2018/04/16 のログ
■ミリーディア > 書架から、いくつかの書物を取り出す。
どの書物にも記されているのは年代のみである。
それを手に、近くにある席へと座れば、早速と本を開き目を通し始めた。
なのだが、普通に見れば、それは本当に読んでいるのかが疑問に思うかもしれないもの。
頁の一枚一枚を捲る手の間隔、それが異常なのだ。
例えるならば、パラパラ漫画を見て楽しんでいるかのような、そんな動き。
ちなみに、この地下大図書館には常に何十、何百と言う魔族達が居る。
このような場所に来る者達なのだ、どういった者達が居るのかは想像し難くはないだろう。
それに混ざる少女の姿は、傍から見れば少々違和感と感じるかもしれないか。
■ミリーディア > これが少女本来の実力、この超が付く程の速読法は、そのほんの一部に過ぎない。
それを何故普段から行わないのか、そう問われれば、こう答えるだろう…『興味が無いから』と。
少女は知識に貪欲であり、それを得る事に深い興味を示す。
それを得る事が困難であったり、至難であったり、そうある程に強い興味を持つ。
長い間に貯まった膨大な情報量、それが今回の場合はそれに当たる。
見た目は人間であろう少女、しかし、人間離れをした業。
それを平然と行う姿に、一部の視線が少女へと向けられている。
だが、その視線を気付いてか気付かずか、放置をして少女は作業を続けていた。
これを見て手を出したり声を掛けたり、そんな度胸のある者がこの場には居るとは思ってないからだ。
実際に、なかなか出来るものではないだろう、この雰囲気では。
■ミリーディア > ここまでの速読をしようとも、簡単に読み切れる程に数十年の情報量とは言えど生半可なものではない。
それでも、少女はまるで疲れ知らずのように、読み耽り続ける。
どれ程の時間が経過した事だろうか。
何十冊と言わず、百冊を越えるとも言えた、最後と思える書物を閉じ、その手が止まる。
書物を読んでいた間も本棚へと戻していた男へと少女は視線を向けた。
「こちらも、中々に変化があって面白いものだった。
しかし、やはり今はあちらを眺めているのが面白いものでね。
…さて、次も戻るのはいつになるかは分からないが、任せたよ。
間を置かず戻るかもしれない、また何十年と戻らないかもしれないが…」
席を立ち、手足を解すように、曲げたり伸ばしたりをする。
その言葉に、再び頭を下げる男の前を通り過ぎ、少女はそのままこの場を去って行った。
ご案内:「魔族の国 地下大図書館」からミリーディアさんが去りました。