2018/10/11 のログ
ご案内:「魔族の国」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 魔族の国の一地方、少年はゆるりと足を運ぶ。現在地は……因縁の地と言って良いのだろうか。
 最後に、将軍と出会った所である、その時は紙を手にしていなかったから、地図を書く事が出来ていなかった。
 故に一度地図を作るために戻ってきたといって良い、此処には例の翼在る獣軍団も、謎の一味も居ないだろう。
 翼在る獣軍団がもし遊軍で一定の場所にとどまらぬ存在であれば……もしかしたら此処にいることもあるだろうが……無さそうである。
 軍が動くなら軍が動いた跡が残るものであるから。
 少年はぐるり、と周囲を見回し、周囲の地形を書き込んでいく。
 軍団が戦えるほどの広さの平原、身を隠すことのできる森。
 そして……いつしか略奪にあった魔族の村。

 その略奪は、第七の仕業だということはわかっているし、そう言う軍団だということも知っている。
 敵国だし、自分も同じように規模は小さいが行っているので、その跡を感慨もなく、ただただメモにするだけ。

「……あ。」

 ふと、気がついた。
 随分長い間偵察に出ていて、あちこちの地図を書いていた。
 故に、紙がまた少なくなってきたのだ。
 そろそろ一度、紙の補給と現状報告のために戻ったほうがいいか、と少年は仮面の下で呟いた。

ゼロ > ただ、今の所、紙は残りがまだあるので、現在いる場所の地図は作り上げてから、でもいいだろう。
 ふむ、と紙の残りを確認し終えてから、紙を全てバックパックの中にしまい込み、歩き始める。
 ぐるり、と周囲を見回してみても、修復の気配はなさそうだ。
 基本的に魔族は破壊されたら直さずに居るのだろうか、と考えながら、廃村の方に向かい、歩くことにする。
 取り敢えず、井戸とかが残っていれば、水の残りもあるだろう、水分の補給はしておいたほうがいいと思ったのだ。
 それに、何かあるだろうか、そんなふうに考えて近づいていく。

「……そういえば。」

 あの時、将軍が戦っていたのはなんだったのだろう。
 水を操る存在であったようだけど、見たことがない、あれが目標だった―――?
 正直な話、任務で離れていてあの時の作戦目的だのなんだのは一切伝わっていない。
 進軍ルートは、あっちから来ていたから、おそらく向こうなのだろうということは推測できるが。

「……――――ふーむ?」

 さて、どうしたものだろう。
 作戦の直前まで訓練兵であり、部隊として組み込まれてない存在に作戦など伝わるわけでもないし。
 少年は軍の進んでいったであろうその先を眺めるしかなかった。
 行くべき、なのだろうか、と

ゼロ > 「行くべき、としても……今は、無理か。」

 理由として、そっちが、第七師団の壊滅した場所である、今の装備で十分か、といえば疑問が残る。
 どれだけの準備をしても足りないといえば足りないのである、それだけ危険な場所。
 それに、今は任務が有り、その任務は偵察であり、地図の作成は副産物的なものである。
 紙が無くなってもどるのは、定期的に報告するためのバロメーターに過ぎないのである。
 危険があるとわかっていて、そちらに行く理由はまだ薄い。
 むろん、その方向に翼在る獣の本拠地があるというのならばいくしかないが、有るかどうか分からない現状今のところは避けたほうが無難だろうと判断した。

「それに……。」

 そう、その指令はこの場所で受けたのだ。
 将軍は自分の進軍する先にそれが待ち受けているかどうかは調べてあるはずである。
 なので、結論から言えば、任務を優先し興味は後回しでいいだろう。

 少年はくるり、とその場所に背を向ける。
 周囲の地図の作成も出来たので、さて、もどるか、と。
 少年は、そのまま去っていく―――――

ご案内:「魔族の国」からゼロさんが去りました。