2019/05/21 のログ
ご案内:「魔族の国/人間牧場」にロッテルさんが現れました。
ロッテル > 非常に険しい山々の間に、巨大な岩壁で遮られた広大な土地。
そこには大小様々な規模の質素な建物が乱立し、中には魔族に連れ去られた人間が魔族と交配するべく、或いは慰み者となるべく収容されている。

支配者は名のある魔王だったが、その魔王も人間に敗れて久しく、今となっては同じく交配の為に小屋で「飼育される側」まで堕ちたという。

各所から淫らな喘ぎ声や肉同士が激しくぶつかり合う音が鳴りやまない狂気の辺境へやってきた魔族の女は、散々精を浴びてカビたタオルの上で放心状態となった人間の女たちを見て、ぺろりと舌なめずり。

「懐かしいなぁーココ♪あたしもそういや昔は此処で飼われたんだっけ♪繁殖だけで毎日昼も夜も休まず過ごすなんて、魔族の子でも辛い子には辛いかもねー♪」

まるで最初から行き先が決まっているように、歩みを進めていくと、そこには人間と同じく、首輪を付けられ同じく放心状態で息を荒げている肌の色の青い同胞がいた。

「すっっっっっごく久しぶりだね♪あたしの事が分かる??ねえねえ、どんな気持ちかな?あたしの気持ち今なら分かるでしょ♪ハンショク、ちょっと激しい運動だけど、癖になっちゃう気持ちよさでしょ♪人間さんを蔑んで、『下等生物なんて滅ぼしてやる!!!』が口癖だったんだよキミ。 あの場で死んじゃうのは、勿体無かったから、あたしが此処に連れてきてあげたんだよ……。 ……って、もう聞こえてないかぁ。残念。あたしが覚えてる限りだと、何百年ここで繁殖だけして過ごしてきたんだっけ??」

かつて、彼女が尊大な口を利き魔族の軍を従えていた頃の覇気と、凄まじい魔力。

度重なる交配と出産を繰り返したせいか、殆どは彼女の胎から巣立っていった子へと継承され、今では己以下にまで薄まってしまった。

「でも、安心してね♪キミが誇りを持って戦ってた魔族は、今とっても強くなったからさ~☆キミの子供なのか分からないけど、似たような子が人間さんと戦ったりしてるのも見たよ」

尻尾を緩やかに振りながら、ただの産む機械に成り下がった在りし日の誇らしき魔族にして、彼女の朋友だった存在へ語るが、返事はない。 冷たいな。

ご案内:「魔族の国/人間牧場」にロイナさんが現れました。
ロッテル > ぼんやりとは覚えている、昔の自分。

自分もどんな経緯だったか、とにかくここで飼育され、延々と魔族を生み出し育てるだけの長すぎる日々を此処で過ごした。

その頃は、何も考えず全身に叩き込まれる快楽によがり狂う日々を満喫出来ていた。

しかし、ある時期に事情が変わる。

「基本的に~、ここに連れて来られるのは魔族に負けちゃうような人間さんだもんねー♪ まぁでも、エッチになったあたしの「友達」ともたまに遊べるから悪くないけど♪ やっぱり、より強い魔族を生みたければ、魔族に負けない人間さんと繁殖しなきゃダメなんだ。 あたしや魔族のみんなも、一生懸命頑張ってるんだけど、人間さんもそれは同じだからね♪ それにしても、ずいぶんと魔力減っちゃったね。 もし、『処分』されちゃうことが決まってもキミみたいにエッチな子は外に出た後も色んなところで役に立つから♪もーちょっとだけ頑張ろうね☆」

いかに広大な牧場と言えど、運営・維持には魔族の世界でもコスト等の問題がつきものだ。ただの遊興施設…として利用される事もあるが、主目的は魔族の繁栄なので、相応しくない者は使い捨てられる運命にある。

中には、皮肉にも敵対する筈の人間の裏社会に、「調教済み」としてオークションに出される例もある。

中には、悲しいかな。戦う術すら持たない人間に、かつては高位の存在の魔王とも知らず激安の価格で買い取られた情けない魔族も居たという。

魔族の世界は、底辺に堕ちてなお価値を問われ続ける超実力主義の世界なのだ。

ロイナ > そんな辺境に、また新たに一人の住人が加わった。
無謀にも勇敢に挑んできた一人の女騎士を無傷で叩きのめし、此処にある建物のうちの一つに収容した後のこと。
ぶらぶらと見物がてら巡っていると、見知った顔を見かけた。それも、囚われていない側の。

「あれ。ロッテル、…珍しいねー。こんなところに、どうしたのさ」

友人の名を呼びながら歩み寄っていく。
挨拶代わりに手を振って、それから彼女の目の前にいる魔族に視線を投じ…

「あー。懐かしいねぇ、この子。こんなところにいたんだね」

ロッテルの隣まで行き、そこで足を止めてまじまじと、かつて同胞だったものを眺める。