2022/03/31 のログ
ご案内:「魔族の国」に影時さんが現れました。
ご案内:「魔族の国」にラファルさんが現れました。
ラファル > 「あれだよね、全て自己責任、騙されるも、使い捨てられるも、ね。
 だから、それがいいなら、良いと動く、それだけの話。」

 裏社会に関しては、其れこそ、其れでしかない、裏なのだから、真っ当な権利や義務があるわけでもなく。
 真っ当な保護がもらえる訳がない。全ては自己責任の上で、諦めろ、それが、裏社会。
 知らなすぎるのも、危険で、知りすぎるのも危険。自分だけが、頼れるが、自分が一番危ない。
 幼女はこの年で、それを理解していた、伊達に、盗賊系のクラスを習得してるわけではない。

「えへへへへへ……っ。」

 わしゃり、わしゃわしゃ、と金色の髪の毛が、大きな武骨な手で撫でられる。
 男性の掌、頭よりも大きな掌、よしよしとなでられて、それが嬉しくて。
 自分から頭を擦りつける、ツインテールの髪の毛がピコピコピコらと揺れ動く。
 だからか、出来ない奴の白目剥く辺りは、確りと聞き落していたりする。

「埋め込まれたのが、亡くなって、そのまま……かもね。
 案外、ボクと同じ、風の流れを感じ取ってるだけかも。
 光が無くても風は流れるし、其れの方が、あり得そう。」

 死んだ空気、淀んだ動かぬ空気、されど、空気は何かが動けば、波となる。
 気配を消そうとも、人が動けば空気は流れる。
 それを感じて、存在を認識する、視認するというのは良くある話だよね、と。

「――――ん。」

 爆発音、周囲の空気が震えて、その中に紛れるように走る師匠。
 来い、とも来るな、とも言われてない、その辺りの判断は任されている。
 まず、ラファルがするのは、確認だ。
 戦闘は、師匠で問題がないのは見て取れる、あの程度の石ころに後れを取る師匠じゃないし、石ころの速度はとても遅い。
 当たるはずも無かろう。

 だから、全知覚をフルに使って、索敵をするのだ。
 他に隠れている者がいないのか。
 他に此処に向かうのが居ないのか。


「まあ、いるよねー。」

 というよりも、今、大きな音が響いたのだ。
 だから、当然と言う感じで、同じような足音がいくつか近づいてくるのが判る。
 無論、洞窟の奥。
 反響の仕方、反響の聞こえるタイミングから、距離を測定して。

「後10分で、二体増えるよー!」

 と、気楽に報告。

影時 > 「後ろ盾も保証も何も無ェえでいいなら、好きにしてもいい。
 だが、己が結果の果てに切り捨てられても文句は言うな――ってな」

それが裏社会だ。それが闇から闇を這う者たちの暗黙の了解だろう。
一挙一動の大小でも、それだけで目的の成否を左右しかねない要素だって起こりうる。
無頼を気取る己とてこの手の仕事を請ける、関わる必要が生じた際には少なからず注意を払う。
それはよそ者だからではない。速やかに事を為し、無用な手間を省くために必要なことだからである。邪魔者は殺せばそれでいい? そんな道理があるものか。

――ともあれ、この手の道理をまだまだ幼い時分から理解しているというのは良いことなのか。師匠として、先達者として思案すると悩ましい。
わしゃわしゃと撫でてやれば、嬉しそうにしてくれる仕草は本当に歳相応の子供のよう。
才能がありすぎるというのは、こういった適性の面でも云えるのかもしれない。忍びの技を誰彼構わず流布できない点は、適性の有無も大きい。

「――かもなァ。だが、風の流れを感じるだけというにはあの見た目と造りは、恐らく向いてなかろうよ。
 蛾や蝶みたいに触覚を出しているなら兎も角、そのうち精錬する予定の岩肌にまで仕込みを行うのは、どれだけ凝り性なのやら」

そう、そういう知覚も決してないわけではあるまい。だが、それは風の精霊を御せる使い手であり竜種故のセンスの知見が強いからか。
この洞窟はさながら、星を散らしたように魔力が揺らめく銀の光がそこかしこに瞬く。
それらは魔力を吸って生じる明滅だ。精霊、エレメンタルなどのような力の具現を長く許さず、最終的に精錬用の素材となる木偶に芸術的な仕込みを凝らすのは合理的とは言い難い。
故に一番可能性が高い熱、音、そして魔力の発生による判別に賭ける。

仕掛かりについて、弟子に来いとも来るなとは言わない。
見取り稽古の材にしても良いし、警戒をしても良い。少なくともこのような実戦訓練も兼ねた場において、一から何までの指示は下さない。

「ひとぉつ、と。……んじゃぁ、仕留めるついでに奥に進ンじまうか」

岩肌を貫き、ゴーレムの制御中枢を刺し穿つ刃金に氣を送り込む。注がれ、飽和する氣力が敵の内側で爆ぜる。だが、その余波も音も何もしない。
ただただ静かに敵を沈黙させれば、崩れ落ちる敵を蹴って離れる。
その傍らに弟子が告げる後続の予報に太刀を振るい、刃を腰に収める。その代わりに装束の隠しから取り出すのは、一本の棒手裏剣だ。
それを片足を踏み出して構え、先端をつまみながら呼吸を整える。息を吸い、吐き、繰り返しの練氣の技を以て満身に氣を満たす。そうして振りかぶった投具を――、

「――!!!」

闇の向こう、音ともに接近してくるゴーレムの一体に狙いを定めて叩き込もう。号、と生じる唸りは洞穴を揺るがし、鉄の切っ先が木偶の胴を破裂させるように穿つ。
そうして生じる風を追いかけるように、男は前に進む。残る一体については、弟子の裁量に任せる。己のように壊すのか。それとも、無力化するのか。

ラファル > 【PL:中断致します】
影時 > 【中断⇒次回継続予定】
ご案内:「魔族の国」から影時さんが去りました。
ご案内:「魔族の国」からラファルさんが去りました。