2018/04/12 のログ
ご案内:「魔族の国」にゼーレさんが現れました。
■ゼーレ > 国境を離れ、魔族の領地へ踏み入って数日―――
生真面目そうな表情の、やけに育ちが良さそうな雰囲気を放つ男性は、白馬にまたがりながら、土の色も空の色も禍々しさを孕む異郷の地を黙々と進んでいた。
「……かの”魔王”たる方の好みなれば、致し方はありませんが、我が国の都市には及ばぬ景観ですな。……せめて、宿を と思いましたが、彼らにそのような施設は不要でしたか。我ら人間も見習うところではありますね」
喰わねば、飲まねば、人は死ぬ。だが、魔族はどうだ。便利な躰をしているものだ。
羨望こそあれど、自身がそうなりたいとは特に思わない。
だが、あの野蛮なれど逞しき力は武人にとってはありがたいものだろう。
■ゼーレ > 行けども行けども、変わらない景観にはお面でも被っているのか一切変わらない表情で周辺に気を配りながら進み続ける。
「タナール砦の有様とは大違いです。あのような喧噪も、血気盛んな騎士ならば人間も魔族も好んだでしょうが……。あの場は些か流儀を忘れ、血の匂いに酔いしれ過ぎです。魔族の方々に我ら人間のマナーを遵守せよ とは難しいかもしれませんが、せめて我が国の騎士達には模範を思い出して欲しいものです。……我が国の主力たる姫騎士の方々ともなれば、猶更。国に忠を尽くす騎士であり、また人の上に立たれるお方だ。血で臭い立たれるのは困る」
■ゼーレ > まだ主君が健在であった頃の戦争を思い出す。
恐ろしき魔族。剣も槍も通さぬ強靭な魔獣。多くの同胞が犠牲となった。自身もまた死を知りかけたこともある。
だが、全ての魔族がそうとは限らなかった。中には権謀術数に長ける者、色気で権力者を絡めとる者、見事なまでに卑劣な手段ばかり揃えるものである―――――
「……王都マグメールの治安が些か心残りではありますが、私は主を探さなくては。……ところで」
ぴたり 馬を止めると、ゆっくりと下馬。槍を握りながら周辺を見回し
「先ほどから、周囲の景観が全く変わりませんね?幻術の一種でございましょうか?そろそろ、何かが見えてもよい頃合とは思いましたが…」
■ゼーレ > 息を止め、じっと目を瞑る。
特に焦る様子も見せず、冷静に魔力の根源を探ろうと。
手にした槍を離さず、意識を集中させ…。
「………………。…そちらですね」
ぴた と目を開ければ、徒歩のまま馬を引き連れ、気配の方向へとゆっくりと、確実に向かっていった。
ご案内:「魔族の国」からゼーレさんが去りました。