2022/05/21 のログ
ご案内:「魔族の国」にルヴィルクインさんが現れました。
■ルヴィルクイン >
魔族の国の何処かにあるというゾヴィアホルン魔導書院
その入口は魔術によって秘匿されているが、時折こうやって、その姿を現すことがある
屋外に設置されている祭壇
ここは禁書を焚き上げるための場所である
「もう少し溜まってからでもいいと思うんだけどなー」
「お姉さま達ったら、几帳面なんだから」
火の司書であるバフォメット三姉妹の末妹、ルヴィルクインは気怠げに独り言を呟きながら、魔物化した書物をどさどさと祭壇に積み上げてゆく
■ルヴィルクイン >
「──ま、いっか。さっさとやっちゃお」
風を切るように手元の大鎌を振り回す
その軌跡に紅い火が灯り、大きな魔方陣を描き出すと──天を灼くような、炎が逆巻き
魔物化した禁書を一瞬にして灰に変えてゆく
これが魔導書院におけるルヴィルクインの役目、梵書だった
最早手慣れた作業、特に危険もなければ張り合いもなく、小さな欠伸を噛み殺しながら
取り敢えず灼き尽くしたのを確認するまで、薄暗い魔族の国を照らす炎の前に佇んでいた
■ルヴィルクイン >
一つ残らず灰になったことを確認すると、大鎌大きく薙ぎ払うように振れば
天高く逆巻いていた炎は掻き消え、照らされていた辺りも闇を取り戻す
「ふん」
小さな火の粉が周囲に舞う中、懈そうに一息吐いて大鎌を虚空へと仕舞い
「ふぁ…──。お仕事も終わったし、おねーさまに遊んでもらおうっかなー」
ぐー…っと大きく背伸びをして、魔導書院の入り口を開くための魔術式を指ですいすいと目の前の空間に描き込んでゆく
本当なら久方ぶりに外に出たのだし、人間の一人でも捕まえて研究好きの姉へのお土産に…とも思ったけれど
境界の砦まで行くのも遠いし、面倒くささが勝ってしまった
■ルヴィルクイン >
やがて指でなぞった空間が輪郭を帯び、淡い光と共に一つの大扉を形作る
本来の出入り口とはまた別に、三姉妹しか使うことの出来ない通用口──
それを魔術で作り出し、ショートカットするのが面倒臭がりの末妹の常だった
「♪ お腹も空いたし、おねーさま達に何かもらおー」
お仕事をちゃんとこなしたから、ご褒美も貰えるはず
気怠げな様子から一転して機嫌よく足取り軽く、紅髪の魔族女は扉の奥へと消えていった
ご案内:「魔族の国」からルヴィルクインさんが去りました。