2021/09/25 のログ
■シュティレ > ある程度歩いたところで、私は足を止めました。目的の物を見つけたから、です。
しかし、問題もまた一つ浮かび上がってきました、レストランに、バル、両方見つけてしまったのです。
考えてみれば、レストランも、バルも、食事に関係するところでした、そういう意味では、近しい場所にできてしまうのは仕方のない事なのでしょう。
何故ならば、その周囲に、食事するところを、休憩するところを求める存在が多いから。其処に店をあげれば、売り上げが良くなるのでしょう。
ただ、立地とその店の食の味に対して、イコールではないので、吟味が必要になりますが。
「困りました。」
小さくつぶやく私の声は、誰かに聞こえるか聞こえないか、と言う程度の物、別に助けを求める積りもありません。
思考をまとめる為につぶやきが漏れてしまったという程度の物なのです。
往来のど真ん中で立ち尽くすのは、ヒトの通行の邪魔にもなりましょう、私は道端に寄って二つの店を比べてみる事にしました。
バルは……。大衆酒場。皆がわいわい騒ぎながら酒を飲んだりするような場所です。
レストランは、大衆食堂、騒ぐというよりも、純粋に食事を求めてきている人が集まり、何方かと言えば上品といって良いでしょう。
私は、目的などによってそれらを切り替えるのですけども、今回に関しては、何方でも良いという状態なのです。
目的は、小休止、のどを潤す、なので。
何方でもできそうと言えます、バルで言えば、煩いのを我慢すれば酒場の面目躍如、おいしいお酒が飲めるでしょう。
レストランにすれば、静かでのんびりできます、私は、静かな方が好きなので、此方が良いと思えてしまいます。
お酒も、美味しい物を知って、献上するのもありと思えば、悩ましいのです。
レストランか、バルか、私は、迷って居ました。
■シュティレ > 脇に寄って、しばしの間、店を交互に眺めていた私は、しばらくの間じっと見つめているだけでした。
通り過ぎる魔族の方々や、奴隷階級のヒト達、皆此方の事を気にする余裕はないのでしょう、唯々通り過ぎていくだけの彼ら。
それを視界の端に移しながら私は、沢山、沢山考えて居ました。
その結果、私の選択は、レストランの方になりました。
理由としては決めてしまえば簡単な物で、やはり私は静寂を好むのです、品を求める者なのです。
なので、という訳ではありませんが、静かなレストランで、ワインをくゆらせてのどを潤すほうを選ぶことにしました。
決めてしまえば行動は直ぐに、が私の信条です。
コツり、コツりと、ヒールを鳴らしながら、私はレストランの方へ。
そして、店の中に入り、食事とワインを堪能し、私は去っていくのでした―――。
ご案内:「魔族の国」からシュティレさんが去りました。