2019/02/04 のログ
メフィストフェレス > 「知識の得方は千差万別と存在する。
そう、此の様な得方も在るのだよ」

魔族の国の中でもタナール砦に近く存在する場所。
周囲に広がる森林地帯から上空を見上げ乍に少女が呟く。
其の手には薄っすらと輝く球体が存在していた。

「……言の葉に埋もれし彼の存在よ。我が糧と成れ」

言葉と共に球体は徐々に薄れて消え去る。
其れは此の場での遣り取りが在った際に残る言葉の記憶。
少女は其の言葉に込められた、其の者の記憶、知識を得られる術を持っていた。
滅多に行使されぬ非常に困難な制限が付けられた秘術中の秘術だ。

「鴨が葱を背負ってやって来るとは、正に此の事。
今居らぬ君に礼を云おう、有り難う、とね。
ああ……新たな知識を得る事の何と喜ばしき事よ」

クックッと喉を鳴らし笑い、小さく身震いをする。
何処か恍惚とした表情を浮かべていた。

メフィストフェレス > 「異世界の君、御陰で儂は又一歩近付けた」

大きく吐息を吐き、表情を戻す。
其の瞳は普段の蒼とは違い、真紅に染まっている。
以外は何も変わらない少女。
然し其れを前にした存在は少女を少女と認識しないだろう。
そう、今の自分は魔王としての存在なのだから。
其れこそが少女の扱う真の存在変化と云うものなのだ。

「久々の此の姿、らしい所業の一つでも行いたい処だが…
さて何者か見られるだろうか?」

気が付けば手に握られるステッキ。
トンと其れで地面を付けば、周囲一帯に力が張り巡らされる。
其れは認識の力。
其処に在る、其処に在るべき存在。
全てを認識する事で、其処に在るべきでない存在も認知する。
どの様な隠密の術も通じぬ力だ。

メフィストフェレス > 暫しの時間が流れ、少女は小首を傾げる。

「成る程、今は動くべきでもないと云う訳か。
此れも世が望む流れの一つなんだろうね」

ステッキを地面から離し、クルリと一回転させて握り直す。
張り巡らされた力は一瞬で消え去り、元の力の流れへと戻る。

「其の流れを乱そうとするならば、儂は容赦はしない。
原理の根底から其の全てを破壊し、消し去ってやろう。
世の摂理とは、そうして均されてゆくものなのだよ。
……其れを理解出来れば良いのだが」

誰に向かって云っているのか、其の瞳の先には何も見えない。
黒きローブを靡かせ背後へと振り返れば、緩やかな足取りでどこぞへと歩み去って行った。

ご案内:「魔族の国」からメフィストフェレスさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」にラファルさんが現れました。
ラファル > 魔族の国を飛行する黒い鱗の小さな竜は、魔族の国のある地方に飛んできていた。
 そして、しゃぎゃぁ、とひとつ鳴いてから、地面に向かい、落ちるように羽ばたいて飛行、地面にぶつかる直前で、その姿を小さな女の子へと変えていく。
 すちゃっと、地面に着地する幼女は、その竜眼できょろり、と周囲を見回してみる。
 魔族の国の中、とある領地の街の中だということが認識できる。
 空を飛ぶ魔族も多いからか、周囲の魔族などは特に気にした様子もないもよう。
 問題がなさそうなので、幼女はとてとて、と歩き始める。
 その姿は、人と竜の中間である人竜の姿。
 黒い翼に黒い尻尾、米神には龍の角が伸びているから、どう見ても人ではない。
 だからであろう、魔族もいきり立って襲ってこないのは。

 幼女は鼻歌交じりに歩き始めるのである。
 まるで散歩しているかのように。

ラファル > 「んぅ、ふっふー。」

 軽い鼻歌交じりに少女は歩く、危険などないと言わんばかりの無防備差で。
 竜のしっぽは機嫌よく右に左にふーりふーり。
 ぶっちゃけて言えば、目的はなかったりする、散歩というか観光というか。
 魔族の国では何が売ってるんだろ、何があるんだろ。
 普段は酒造と自宅の行き来で見ているだけの場所だから、ちょっとよってみようかな、程度の感覚だったりもする。
 人竜になってるのはまあ、人間の姿でいたら人狩りの人に襲われたりするしちょっとやだな、程度のものである。
 なんかこー、面白いものないかなーと、幼女はウキウキワクワクと歩いているのだ。

ラファル > 「んぅ、誰か案内してくんないかなー。」

 幼女はピタ、と足を止めて周囲を見回す。
 ちょっとお腹が減ってきたので、食事をしたくなってきたのだけれど、不慣れな場所だし、魔族の文字はさすがに覚えてはいない。
 竜語であればわかるのだけれど、流石にここは、竜の領域でもないし。
 うーん、と小さく唸って周囲を見るも、誰も近寄ろうとはしない、というか幼女に気を向けるような人はいなさそうだ。
 自分から声をかけるのもなーという性格でもないのだけれども。

 声をかけたいな、と思うような、美味しそうな人がいないのだ。
 うん、しばらくぽてぽてあるくか!

 目的のない散策に戻る幼女であった