2018/05/06 のログ
ご案内:「魔族の国/上位居住区」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > 血族は、魔族の国の方に多く居ます、それは当然魔族の国の方が人の国よりも住みやすいからです。
人の国では人は多いですがその代わり上手くやらないと人は団結して襲いかかってきますが、この国では人は元々被支配階級です。
適当に引っ張ってきて、浴びるほど血を飲んでも何ら問題がないのですから。
こちらの方が住みやすいからと住んでいる血族は多くいます、今まで足を運んでいなかったのは先に人の国を見たいからという私の我侭でもありました。
潜む血族がまだまだいますので、向こうにはまた戻りますけれど。
閑話休題
私は、一人、二人ほど既に血族を誅伐をした後でございます。
ここは、簡単に手に入るからか、血族の誇りを忘れやすくもあります。
というよりも、そうだったという事を改めて認識しました。
なんと言いますか……楽に傾倒しすぎるのも問題だということがわかりましたので、何とかしないといけないでしょう。
王に奏上する方が良いかと思います。
言って聞いてくれれば、最高なのですけど、と石畳の道を進みながら、私は溜息をついてしまいます。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」にラヴゥチンさんが現れました。
■ラヴゥチン > がっしゃんがっしゃんと金属と金属がぶつかり合う音が響く。
ところどころに傷ついたアーマーがここまでの戦闘がどれだけ過酷だったのかを表しているが、それを身に着けている本人は涼しい顔で魔族の国の見物を楽しんでいるようである。
「ふぅ。徒歩でここまでこれたのは良いですが……魔族にも神はいるんでしょうか?」
自分にとって街があり家があったこと自体かなりの驚きであった。今考えれば武器をもっていたり言葉を話す時点であってもおかしくはなかったのだがそこまで思い至らなかった。
となると気になるのは神様の事である。魔族にも神がいるのか?それともいないのか?
教会のような施設がないかとあっちへがちゃがちゃこっちへがちゃがちゃと楽しくうろついている。
魔族に怖がることなく、むしろ自信をもって進んでいるが故か……それとも3/4ほど魔族の血が流れている故なのか。
……一番はフルプレートアーマーを身に着けているせいか。妙に景色になじんでいるようにも見えた。
■シュティレ > 魔族の国に、物凄いものを見ました……全身鎧を身に纏っている女性です、血の匂いから魔族に思えますが、微かに人間の匂いがしてきます。
混じり者と、私たち血族が呼ぶ種族です。全身鎧を身にまとい、戦を経験してきたからか、大量の血の匂いが彼女からする所為で、彼女がなんの魔族か、までは、嗅ぎ分けられませんが、このままではよろしくありません。
人間の匂いをプンプンさせていて、彼女も混ざり者となれば、彼女自身が人と間違われ、襲われてしまうでしょう。
まあ、それをしないのは今の時間は昼で、魔族も大部分が活発ではないことと、あの鎧が歴戦の雰囲気を醸し出しているから警戒しているという所でしょうか。
もしくは、本当にこの国の人間なのかもしれませんが、だとすると、あの鎧についているのは拙いでしょう。
興味がわいたというべきですね、私はその女性に近づくことにします。
「もし。貴女はこの国の人ではありませんね?」
私は、ストレートに問いかけることにします。
彼女の様子を見れば、回りくどいことはむしろ面倒だと判断したから、です。
■ラヴゥチン > 声をかけられそちらをみてかなり驚いた表情になる。
自分と同じぐらいの身長の人というのは初めて見たのだ。いや、ここにいる時点で人ではないのだけれどどちらにしても自分と同じぐらいの女性というのは初めてである。
しかも、武骨な鎧に身を包んだ自分とは正反対の綺麗ないでたちの女性だ。
「はい、おっしゃる通り私はここの人ではありません。マグメールから来ました」
一瞬盾を構えようとおも思ったが、折角話しかけてきてくれたのだ。話し合いができる以上戦闘は避けられるだろうと思い体の緊張も少しだけ解して楽な姿勢になる。
それに自分はたとえ相手が魔族であろうとなんであろうと質問には必ず答えるという制約を己に課している。
「初めまして、ラヴゥチンと言います。みなしごというべきか迷いますがそんな感じで苗字はありませんが……あ、なにか御用でしたか?」
分厚い眼鏡に覆われているが表情がないわけではなくしっかりと笑顔で受け答えをする。
自己紹介の前に相手は自分に用があって話しかけてきてくれたのだということを思い出して何かあったのかと尋ねる。
ひょっとしたらこの辺りの何か特殊なルールに引っかかるようなふるまいをしてしまったのだろうかと少し不安になりながらもあくまで笑顔を崩さない。
■シュティレ > 「ああ、やはり。」
彼女の受け答えに、私は自分の考えが間違っていないことを把握しました。
自分を見て驚いている模様の相手、ここは街の中でも上位の魔族の居住区で下位の魔族は立ち寄らないし、上位の魔族は意味もなくウロつくようなのは、街や人の国へと遊びにいくのが殆どで、居るとしても魔族の奴隷とかそういった人間や召使の魔族程度です。
無骨な鎧を身にまとっている相手は、かなりの身長で、私とほぼ同等と考えていいでしょう。
警戒をしたのは私が彼女を襲うと思ったのでしょう、そんなつもりは毛頭ありませんし、私に戦意がないのを感じ取ったのでしょう、相手は直ぐに力を抜きました。
「ご機嫌よう、私はシュティレ・ズィゲルトーアといいます、血族……ヒトの言い方にすれば、吸血鬼といいますか。
貴女からすごく血の匂いが漂ってきたので興味を惹かれたのですよ。」
自分を見るガラス越しの瞳。
彼女の戦いを示すような汚れに破壊具合、それらを指さしてみせる。
「此処等に住まうのは、高位の魔族達、見つかって捕まれば奴隷にされてしまうでしょう。
血の匂いを落とされては、と老婆心ながらに忠告をと。」
私としては、こんな所にこんな格好で来る彼女に興味をもちました、なので、少なくとも少しばかりは身の安全の警告くらいはしておいてもいいでしょう。
彼女と同じよう、口元に笑みを浮かべながら、言葉を紡ぎました。
■ラヴゥチン > 吸血鬼と聞いてぴくりと体が反応する。
別に因縁があるわけでもないが教会に仕える身としては複雑な心境である。
邪であり死という最も忌避すべきものを克服したある種の聖なる存在ともいえる。
ともかく、この方は自分を心配して声をかけてくださった人。嫌な思いをさせない様にホーリーシンボルとなるようなものは見せない様に気を使いながら体を動かす。
「血の匂いそんなにしましたか?お話ができない生物が襲い掛かってきたので軽く吹き飛ばしたりしましたが」
すんすんと鼻を鳴らして自分の匂いを嗅ぐ。自分の匂いというのは得てしてわからないもので、ラヴゥチンもやはりよくわからなかった。
「高位の魔族……人間で言う所の貴族や金持ちがいるわけですね」
魔族にもしっかりとした組織……いや、国があるのだと改めて実感する。
奴隷にされるのはまっぴらごめんではある。さて、しかし、どこで血の匂いもとい汚れなどを落としたものかと頭をひねる。
「そうですね……あ、どこかに川などはありませんか?そこで軽く汚れを落として置けば大丈夫かなとおもいますので」
考えに考えた末、川で洗い流すという手段をとることにしたらしい。
こちらの国のお金がここで使えるとも思わなかったし、ひょっとしたら文化が違いすぎて困ったことになってしまうかもしれないからだ。
■シュティレ > 「警戒しなくても、大丈夫ですよ。別に私個人としては、ヒトと言うのは自分を高め、それを引き継ぐ……強く賢い、油断ならぬ相手と思っておりますので。
それに、それを隠さなくても問題はありませんよ。」
ホーリーシンボル自体に力があるのではなく、祈りや、聖なる力を増幅するための道具となのだと思う。
信心の無いものが持っても驚異にはならないが、彼女のような信仰心に篤い者が持てば驚異となる、つまりは道具でしかないと思うからである。
お金持ち、という人間に近い感性に、私は、くす、と思わず笑いを零してしまいます。
「少しばかり違います、ね。
人間で言えば、将軍、騎士、そういった、力が強いもの、です。」
お金なんぞ、交換の道具でしかない、あれを彼処まで尊重するのが人間である。
それで人や仲間を裏切るのだから、そこは度し難いものだ、と。
「国の真ん中に川があったとして、衆人環視の中で肌をさらすのですか?」
国という整備された場所から考えればこれは当然の感覚でしょう。
「それでは、ここで出会ったのもなにかの縁でしょう。
別荘を一つ持っております。そこで湯を張りましょう。
ただし―――身の保証はしませんけれど。」
女は、それだけ言えば、どうぞ、とばかりに歩き始める。
彼女が信じて付いてくるか、それとも信じないで川を探すのか、それは彼女の選択であり、どちらを取ろうとも私は気にしないのです。
■ラヴゥチン > 「あ、そうか……魔族は1個体で長く生きることが多いですから知識を引き継ぐとかめったにできないんですね。それはそれで羨ましくもありますけれど」
ホーリーシンボルを隠さなくても良いと言われたので自然な立ち振る舞いに戻る。
人は引き継ぐために言葉を作り、更に長く引き継ぐために文字をもっともっと長く引き継ぐために本を作った。
ひょっとしたら魔族の国には図書館とかないのかなと少しだけ興味を覚える。
「……さすが魔族というか力こそが全てみたいな感じなんですか」
分かりやすいけれど力なきものは生き残れない世界である。
そんなものにこそ神は救いの手を差し伸べるべきで……むしろこちら側のほうが信仰というものが必要なのではないかと少し思ってしまった。
「あ、う、それは……そうですね」
流石に人前で肌を晒すのはいやである。かといって彼女についていくのも……
と考えたが人の好意をむげにするものではない。純粋な優しさから出た言葉かもしれず、いざとなれば心苦しいが戦闘を行い逃げてしまうのも手だろう。
「わかりました。ありがたくお邪魔させていただきます」
彼女の後についていく。最後の言葉はきっと冗談だと信じて。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」からシュティレさんが去りました。
ご案内:「魔族の国/上位居住区」からラヴゥチンさんが去りました。