2019/03/31 のログ
ご案内:「魔族の国 国境の山」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 魔族と人間の国の堺に聳える山脈。
山肌はほぼ灰色の岩と崖で、時折隙を見つけたように緑がしがみついている。
見上げればその先には薄雲が掛かって、山頂など見えやしない…

遠目にも険しいその山にも、春は来る。
辛うじて硬い土の斜面になっている場所はひねくれた蔦植物が蔓延っているが、その合間に、小さな花が時折覗く。
そんな山の斜面の道なき道を、荷物を背負った人影が登っていく。

「…ふう…很热(暑ぅ)……」

ふと足を止めると呟いて行く先を見つめて、額を袖で拭った。
薄雲を縫って陽が差す空の下、時折吹く風は冷たいが、荷物を背負った女は頬を真っ赤にしている。

ホアジャオ > 目指すは、遠くの丘から見つけた桜。
灰色の岩肌に、遠目でも解る桜色は何とも魅力的で、居ても立っても居られなくなった。
キャンプ用に荷物を纏めて飛び出して来たのは良いものの…

「哎呀…思ったより遠いなァ……」

元々山育ちだったので、高を括っていたところはある。
実際距離はそうでもない筈だが、如何せん斜面が急すぎる。
時折躓いて、転げ落ちそうになった事も2,3回あった。
目的の桜色は、まだ見えてこない…

ホアジャオ > 「哦……もォ!」

どさり、背負っていた荷物を降ろす。
転がって行きそうになったそれをぎりぎりで捕まえて、近くの岩の上にどすんと載せた。
そうして黒い上着と、中に着ていた汗ばんだシャツを脱ぎ去って、胸下までの黒いブラトップ一枚になる。

「意地でも、陽が高い内に辿り着いてやるかンね…」

執念深い視線を行く先に投げながら、脱ぎ捨てた上着を乱暴にリュックサックに押し込…もうとして

「!危险(あぶない)……」

一番上に置いてあった荷物を取り出して、詰め直す。
桜の下で食べようと思っていた、中華饅頭が危うくピタパンかなにかになる所だった……
別の意味で額を拭って、よいしょと荷物を背負いなおした。

ホアジャオ > 勢い前のめりに倒れそうになって、その脚をぐいと踏み出す。

「运气……!」

たん、たん。
険しい斜面を、両手も使いながら前のめりに走り出す。
下から見上げるものが居れば、あっという間に黒い点に…、

ご案内:「魔族の国 国境の山」からホアジャオさんが去りました。
ご案内:「魔族の国 国境の山中」にホアジャオさんが現れました。
ホアジャオ > 夜ともなれば黒々と天まで聳える、魔族の国との境に存在する山脈。
険しい山肌にほんの少し存在する平地に、木々が寄り添う様に群れなして小さな森を作っている場所があった。
その中に、見事な山桜が1本。
他の木々が新緑を芽吹かせる中、盛りを迎えて香り高く咲き誇っている。
――とはいえ、咲く傍から散ってゆくこの花のこと。
すでにちらちらと花弁が舞い落ちてゆく、その下に焚火の灯りと、一人の女の姿。
焚火の傍らに足を投げ出して座って、舞い落ちてくる花を見上げている。
くろぐろとした天に桜は焚火の灯りでゆらゆらと照らされて、ぼおっと見上げていると冷たくない雪が舞い落ちるように見える…

ご案内:「魔族の国 国境の山中」にホアジャオさんが現れました。
ご案内:「魔族の国 国境の山中」にホアジャオさんが現れました。
ご案内:「魔族の国 国境の山中」にホアジャオさんが現れました。
ご案内:「魔族の国 国境の山中」にホアジャオさんが現れました。
ご案内:「魔族の国 国境の山中」にホアジャオさんが現れました。
ご案内:「魔族の国 国境の山中」からホアジャオさんが去りました。