2022/04/06 のログ
ご案内:「魔族の国」にアマツキさんが現れました。
アマツキ >  
件のタナールとかいう砦は忙しない、故の回り道
険しい峠越えも人には厳しくとも、鬼にはさしたるものではない

──しかしそれはそれとして、腹は減るものである

暗闇の支配する魔族の国の森の中
鬼は煌々と燃える焚き火の前にどかりと座り込み、自分を襲ってきた魔物の肉をもりもりと咀嚼していた

「──不味い」

ぺっ、と筋張った部分を吐き出しつつ、溜息
家畜でもない野生の魔物など当然美味であるわけもない

人の国に在らば人を喰らう鬼、人の肉はやはり鬼にとっては美味である
なれば魔族の国に在っては…?

「魔人を喰らう、というのも趣はあるがなあ」

よしんば喰らったとしても腹など壊さんだろうか
さすがに喰ったことがないのでわからない鬼は口を濯ぐように腰元の徳利を呷っていた

ご案内:「魔族の国」からアマツキさんが去りました。