダーに付いて行く者の方が大多数ではある
が、それこそそんな蛮族ばかりではとっくに王国に駆逐されていたというのも事実である
「手合わせ、ですか…相性が悪いと思いますわよ?まぁそれも良いですが。
ヨハンさんが迷われていると言うのであれば街が見える所までは案内をしますわよ?
この山脈はかなり大きいので、空を飛ぶ等と言った手段がないと遭難して死ぬ事も珍しくないですが…どうされます?」
慣れない山越えで披露しているのが気になるが手合わせしたいと言うのであればそれも悪くは無い
問題は、その後彼をここに放置して行ったらどうなるかという事
遭難手前状態で手合わせのせいで疲労困憊のまま帰らぬ人に、、、なんて事になればこうして話をした以上目覚めは悪い
■ヨハン > 「なるほどね、どっちかというと野生動物的な社会ってことか。
勉強になるよ、ありがとうカレリア」
ニコニコと、素直にそうお礼を言ってフード外す。
黒くほどほどに切ってある短髪と、そこそこ顔の整った青年の顔がよく見える。
といっても、この少女は青年の顔など微塵も興味はないだろうが。
「まぁ今すぐはちょっと難しいね。一回じっくり休んでからしてみたい気持ちはあるけど。
迷うというか、そもそも国の地図とか持ってないし地理とかわからないんだよね。
ただここに魔族の国があるっていう情報だけでここまで真っ直ぐ来ちゃったんだ、ははは」
など、非常に楽しそうにしながらも情けない言葉を聞かせる。
ただ北の方にある山脈を抜ければ魔族の国に行けるという話だけでここまで来たようだ。
しかも単身で、道中魔物の襲撃もあっただろうに、なかなかのクソ度胸かもしれない。
「(あれ?結構この子いい人だな?)」
話していて分かったのは、目前の少女は決して心ない義務的な存在ではないということ。
若干こちらを心配してくれている様子もなくもないことに、少し面食らって。
「ちなみに街が見えるところっていうのは……この国の街、っていう意味じゃないよね?」
■カレリア > 「…間違ってもそれ町中で言わない方がいいですわよ?」
理解は正しいのだがそれを言えば短気な魔族に喧嘩を売るのと同じである
割と素直な彼の今後が少し心配になったカレリアであった
青年の整った顔は少なくともカレリアには好印象である
美しいか醜いでは美しい者の方が好ましく感じる、だがまぁそれでいきなり距離が縮まったりはしないのだが
「ですわね。疲れた相手に勝ったとしても嬉しくありませんわ。
魔族にとって地図は余り意味がないとされてますからね。そんな物持ってるのは魔王様達くらいだと思いますわよ。」
なので、魔族の国を目指す場合は基本的に魔族に案内を頼むのだ
冒険者が意気投合した魔族に招かれると言うのもそこまで珍しくは無い
若しくは飛行能力や転移の類の能力が有ればここまで過酷な旅にはならないが、今回はそのどれも無い為かなり辛い旅であった筈
「ここまで頑張られた貴方の努力を称えて一番近い魔族の街に、ですわ。
冒険者と言うのなら魔族の街でも観光して帰りは人間の国に向かう魔族に案内を頼むと良いですわ。
ここまで山を歩き回って何も得られないのは本意ではないでしょう?」
■ヨハン > 「あぁ、そうだね。当たり前のことだった、この国に住むキミにも謝るよ、ごめんね」
よく考えれば今の言葉がどういう意味をするかわかるはずだった。
いろいろと新しい事ばかりで興奮や期待を隠せないのかもしれない。
もう少し落ち着きを覚える必要がありそうだ。まぁ疲労からテンションが変に上がっているのかもしれないが。
「おっと、さっきの言葉で思ったけど、カレリアも結構そういうのイけるクチ?」
戦いにノってくれる可能性がある。そのことに少し心の中に期待が生まれる。
とはいえ、言葉通り今すぐするのはお互い不本意だろう。いつか、あるいは少ししたらか。
「ふむ、この国を牛耳っている魔王じゃないと自分の国なのにわからないことが多い……いや、そもそも気にしてないのかな」
ちょっとそう考えたが、まぁそこらへんは今気にしても仕方ないだろう。
というかもう、山脈をずっとこの飛べもしなければ特殊な力もない身一つで登ってクタクタなのだ。
「それはとても嬉しいね。観光もできるとは、予想以上だよ。
そうだね、ここで何も得られずにトンボ帰りは勘弁してほしいところだ。
あ、でもそうだな。土産話――にはしないけど、僕個人としてはキミに興味があるよ?」
ポンポン、と自らの得物である剣の柄を叩いて。まぁ、彼女が自分が休んだ後も暇ならの話だが。
■カレリア > 「構いませんわ。ただ人間以上に魔族は喧嘩っ早いのでお気をつけて。
これでも冒険者として戦闘は数えるのも面倒な位こなしておりますわ。
それに、新しい魔法の実験は実践が一番ですので。」
技術の錬磨として戦いは嫌いではない、寧ろ命の危険がないのならどんどん行うべきとも考えている
魔族は良い意味でも悪い意味でも実力主義、カレリアの考えもそれに寄るのは仕方ない事だった
「殆どの魔族は人間より魔術に秀でていますの、探知や探査の魔法に加え空から見下ろせば地図なんて使う必要殆ど無いでしょう?」
なので情報として残しておくものは極一部である
地図等使うのは戦争時の会議であるかないか、位の物だ
「下手な騒ぎを起こさず普通に楽しむ分には人の街とそう変わりませんわ
面倒な魔物駆除の仕事なんかもありますわよ。
ふふ、万全な状態でなら相手をして差し上げますわ。
暫くは街に滞在しますので町長の館を訪て頂ければ、お相手いたします。」
ボッ!と手の上に火球を作り、、、それを消す
お互いの得物は分かりやすく紹介できただろう
■ヨハン > 「喧嘩っ早いか。もしその街で名を上げたら、他の魔王様に見初められたりとかするのかな」
と、冗談めかして。可能性は低いが、そこまで実力主義ならばという気持ちはなくもない。
とはいえ、自分の技や力が通用するかどうかでいえば、可能性は低いのだろうが。
「魔族は魔術に秀でるか。確かに、そういう風に魔法を使うなら本物の地図はいらないね」
その言葉に頷いて、納得する様子を見せる。
こういうところは人間とは全く違うとよくわかった。
あるいは、人間でも研鑽を積めば同じことが出来るのやもしれないが。
「カレリアのメインは魔法か。なるほど、僕の経験を積む相手にはちょうどいいね。
僕は、魔法使いとの戦い方を学びたいところだったんだ」
彼女の手から出た火球に笑みを浮かべて、好戦的な表情を浮かべる。
それに、それほどまで自信があるというのなら相手にとって不足はないというものだ。
俄然、楽しみになってきた。
「じゃ、せっかくだから案内をお願いするよお嬢さん。
出来れば何かお礼もしたいところだけど、出来ることもあんまりないからなぁ……」
■カレリア > 「そうですわね…正直な所、それはあり得ますわ。
魔王様に見初めて頂いた人間がここに居ますもの。」
そう言った事が彼に起こるかは分からない
けれどその実例をカレリアは身をもって体験していた
「えぇ、そうですわ。
魔法使いとの戦い方…なら、実際にお相手する前に1つだけ。
距離を取ったら負けを覚悟した方がいいですわよ。」
誰でも知っている様なアドバイス
だが、その深意を知る者は意外と少ない
「遭難者からお礼をねだるほど困ってはいませんわ。
ここに来るまでのルートは覚えていますので、ついて来てくださいまし。」
そう言えばふわりと少しだけ宙に浮き、、、山道を先導する
確かな先導と孤独が紛れた青年の足で有れば一時間もすれば木々が生い茂る山を抜け、街道らしき物
そして少し遠めに街が見えてくる筈
■ヨハン > 「距離を取ったらまける、か……」
きっと、弓を相手にするときや飛び道具を使う相手をするときとは違う意味だろう。
勿論、自分が経験していない以上はその真意は未だ推理までしかできない。
だからこそ、そのアドバイスは素直に効かなくてはならない。
「そうかい?それなら素直にそのご厚意に甘えるとしようかな。
あぁ、よろしく頼むよ、カレリア」
僅かに浮いた彼女の姿を興味深そうに見ながら、先導する道を歩む。
そうしていると、しばらくしたら街らしきものが見えて、安心した顔を浮かべる。
「あぁ、ここまで来ればもう大丈夫そうだね。やっと安心を出来たよ。
……君と試合をしたいのなら、町長の家に行けばいいんだったかな?
じゃあ明日、そうさせてもらうね」
そう言いながら、改めてお礼を告げて。
「本当にありがとう。カレリアは僕の恩人だ、力になれることがあればいつでも言ってね」
■カレリア > 「そう言って下さる方が気分がいいですわ。
さぁさ、こちらですわよ。」
街が見える距離までくればもう一安心
ここから迷う事もないだろうし青年も街に辿り着けない程衰弱はしていない
「ここからなら真っ直ぐ行くだけですし、街に近い場所で魔物に襲われることも無いですわ。
えぇ、数日は滞在しておりますので試合以外も何かあれば町長の家に。
ゆっくりと魔族の街を楽しんでくださいまし。」
恩人だと感謝を述べられればカーテシーで小さく一礼
少し距離を空け、上空に舞い上がるとそのまま街の方へと一直線に飛んでいく
最初、カレリアが現れた時に音も無く近づいた方法が何だったのか
小さな疑問が解消したかもしれない
■ヨハン > 「うん、わかったよ。じゃあまた後で、用があったら向かうね」
そう言いながら、一礼をされて彼女は飛び上がっていく。
どうやって自分が彼女の気配を気が付かなかったか、なるほど。
あぁして空を飛んでいたからか、と納得して。
「……じゃあ、空を飛んでいる相手にどうやったらいいか。考えないといけないなぁ」
そんな方法があれば、誰も苦労はしない。
だが追求をするのが、自分の選んだ道だ。
きっと彼女は強敵であり、そして彼女が仕える魔王は想像を絶するのだろう。
なら、それに挑むことが自分の行くべき道と考えて。
確かな足取りで、その魔族の街へと足を踏み入れるとしよう。
そこから何があったかは……また別の話。
ご案内:「魔族の国」からカレリアさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」からヨハンさんが去りました。