2018/10/01 のログ
■クラリッサ > 聖堂の庭の小さなテーブルと椅子。
ティーセットを用意してお茶の用意。
「飽きませんねえ、彼も」
ここ最近タナール砦に繰り返し進行しているアンデッド軍団。
専ら自分が気まぐれにやってたタナール砦の人間追っ払いを代わりにやってくれると考えればいいだろう。
「…けど、もうちょっとスマートしてほしいですわ」
あまりやり過ぎるとまた人間が警戒するからほどほどにして緩衝地帯であってほしい。
それが本音ではあった
ご案内:「魔族の国・アルテリシア大聖堂」にニアさんが現れました。
■ニア > コツコツと足音を鳴らし、軋む音共に聖堂の扉を開く。
服装から少々の寒さを感じ、震える体を両手で抱きながら、
黒いローブに身を包み込んだ来訪者が一人。
拠点であった貧民地区の一軒家は既に国の者によって使えなくなり
新たな拠点を探すべく魔族の国へと進行した日の帰り
嵐によって帰路を塞がれ、雨水によって濡れ切った身体は暖を求めこの場所へ…
「…誰もいない?」
確かに何者かの気配は感じたのだが、彼女が今立つ場所からは人の気配を感じることができなかった。
とにかく、玄関口に突っ立っていても仕方がないと、奥の方へ脚を進めていく。
■クラリッサ > 「あらあら、ここに何か御用でしょうか?」
いつの間にか侵入して来た少女の背後に一人のシスターが立っていた。
濡れている少女を見ればその手を取って。
「まあ、随分と濡れておりますわ、御着替えと…お風呂をご用意しましょう」
体を拭く布を用意して、少女の服を脱がせようとする。
「ここはアルテリシア大聖堂、私はクラリッサ…一応魔王をしております」
■ニア > 「……っ、!?」
瞬時にして背後に立った女
そのゾッとするような魔力量に咄嗟に振り返り
フードの奥から冷たい瞳で睨みつける。
服装からどうやらこの聖堂のシスターのようだが、明らかに人間とは思えない魔力。
彼女は決して警戒を解かず、身構えたままシスターを見つめた。
「……貴方、一体…
……な、なにして……」
相手の発言
そして突然の行動に反応できず、捕まった挙句、抵抗もできずに彼女の身体は冷たい聖堂の空気へ晒されていく。
「…魔王……クラリッサ……
……そうか、貴方が苗床の聖女……」
彼女は両親から聞かされた昔話を思い出した。
魔族に捕まった聖女が精神を病み魔族へ落ちたという話。
それから魔王と呼ばれる噂だって聞いたことも……
確か、自身の母が何度か目の前のシスターと会ったことがあると言っていたような気がしたが…
■クラリッサ > 「あら~私ってそんなに有名人」
どうやら自分の名前も随分広まっているようだ。
嬉しいような面倒なような、まあそこは今は大した問題ではない。
「そんなに警戒しなくても取って食ったり…性的な意味でしかしませんよ」
フードから見える顔は可愛い。
最近はすっかり淑女的に同意を得てからするものだが、どの道こんな冷たい体のままでは風邪を引いてしまうだろう。
「あ、でも最近はちゃんと同意を得てしてますから、とりあえずお風呂に行きましょう…所でお名前は?」
そのまま手を引いて風呂に向かう。
聖堂の奥にある風呂は4,5人は入れそうな広い風呂。
しっかり湯気が立っている清潔な風呂場だ。
■ニア > 「…私の母が貴方と縁がある、って言ってただけで……そこまで詳しく聞いたわけじゃないけれど……」
いや、マグメールでもクラリッサの名は何度か聞いたこともあるため
あながち有名というのも間違ってはいないのだろうが。
自分も王都じゃお尋ね者の身であるため、名が通る者の苦労は知っているつもりだが…
目の前のシスターはそんなの全く感じさせないな。
「……その性的な意味でってのが、どちらかというと危険な気がするけれど……」
発言はとても物騒で身の危険すら感じるのだが、一応身は案じてくれているのか
確かにこんな格好では風邪を引く。
彼女は渋々とシスターの言うことを聞くことにした。
「…ほんとか怪しいものね。
……名はニア、ニア・ドラグーン……」
相手が魔族でなければ答えることもなかったのだろうが、
クラリッサの話はよく聞いていたことから、特に疑いもせず名前を告げた。
もしかしたら、この名をクラリッサは覚えているかもしれない。
■クラリッサ > 「お母さん…ニア、ええっとぉ、ちょっと待ってください、なんか思いだしますので」
長く生きていると物覚えが悪くなるのか。
面識があったらしい彼女の母親のことを必死に思いだそうとしている。
「ああ!あの魔女さんの子が確かそんな名前だったような気がします!」
風の噂によれば彼女の母はすでに亡くなっていると聞いていた。
「いやー流石に私も彼女には手を出せなかったですよ、もう恋人いたらしいですし、さすがの私も人の物に手を出すほど飢えていないって言うか」
これは本当だった、手を出したらドラゴンと大喧嘩になりそうだったから。
「で、ニアちゃんは彼氏とか彼女さんとかいらっしゃらないですか?」
ニアのお湯をかけて石鹸で体を洗いながらニコニコとしている。
■ニア > 「…やっぱり、お母さんのこと知ってるのね」
どんな関係だったとかその人と何がったとか
聞いたこともある様なないような…
あまり覚えてはいないが、触手を使うとても恐ろしい女という風に母は語っていた。
どうやら母はこのシスターに自分のことを話していたらしい。
どんな話をしたのかはあまり聞きたくはないから問わないが、
そうか…まさか魔王になっていたとは。
それに、こんなところで出会うとは、全く思ってもいなかった。
「…魔族の身に堕ちても聖女は聖女、かしら……
……お母さんとは友達だったの?」
今は行方も知らぬ父親の話
よく考えればかれこれ10年間、両親のことを知っている存在に出会ったことが一度もなかったた。
そのせいか、クラリッサにはちょっとした興味もあった。
「……互いに200歳以上も歳を取ってるのにガールズトーク…?
…まあ、いいわ。未だそんな存在になりうる者は……」
いないとは言い切れなかった。
不純ながらもそういった想いを寄せる存在に心当たりがないわけでもない。
しかし、今は忘れるとして…
暖かいお湯の温度に目を細め、久々の入浴に心地よさそうな表情を浮かべた。
■クラリッサ > 「はい、私が魔王になりたての頃に時々遊びに来る茶飲み友達でした」
いつの間にか疎遠になっていたんだな。
長く生きているとそういうこともあるとあまり気にしていなかったが、こうして娘に会えたのも縁と言うものだろうか。
お湯をかけて石鹸を洗い流して。
「あなたのお母さん、いい人でしたわ…」
手を引いて共に湯船につかる。
手を握ったままニアの顔を見つめる。
「ん~やっぱりかわいいですね~」
やはり我慢ができなくなったのか。
ニアの胸に触ろうとした
■ニア > 「…そう」
今は亡き母の友人
人間達によって惨たらしくも処刑されるその姿を思い出し
彼女はちょっぴり悲し気な表情を浮かべた。
もしもあのとき、クラリッサのような魔王と謳われるものが近くにいれば…
そんな風に考えてしまう自分を何とか押し殺した
「……いい母親だったと、私も思ってる」
引かれるままに湯船へと共に浸かり、ポカポカと温まる感覚に大きく息を吐いた。
見つめられるとなんだか恥ずかしく、目を背けてしまうが
クラリッサの次の行動に可愛げな声を上げた。
「……ひゃっ、ちょっと…
…同意を得てからじゃなかったの?」
ほんの少し、指先が触れる程度だというのに大袈裟に反応してしまった。
心なしか顔も赤くなっているかもしれない。
■クラリッサ > 「やですわ~ただのスキンシップですってこの程度、よろしければ私のも触っていいですわよ」
敏感な反応に楽しそうに笑って。
またすぐに真面目な顔に戻る。
「あの時の戦争は大変でしたので…攻めて人間の領地に連れ去られていなければ私も手の出しようがあったのですが」
魔族である以上人間の領地には結界がある。
それゆえ手出しができない。
それ以外にも魔王としてのしがらみもある、もう下手に動けない状態だった。
「いいですか、確かに私たち魔族と人間は戦争状態が続いて長くなります、はっきり言って和平も望めない、だからと言って滅ぼすのも正直無理です」
現実はこう結論付けるしかなかった。
魔族内ですら人間に対するスタンスはバラバラ、結界のせいで侵攻もできない。
和平するには戦争時間が長すぎる。
「だから私は私なりのやり方をしています…内容は秘密ですけど、それに、あの国ほっといても何か100年ぐらいしたら滅びそうですし」
■ニア > 「…触らないわよ……」
こういうところはなんだか母親に似ている気もしなくもない。
どうりで友人と至るまで、気が合うわけだ。
なんだか、クラリッサと母を重ねてしまったことに罪悪感を覚え
すぐさま、クラリッサが語る真面目な話へ耳を傾けた。
「……別に責めているわけじゃない。
ただ…私がもっと力を付けてれば、って……」
彼女はあくまで龍と人間のハーフである「龍人」
決して魔族を超越した存在「魔王」になることはできない。
それでも、母を守るくらいの力は持っておくべきだったと
今更後悔したところでもう遅いのだが。
「…この前、魔族と人間が争う戦場を見てきたばかりだから、貴方の言うこともわかるけど……」
それでも、人間であった母と
龍であり魔王であった父のように、分かり合える者達もいるということをニアは知っていた。
もちろん人間を赦したわけじゃないが、最近じゃ悪い奴らばかりじゃないと思うようにもなれたのだ。
「……そう、どんなやり方なのか詮索はしないけれど、貴方が死んだら母もきっと悲しむ。だから、無理はしないで……
なんて、魔王様に言うことでもないのかもしれないけど」
頬にへばりつく赤髪を指で耳に掛け、慈愛を含むかのように微笑む表情は母親にそっくりだろうか。
■クラリッサ > やはり母親に似ている。
その横顔を見てから湯船を上がって。
「ご心配ありがとうございます…けど私、簡単に死ぬタマではありませんよ」
心配してくれると言うことは悪く思われてはいないということ。
嘗ての友人の娘に嫌われるのはやっぱり嫌だったのでほっと一安心して。
脱衣所にはシースルーのネグリジェが2着用意されていて。
そのうち1着を着つつ。
「ふふ、今日は泊まっていきなさい、どのみち子の雨では外には行けないでしょう」
珍しく女性に手を出さず一緒のベットで眠ったことだろう。
■ニア > 「……そうね、お言葉に甘えるとするわ」
どうせ王都に帰ることはできないだろうし、今日はクラリッサの言葉に甘え一泊させていただくとしよう。
用意されていた下着を身に着け、引かれるままに……
この夜は、母の話で盛り上がったことだろう。
たまにはこんな出会いもあっていいものだと、彼女は思った────
ご案内:「魔族の国・アルテリシア大聖堂」からニアさんが去りました。
ご案内:「魔族の国・アルテリシア大聖堂」からクラリッサさんが去りました。