2021/09/23 のログ
ご案内:「魔族の国 とある城の地下牢」にヘルティナさんが現れました。
ヘルティナ > 仄暗く、鉄錆の匂いが立ち込める石造りの地下牢。
その最奥部、黒い鉄格子に閉ざされた一室の中で――

「……ッん……ふ、ぅっ……く……。」

くちゅり、にちゃりと纏わり付くような湿った音色と、それに混じって時折零れる押し殺したような女の声。

揺らめく蝋燭の幽かな灯りに浮かび上がるのは、天井から伸びる鎖に両手を繋がれた赤いドレスの女の姿と。
元よりこの地下牢に棲み付いたものか、それとも何者かの手によって意図的に放たれたものか、
粘液に塗れた触手を伸ばし緩慢な動作で女の身体の上へと這わせてゆく、醜悪な魔物の姿だった。

「――もうッ……いい加減に、離れて頂戴……ん、っぅ……気持ちが悪い……。」

そう言って、不自由な身体を揺すって纏わり付いた触手を振り解こうとすると触手は一瞬距離を離すものの、
すぐさま女の頬や背筋へと取り付いては、舐め回すようにその肢体の上を這い回り始める。

そんな繰り返しが、もうどの位の間続いただろうか。
暗く閉ざされた地下牢と、思考を掻き乱す触手の愛撫の所為で時間の間隔はとうに曖昧で。
女をこの場所に捕らえた者の正体も目的も分からぬ侭、ただ悪戯に醜悪な魔物に弄ばれるだけの時間が過ぎていた――

ヘルティナ > 「……一体何時まで……ハァッ……このまま、放ったらかしのつもりなのよ……。」

女の疑問に答える者の姿はなく、聞こえてくるのは石造りの地下牢に反響して返る音と、
不意に女の耳元を撫で付けた触手が奏でる不快な粘液の水音ばかり。

もう何度目になるかも判らない自力での脱出を試みるけれども、
天井から伸びる鎖の先に繋がれた手枷は女の手首へと嵌められたままびくともせず、
加えて女の身体中へと粘液を擦り付けながらまさぐる触手が力を削いでゆく。

「――ちょっ、と……何処触って……ひゃっ、ん……!」

徐々にその範囲を広げてゆく触手がドレスの裾へ潜り込み太腿を撫で始めると、
金色の瞳がそれを鋭く睨み付け抗議の声を上げかけた瞬間。
緩慢な動作で女の臀部を撫で上げた触手が与える感触に、ぞわりと身震いしながら上擦った声を漏らしてしまう。

慌てて口を紡ぐも手遅れで、その声は地下牢の石壁に反射して響き渡り。
女は恥辱に頬を染めながら、自由になった暁には目の前の醜悪な魔物を八つ裂きにしてやろうと心に誓う。

ヘルティナ > しかしそんな女の仄暗い決意とは裏腹に。
両手首に嵌められた手枷の束縛も、全身をまさぐる触手の動きも、緩む気配を一切見せず、
女をこの場所に繋ぎ止めたであろう、見知らぬ地下牢の主すらもその姿を見せないまま。

「――嗚呼、もう……本当に、趣味の悪い……。」

そうして、醜悪な魔物によってその身体中をいいように弄ばれる時間だけが、刻一刻と過ぎてゆく。
女にとって屈辱でしかないその時間は最早永遠にも感じられて。
延々と続く拷問にも等しいその行為が終わりを迎えたのは、果たしてどのくらい後の出来事だったか――

ご案内:「魔族の国 とある城の地下牢」からヘルティナさんが去りました。