2019/01/12 のログ
ご案内:「魔族の国」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 魔族領、とはいっても、かなり王国側に近い境界のような草原を、小さな天使が歩いてる。少年、といっても、まだ幼い天使は。キョロキョロしながら、何かを探すように
悪い魔族をやっつけないと、なんて思いながら、しかし魔族の国は広いし怖い。一人では、一杯の魔族に囲まれたらやられちゃう
だから、まだ王国との境界線に近いこの区域ならば、いっぱいの魔族には襲われないだろう、と。いっぱい来たら逃げればいいという幼稚な考えもある

「むー、王国の魔族さんはみんな悪い魔族さんじゃないからー…むぅ」

当然である、悪い魔族が悪い魔族だと自称するわけがないが、素直な少年は、王国で教わった通りに愚直に、悪い魔族を探すのである

ご案内:「魔族の国」にシャルティアさんが現れました。
ご案内:「魔族の国」にシャルティアさんが現れました。
シャルティア > 今日は、眠くなったので、翼を広げて、王国へと
ご案内:「魔族の国」からシャルティアさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 魔族領の辺境。王国領と魔族領の国境から馬車で一日半程の距離に位置するとある魔族が治める城。
禍々しいデザインの調度品や、些か使いにくい食器等も慣れたもの。此処を訪れるのも、初めてではないのだから。

「……やれやれ。どんな種族でも、商いとなれば同じ生き物になるらしい。金払いが良いだけ、魔族の方がマシかも知れんが…」

今回此処を訪れたのは、定例の商談と魔族との交易を望む商人達の情報を渡す為。
此の領地の主の名で記された許可証を数枚得る代わりに、食料や弩弓等の兵器を引き渡す契約を交わした。

商談が纏まった事を喜んだ魔族から歓待と一夜の宿泊を求められ、作り慣れた社交辞令の笑みで受諾したは良いものの、正直に言えば早く帰りたい。

「……処理しなければならない書類があるんだがなぁ…」

小さな溜息と共に、城の廊下を乾いた足音を立てて歩いていく。
此の城に泊まるのも何度目だろうか。既に己専用となりつつある客室へ向かいながら、明日王国領に帰還してからのスケジュールを練っていた。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 一応、己が魔族領を訪れる事は厳密には秘匿事項ではない。
知る者が少ないだけで、訪問そのものは至って合法。というよりも、魔族領を訪れる事を裁く罪状が無い様なものではあるが。
食料や兵器、果ては奴隷まで魔族に売り渡している事すら、目こぼしされている。無論、目こぼしさせる為の努力はしているのだが。

問題になるとすれば、己が此処で売り渡している"情報"の類だろう。王族として知り得る軍事、政治、宮中や市井の噂話まで。
様々な情報を収集し、精査し、魔族へと売り飛ばす。無論、売り渡す相手によって情報の精度や質は選別しているが。

「そろそろ、王国軍にも少しばかり痛手を被って欲しいものだな。…まあ、此処の領主では無理だろうが」

この城を治めるのは、ミノタウロスの血を引く亜人の魔族。
好戦的であり、個人の武勇にも優れるが、些か人間を下に見る性質が感じられる。
一応、此方に対しては粗野ではあるが礼を尽くすし、金払いは寧ろ良い方ではある。
だが、此処の軍勢で王国に被害を与える事は難しいだろう。いかんせん、脳筋過ぎる。

「…まあ、適当に血を流してくれるだけでも構わんが」

独り言を呟きながら一つの扉の前で立ち止まると、何の警戒心も無く禍々しい装飾の扉に手を伸ばし、扉を開いた。