2022/10/03 のログ
ご案内:「魔族の国」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
「……チッ!!」

 非常に不愉快。そう言わんばかりの態度で魔族の国内部の山に彼はいた。
 なぜこんな危険地帯にいるのか、それはまさに先日の戦場での出来事。
 言ってしまえば彼は王国の騎士を相手にある種の反抗。全員を鎖で縛って連れていくという暴挙に出た。
 結果的にその判断が功を成して生き残りも多く帰還するという結果にはなったが……。

「なんだって無利益でこんな危険な仕事しなきゃならねぇんだよクソったれ」

 とはいえ、一部の貴族や騎士をそれで怒らせたのは事実。本来なら罪に取られる所を特例で許された。
 その特例というのがこの任務。つまりは魔族の国に奇襲をかける為のルートの捜索であった。

「無理に決まってんだろこんなの」

 だが、できるわけがない。自分個人でも相当厄介な状態で、さっきから見つかりかけたのを暗殺したり道を変えたりで何とかやり過ごしている。軍を送り込むなど正気の沙汰ではない。
 もし希望者がいたら援軍を送れるかもしれないとのことではあるため自身を追跡できるように目印は残してあるが……こんな危険な仕事好んでい引き受ける馬鹿がいるとは思えない。
 つまり敵陣に孤立。あまりに早く帰れば特例が消えて罪人ルート。まったく酷い状態である。
 そういうわけで非常に不機嫌な様子であった。