2022/07/22 のログ
ご案内:「魔族の国」にクレイさんが現れました。
クレイ > 「……やらかしたなぁ」

 森の中、そんな事をぼやく。右肩には矢を受けたと思われる傷痕、ボロボロの服装。明らかに攻撃を受けた痕。
 さっと木の影に隠れる。近くを魔族の一団が通りすぎる。こっちの方へ逃げたはずだと叫びながら。

「しかもこれ魔族の国方面だろ。完全に追い込まれたって感じだなおい」

 魔力を練ろうとする。だが矢に呪いでもかけてあったのか魔力も上手く練れない。
 一応持ち合わせのポーションなどで最低限傷は塞いだが、だからと言って流れ出た血までが戻るわけではない。体力は失ったままだ。
 戻り方は太陽の位置や走ってきた方向からわかる。だが問題はそっちは魔族に完全に抑えられているという事。であれば新しい道を探すしかないが。

「こういう時って嫌な展開が重なるんだよなぁ」

 なんだかんだ不運が重なるのがこういう時だ。
 はぁと溜息を吐きながら木々の隙間を走っていく。

クレイ >  
 太陽を見て位置を確認しながら必要以上に奥へと進まないように気を付ける。流石にどこかの領域に入ってしまうと不味いなんてレベルじゃない。
 しかしだからと言って森から抜け出すわけにはいかない。隠れる場所がないなんて殺してくれというような物だ。ここならまだ上からで魔族だと誤認してもらえるかもしれないが街で正面から見られたら確実にバレる。

「っー! これはキツいな」

 外に出てしまった血のせいでめまいがする。思わず木にもたれかかり落ち着くのを待つ。
 魔力が練られれば強硬策で脱出もできるのだが。

「しばらくサボってたツケだなこりゃ」

 勘が鈍ってたかと笑う。
 不意打ちで矢を受けるなんて間抜けも良いところだと。

クレイ >  
 しばらく時間を過ごし、呪いも弱まってきた。

「下級の呪いだったか。何とかなったな」

 はぁと一息つく。魔力が練れるなら脱出ルートも増える。
 太陽を見ながら王都に向かう。山を越え、何とか見つからないように。

ご案内:「魔族の国」からクレイさんが去りました。