2018/06/15 のログ
ご案内:「魔族の国・どこかの古城」にロザリアさんが現れました。
■ロザリア >
魔族の国、そのどこかにある古城の一つ
薄暗い灯りに照らされた、円卓の配置された一室───
「………」
少女は退屈そうにその髪の弄る
同じく卓へとついている、恐らくは魔王クラスであろう魔族達は何やら意見の応酬をしているが、
ロザリアはさしてそれに参加する様子も見せず、ただ時の流れを待っていた
よく見れば座の多い卓ではあるものの、それらは埋まるどころかいくつもの空きを見せている
──元々が享楽的な者の多い魔族の支配階級、
こういった場に現れない者も多いのだろう
■ロザリア >
「(やはり来るものではないな)」
少女もまたそういった、横の繋がりに興味を持たない魔族の一人
今回はタナール砦まわりの話であると招致され、しぶしぶと己の城から足を運んだ
過去に数度、戯れにあの砦を不死者で埋め尽くしたことがあったから、であるが…
…積極的に意見を出すつもりもなく、意見を求められても特に興味もない──
魔王の中でも変わり者であると言われる少女には、ただただこの場は退屈だった
「(適当にとったりとられたりでいいではないか。どうせ人間の国には旧神の加護ありき、魔王の力など持ち込めぬのだから)」
内心そう思いつつもそれを口に出せば波紋となり面倒なことになるのは目に見えている
■ロザリア >
やがて議題は最近行われている師団化した魔族軍のことへと移ってゆく
そんなものがあの砦を攻めていたのは初耳だが、一枚岩には程遠い魔族側の勢力である
どこかの誰かが気まぐれを起こし、組織だって砦を落としたとて別におかしいことではない
人間側にとっては非常に面倒なことだろうが、いい気味である
人間が苦しむのなら、是非にもっとやるべきである。協力なぞはしないが
「──もう席を立ってもよいか」
室内に鈴のような声が響けば、魔族達の意見交換は一旦止み、少女が注視される
立ち上がり、背をむけて、問いはしたものの返事は特に待つこともなく
ロザリアは小さな欠伸を噛み殺しながら部屋を後にする
どうせいなくなった後に変わり者だのなんだのと言われているのだろうが、どうでもよい
■ロザリア >
「矮小な人間のやることなど放っておけばよかろうに…。
よくもまあ、何時間も同じような話を続けられるものだな…夜だと言うのに眠くなってしまうぞ」
ぶつぶつと文句をひとりごちりつつ、古城の廊下を歩く
自身の城には窓が一切ないこともあり、月光の差し込むこの廊下の光景は少しばかり新鮮である
「(魔族の国が攻め込まれようがどうでもよいわ)」
自らに降りかかる火の粉を払う
それだけでも十分
「(戦いたがりの魔族や魔王なぞいくらでもいる。勝手にやっておればよい)」
■ロザリア >
「(──無駄な時を過ごしたな)」
小さく嘆息し、その細い肩を落とす
…とはいえ、情報の共有だけは出来た
砦を専門に攻める者がいるのなら、今後あそこへと遊びにゆくのも無粋だろう
協力しろと言われてする気もないが──
──月光の下、古城から黄金の蝙蝠の群れが飛び去ってゆく
それ以降、タナール砦で吸血姫ロザリアの姿は一切と見られなくなった
ご案内:「魔族の国・どこかの古城」からロザリアさんが去りました。