2021/09/01 のログ
ご案内:「魔族の国」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > 城の廊下を歩く太った男。
絨毯敷きのそれを、我が物顔で悠然と歩いている。
我が物顔――というより、文字通りこの淫堕城は彼のもの、なのだが。
その名に反して、優美さと上品さのある調度で纏められた内装は、彼の捻くれた信念の現れやもしれない。
彼は、後ろに控える茶髪のメイドに――魔族ではなく、人間だ――に声をかける。
「捕らえた人間は、この先の部屋に?」
捕らえた人間――それは、彼が、という意味ではない。
彼は、魔族が捕らえた人間の中でも、様々な理由で反抗的な者を買い取り、それを調教するのを仕事の一つとしている。
解りやすく言えば、『扱いにくい奴隷の引き取り手』といった所だろうか。
引き取って調教した人間は、人間の領域に潜ませるなり、淫堕城でのお付きとするなり、色々と活用の方法はある。
「はい。普段のご指示通り、客人としての持て成しをしております。
ロブーム様のご指示があれば、如何様な処遇も可能なよう、手配してあります」
それに対して、事務的な返答を返すこの女も元を正せばそうした人間の一人だ。
彼女は特に有能であり、またロブームに仕える意思もあったが故の待遇だが。
通常は、一週間程度城に滞在した後は人間界に返す――そちらの方が、後のリターンが大きいゆえに。
「それでは、後は私の仕事だ。君は一度、待機しておきなさい」
そう言うと、男は捕らえられた人間がいるという部屋を開ける。
彼女には、客人としてそれなりに不自由はない暮らしをさせてはいるが、そうはいっても魔族に拉致された事に違いはない。
さて、入ってきた男に、どの様な反応をするだろうか。
ご案内:「魔族の国」からロブームさんが去りました。