2020/06/06 のログ
ご案内:「魔族の国」にイゾルデさんが現れました。
イゾルデ >  
「……ふぁー ……」

魔族の国、その街道とも呼べぬ獣道…
遠目には魔族の集落が見えるだろうか

昼間でも薄暗い、そんな景色の中で…

「…そーぞーいじょー、にヒマデス…この国」

枯れかけた大木の枝に蝙蝠のように逆さまにブラ下がって。欠伸を噛み殺すちまっこい淫魔が一匹

イゾルデ >  
なんでも人間達の過ごしている国のほうでは色々不穏な動きとかがあったりなかったり、しているらしいのに
砦を隔てた此方側といば特に何事もなーく、たまに人間が侵入して酷い目にあったりしている程度だろうか

「やはり平和はつまんねーデスと、どこぞの古文書にも書いてあるデス」

ぷらんぷらん、としばらく逆さまに揺れていた淫魔だったがそれにも飽きて、くるんと枝の上へと蹲踞のような姿勢で座り込んだ

イゾルデ >  
いっそ人間に化けて向こうで生活しようか、餌も一杯あるし…
と考えては見るものの…

「向こうにいるとなんか調子出ないデスしーおすしー」

流れ者の淫魔には人間の国に残る神の加護なんかは知る由もないが、
以前足を伸ばした時になんだか妙に本気が出せなかったことを覚えている

イゾルデ >  
「──とブツクサ言っててもお腹は減る一方デスして」

視線を集落のほうへと向ける
魔族の精気も不味くはないのだけれど、どうしてもずっと同じ味ばかりでは飽きが来るというか──
などと贅沢なことを思ってはみても、空腹には耐えられぬ

「腹減り~、なんかタマにはまおーサマみたいなごっついお食事させてくれるのいねーデスしかね」

あんなくたびれた集落じゃ期待できねー、なんて再びぶちぶちと不平不満を零しつつ小さな羽──体躯に比べれば普通だけれど──を広げ、ぱたぱたと飛び去ってゆくのでした

ご案内:「魔族の国」からイゾルデさんが去りました。