2018/07/26 のログ
ご案内:「魔族の国……一領地」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 翼のある獣という名の部隊を探して幾日が経ったであろう、少年は魔族の国を未だに徘徊する。
 任務の撤回や変更連絡は届いていない、それならば任務を行うことが軍人として自分が行うことなのである。
 長期間魔族の国の中を歩き回り、様々な場所をメモを繰り返し、情報を貯めていく。
 しかし―――――目的の情報を手に入れることができていない。
 それでは意味がないと仮面の下で少年は苦笑をこぼす。

 銀色の鎧、無貌の白仮面、バックパック、一対の黒いナイフ、鉄の槍。
 外見から見れば、どこをどう見ても冒険者であり、魔族の国にいれば襲われて、奴隷にされるなり、殺されるなりされるはずの存在。
 それが今も歩き回っているということは単純に少年を止められるほど実力のある魔族が来ていないということである。
 今までに数えるのも面倒なぐらいの数の魔族を殺している。
 それでも、潜入している際に邪魔をしてきた魔族だけ、である。
 こんな格好で隠密と言うのも酷く首をかしいでしまうであろうが、上手く動けば目立たなくなるものである。

 魔族を倒して進むのは、単純に第七だからという他に、翼のある獣に位置を知らせるという意味もある。
 それが、成功しているのかどうかは、わからないのだけれども。

ゼロ > 街の中、石畳を踏みしめて、周囲を見回せば、マグメールの街とは違うものの、街の態勢を整えている魔族の街。
 ここにも、おそらく支配者クラスの魔族がいるのだろう、名前のある魔王クラスなのか、それとも名前のない上位魔族だろうか。
 前者であれば勝てるかどうかは、実際に会ってみないとわからないので、逃げる方がいいだろう。
 後者であれば……それもやはり会ってみないと判らないが、見てから判断してもいいだろう。
 魔族の支配者を倒したりすれば、翼のある獣はやって来るのだろうか。
 もしくは、それに関する情報があるだろうか。ここが拠点だと幸運もいいところであるが……。

 まずは探索しないといけない。
 少年は、慎重に周囲を確認しながらも、堂々と石畳を進む。
 路地裏や裏路地を中心にしつつも大通りを意識して、外周からぐるりと時計回りに中心に向かい歩いていく。