2017/02/07 のログ
■クルエル >
「む?」
気だるそうにそちらに顔を向ければ…魔族の国に置いては結構に珍しい格好
まぁこちらでも貴族階級はちらほらとそういう装いのものもいるが…
「いきなりご挨拶だな。
会ったことがあっただろうか?
混ざりモノの知り合いは一人しかいないんだが」
すん、と鼻を鳴らせば、半分だけ近しい、その血の匂いを嗅ぎ分ける
■カレリア > 「会った事はありませんが貴女の事は存じていますわ。
っ...まぁいいでしょう」
混ざりものの言葉に眉が小さく動く
しかし今は仕事の時間、そんな事で一々騒いでいられない
「自らを魔王と吹聴し庭園を不法占拠する女児、貴女の事で間違いないですわね?
今すぐここから退去していただきますわ」
手元の書類内容を読み上げる
曰く、自身は魔王であると周囲に言いふらし不当に庭園を占拠している
そのため住人から不満の声が上がっていると
「もし本当に魔王だったら、なんて誰が言ったんですか...」
どう見ても目の前の少女は魔王に思えない
魔族の中でも良い所中級と言ったところだろうか?
■クルエル >
反応を見るに、どうも混ざりモノであることは事実のようだ
コンプレックスでもあるのだろうか、そう思い小さく口元に笑みを浮かべる
「自称魔王扱いの上に女児呼ばわり……。
なるほど、どうやらこの魔王クルエルに喧嘩を売っているようだな?」
よいしょ、とのっそり立ち上がる
その体躯はどう見ても年端もいかない少女、その身には対した魔力も感じられない
「悪いがこの場所は"我が軍勢"の支配下だ。
不当とのたまうならば無理やり退かせてみるんだな」
軍勢、と言い切ったがそんなものはどこにも見えない
■カレリア > 「.....」
傲慢な振る舞いは一見魔王らしいとも言える
魔力の動きに注意し軍勢とやらに警戒したが....一向に何も起こらない
「....真面目に考えた私が馬鹿でしたわ」
はぁ...とため息をつきさっさと何処かへ去るように警告する
これが身寄りのない子供であれば対応も変わったが相手は生意気で口の悪い子供...否、ガキである
「本当に実力行使を望まれるようならそれでも構いませんが....
貴女が魔王である可能性を加味して私が来たという事を忘れてはいませんわよね?」
首を傾げ最後通告を突きつける
■クルエル >
「ああ」
ぽん、と手を打つ
最初から実力行使も辞さないならば、それは相応の戦力の者が来る
つまり目の前のこの少女(自分は見上げるけど)は……
「つまり魔族の国でそれなりの地位のある魔王、
もしくは魔王にその戦力を認められた者ということか。
なるほどなるほど、こんな見てくれの我相手に臆することがないのも納得できる」
つらつらと饒舌に言葉を並べてゆく
話しながら、片手を掲げた
「しかし我も警告したぞ。
此処は我が軍勢のテリトリーであるとな」
ふらりと、火の玉のようなものが現れる
それは紫銀に煌めき禍々しさを讃えた、不浄の魂
"それら"がまるでクルエルの元に集うように現れ、近づいて来る
庭園を埋め尽くしかねないその数は数えることもバカらしいくなるほどの、軍勢だった
「多対一だぞ、混ざり者」
■カレリア > 「ネクロマンサーですか...これは認識を改めないとですね」
嘘吐きの子供という認識は改めなければならない
相手は危険な排除対象
認識を改め先ずは周囲に漂うあれを掃除しなければ
「魔王に戦力を認められた、では足りませんわね
魔王相手でも支障の無い、それが答えですわ」
庭園の中に魔力の嵐が巻き起こる
不浄の魂を、巻込み掻き回し捻り潰す
クルエルに至っては嵐の奔流のなかで体中を切り裂かれるだろう
「私を混ざり者と呼んで許されるのは...この世に2人だけですわ♪」
■クルエル > 巻き起こる風に集った魂達は吹き飛ばされ、押し潰される
が、集い寄るその数は文字通り無限のようにも思えた
次々に浮かび、ふわりと寄ってくる数は後を立たず
……ただし
「───がッ…!?」
集う対象、主となるべきクルエルが先に崩れた
褐色の肌のあちこちを切り裂かれ、庭園に倒れ伏せる
掲げていた腕が降りると、魂達は道標を失ったように彷徨い消えていった
■カレリア > 「やはり術者を潰すのが一番ですわね」
所詮は召喚や操作された者達
術者本人の集中が切れればこの通り
「さて、即座に退去を
それと私に謝罪をするなら傷の治療もして差し上げますわよ?」
倒れ地面に崩れたクルエルに声をかける
排除対象と見れば相手が子供に見えようが容赦はしない
けれど温情で傷の治療位は申し出ても悪くないだろう
■クルエル > 「もう勝った気でいるとは、愚かしいぞ、混ざり者」
何事もなかったかのようにむくりと起き上がる
その周囲には再び魂達が集い始め……
「我は屍魂の魔王クルエル、不死の存在だ。
こんな程度の攻撃でまんぞk…コホン、倒れるわけがないのだ」
会心のドヤ顔を向ける
状況は全然好転していないのだけど
■カレリア > 「へぇ....そうですの?」
温情を受け取るどころか泥を塗りたくって投げ返してきてくれた
よろしい、どうやらかなり頑丈なようだし遠慮は要らないらしい
「不死であるなら耐えられるでしょうね」
魔力が槍の形に凝縮する
何か言いかけていた気がするがもう関係ない
混ざり者と3度言った
天使でも3度裏切られれば罰を下すもの
カレリアの頭上から射出された魔力槍は真っ直ぐにクルエルの腹部を狙う
刺し貫き射殺す一撃が豪速で迫りくる
■クルエル >
「むっ、あれは……」
少女の頭上に出現した魔力の槍
簡単な鎧くらいならあっさりと貫いてくれそうなそれをクルエルは見上げる
こくん、と何かに納得したように頷きその身を晒す
その様子はまったくの無防備…
というよりはどうせ避けようとしても避けられないので諦めている…ようにも見えた
「大した威力がありそうだがやはりその程度で不死の魔王たる我を斃ぐぇぶッ」
口上の途中で薄腹を貫かれ、そのまま背後の地面へと串刺しとなる
「ごぼッ、かフッ──」
大きく喀血しながら、目線だけをカレリアに向け続けている
その眼はまるで"死んで"いない
■カレリア > 「まともな防御すらせずに防げるわけがないでしょう?」
身体が魔鋼製でもない限りそんな事はありえない
串刺し状態のクルエルに近づいてみれば少し恐怖を感じる
瞳が恐怖に染まるどころか喜色満点なのだから
「...不死をこじらせて歪んだ存在なのですね、貴女
こんな事をしても喜ばせるだけなのでしょうか?」
槍を掴み新たな魔力を流しクルエルの体内に茨の様な針を張り巡らせる
体の内側を中心から痛みに侵される感触ははたしてどんな反応をさせるのか...
■クルエル >
眼線を向けながら、無数の切り傷が刻まれたままの肌に脂汗が浮かぶ
痛くない、苦しくないというわけではないらしい
「───ぐぶゅッ!?」
体内をズタズタにされる苦痛に目を見開く
が、その口からは悲鳴ではなくごぼごぼという喀血の音だけが続く
腹が破れ、血が迫り上がってきているのだろう
…そんな状態で、頬は紅潮し、太腿にはとろりと伝うものがあった
「ッ~~……」
ぷるぷると震える片手を、槍を掴むカレリアに向けてゆっくりと伸ばす
■カレリア > 「これは真性ですわね...」
反応を見ればわかる
この女、この状況を楽しんでいると
しっかり確認したわけではないが...秘所が濡れている気もする
「そのままではまともに会話もできませんわね」
一気に槍を茨ごと引き抜く
通常であれば痛みのショックと出血で即死
もういっそこのまま死にましたと報告してしまいたい程
■クルエル >
「あがッ?!ぎあ゛あ゛ッッ!!!♡」
柔肉と臓腑を引き裂くような嫌な音と、嬌声にも似た色の悲鳴が響く
貫かれていた支えを失って、どさりとその身を横たえる
「ひッ、ふぐっ♡
す、すごひ…な、なんということ、をぉ……ッ♡」
そこで、びくびくと血溜まりの中で快楽に身体を跳ねさせる姿を晒していた
■カレリア > 「どうせ死なないなら良いでしょう?
貴女も嬉しいみたいですし」
最早魔族を見る目をしていない
奇妙な物体を見る目を向けながら悶えるのを見下ろし
「本当にどうしましょう....」
致命傷を与えるほど喜ぶ不死の相手にどう言う事を聞かせるか?
脅しは逆効果、殺せないので根本的な対処も不可、実力行使なんて喜ばせるだけ...
「不死の変態なんて...どう扱えばいいんですの?」
前代未聞の存在に頭を悩ませる
■クルエル >
「ふぅ…んっ、んぅ……♡
──はぁっ、ふー………まったく、普通の魔族だったら絶命していたぞ…」
荒くなった呼吸を整えて上体を起こすと、まるで照れるようにその視線を外す
…変態にもはしたない姿を見せたという意識はあるらしかった
「というわけだ、我は不死身の魔王。
何度倒されようと再び現れるのだ、貴様のお使いは諦めるのだな」
破れた腹や体中の切り傷には薄く皮膜が張り始め、出血も止まりかけているようだった
■カレリア > 「むしろ何で絶命しませんの?」
そして何故頬を赤くして顔をそらすのか
羞恥心があるなんて思ってもいない
「....あまり使いたくない手ですが、仕方ないですわね」
頭の角を掴み上空へと運んでいく
やりたくはなかったがこいつに負けたという事実が残るのは許容できない
それだけは許せない....負けず嫌いを舐めてはいけない
「このまま王都に捨てに行きますわ♪」
人の街、王都の方を見やる
王城にでも投げ入れればいくら不死でもしばらくは帰ってこない筈
この庭園から退去させるという目的は達成される!
■クルエル >
「不死身だからだ」
再び会心のドヤ顔である
自身の戦闘力が皆無なクセに不死性ときたら比肩できる者もいない
ふんっとない胸を張っていると突然角を掴まれ持ち上げられる
「!? まて、王都だと…そこからやっと帰ってきたばかりなのだぞ我は」
どうやら不服らしく、じたばた暴れ始めた
■カレリア > 「ですわね...ただの子供だったら可愛らしかったのに」
子供と言うほど年が離れた見た目をしていないというのは言ってはいけない
確かに悪い気もする、王都にこれを不法投棄するのだから
「庭園から出ていくのと人間の王城に叩き込まれるの、どちらかは選ばせてあげますわよ?」
やっとクルエルが嫌がる素振りを見せたので満面の笑みを浮かべる
暴れるクルエルの腹部に膝蹴りを入れて一旦大人しくさせる
落としたらどうするのだ....
■クルエル >
「貴様も子供だろうが、我よりちょっとばかり乳がでかいと思って偉そうにするな」
むっとした物言いで振りほどこうと頭をぶんがぶんが
まぁ落下しても痛いだけなので気にしないのか、そもそも飛べるかである
「どちらも断る。貴様が我の処遇を決める権利などないのだ。
どうしてもというなら貴様の主である魔王を連れてくれば話くらいしてやらんでもな…ごえッ」
柔らかいお腹に鋭い蹴りが入った
しかしぐったりはしない。、もしかして慣れているのか
「人が話している時に攻撃するとはなんて無作法な娘なのだ…」
びくんびくん
■カレリア > 「む、胸の大きさは関係ないでしょ?
そういうところが子供なんですわよ」
いきなり何を言い出すのかこの変態は
思わず角を離しそうになったが今逃がす訳にはいかない
「私の主、ねぇ...妻なら居ますわよ♪」
と言うかこんな珍獣を彼女に会わす訳にはいかない
癇癪を起こして何をすることやら...
「暴れるからでしょう?
それと、どちらも嫌なら王都にご案内ですわね♪」
そう言って王都へと飛翔を始める
選択肢を与えたが断るのならこちらが選ぶだけの事
人間の街で幽閉でもされれば万々歳だ
■クルエル >
「そうでなければ魔王たる我にそこまで偉そうにする理由などないからだ。
乳のでかいやつはそれだけで小さいやつを見下すからな、我は詳しいのだ」
蹴りでおとなしくなったと思いきやそんなこともなく口だけは元気にまわる、が
「断る。
なぜか人間の国では我が力も使えないからな、窮屈なのだ
……そうだ、貴様はなぜ人間の国で魔族が力を振るえぬのか知っているのか?」
運ばれながらそういえば、と言葉を漏らす
王都に連れて行こう、ということはこの者は道を知っている
つまり人間の国に足を運んでいる魔族ということである
■カレリア > 「何ですかその胸の大きさに対する偏見は...そんなのは只の妄想ですわ」
そんな事をするのは器の小さい愚か者だけ
そう言っては見るがおそらく無駄だろう
「はぁ?人間の国だろうが何処だろうが魔族の力が
使えないなんて聞いたことないですわよ?」
飛翔を一旦やめ空中に静止
捨て置くには少々事が大きすぎる内容
これがクルエルだけならばどうでもいいが
他の魔族にも影響が出ていると放置はできない
■クルエル >
「ふん」
乳が大きなものにはわからないのだ、と停止した隙に頭をぶんぶんっと振りほどいて…
その背中から血のように赤い魔力の翼が広がる
ついでにその乳房を一揉みしてやろう
「何だ。では特に大きな力だけに働くのか。
それならばそれで他の魔王どもがタナールの向こうへ攻めにいかない理由もわかるのだが。
結界とかそういう類のものではなさそうなのだが、人間の国に出入りしてそうな貴様ならばと思ったがふーむ」
空中で胡座を組み、顎に手をあてて考える素振り
「我は人間が嫌いだしゴミクズだと思っているが、他の魔王と違って我自身はか弱い。
よって魔王としての力が使えぬのは大問題なのだが、他の魔王も人間どもを根絶やしにしようとしない。
その理由が存在する筈なのだがな」
■カレリア > 「あっ...」
手から離れる角の感触
振り返ればクルエルは当然のように飛翔している
考えてみれば空ぐらい飛べてもおかしくはないか...
一瞬手つきが怪しかったが何をする気だったのか
「....その嫌いなゴミクズとの和平を望み人を妻に迎え入れた魔王だって居ますわ
簡単に根絶やしなんて口にしないほうがいいですわよ?」
今は人の道を外れたとは言え元は自分だってただの人間
それにクルエルの自分の考えが世の節理という態度が気に入らない
だから少し強めに言い返しておく
「弱いなりに頭を使うことをおすすめしますわ」
■クルエル > 警戒された気がしたのでそっと手を戻す、おのれ肉まん
「平和ボケした魔王もいたものだな。
それ故か最近は貴様のような半端な血のものが目立つ」
姿勢をそのままに口ぶりは辛辣
魔王然とした考え方、それは余りにも魔族として正しいものである
「簡単に?魔王を名乗るものががそれくらいのことも言えないでどうするのだ。
人間どもは我らを根絶やしにしたくてウズウズしているぞ?
貴様の親のような物好きもいるのかもしれんが」
■カレリア > とても不快なあだ名をつけられた気がしたけれど...まぁいい
「飽きもせず血を流し続けるよりはいいのでは?」
正しい、魔族として...それを統べる魔王として
けれど自分にだって譲れないものがある
「ふふ、それもそうですわね....
けれど貴女にそれを言う資格は有りますの?
元人間に良いように遊ばれるあ・な・た・に♪」
そう、力も無いくせに知った風な口をきくな
力も覚悟もない雑魚が彼女の理想を鼻で笑うのは我慢ならない
■クルエル >
「根絶やしにすれば魔族の気高い血が流れることはなくなる」
あぐらを解き、その腕を胸の前で組んでちょっと高い位置に浮かんで見下ろす形へ
「資格ならば大ありだぞ。
死魂の魔王たる我にとっては人間なぞ我が軍勢の素材に過ぎない。
その価値があるのも、その薄汚れた魂だけ……やはり混ざり者、純魔族の考えには理解が及ばんとみえる。
それに、遊んでいたつもりだったのか?
貴様が全力を尽くしたとて我を滅ぼすことなど絶対にできないのに」
細い尻尾が、挑発するようにくねくねと動きを見せる
■カレリア > 「人間と同じことを言いますのね?」
そう言って嗤う
結局人間と変わらないと
「不死だから殺せない....本当にそうでしょうかね?」
全力を尽くす、その意味を教えてやるのも面白い
何より、もう我慢も限界だ
即座にクルエルに接近しその頭を鷲掴みに
「貴女の身体を殺せなくても、心を殺すことは可能ですわよ?」
魔力を流し込み呪印を刻み込もうとする
快楽を増幅する印の逆
快楽そのものを感じにくくするマイナーな呪いをかけようと
■クルエル >
「そうだぞ、ただし位置が真逆だがな」
例えるならば磁石の同じ極
絶対に相容れることはないのだと
がっと頭を鷲掴みにされる、避けようともしない
避けようとしても避けられないのかもしれないが。が……
「貴様もわからないやつだ。
魔王などと嘯いているだけのガキだと思ったのか。
───それを試みる者などこの何百年の間に星の数ほどいたぞ」
魔力を介して流れ込む呪詛
しかしそれはクルエルの内部に侵入しようとすると即座に解呪──ディスペルされ霧散してしまう
体質だけは、文字通り不滅の魔王であった
余裕の表情を浮かべてその手を伸ばし反撃にカレリアの乳房を鷲掴みにしてやるのだ
■カレリア > 「ちっ...」
この魔王、どうやら不死性以外に耐性も持ち合わせているらしい
呪いをかけようとした瞬間に魔力が霧散してしまう
「なっ...何するんですの!」
胸を鷲掴みにされて思わず頭を掴む手に力が入る
結果...胸を揉まれながら頭蓋を圧し割られる事に
あっ...と声が漏れたのはクルエルに聞こえたかどうか
■クルエル >
「ふふん。
この力だけで我は何百年も魔王を名乗り続けているのだぞ。
例えこの魔族の国に居を構える全ての魔王どもが我を滅ぼさんと重い腰をあげても、
それでもなお我を倒すことなどは絶対に不可能なのだ。参ったか?」
能力というくくりだけでは説明できないほどの不死身、不滅
頭を掴まれたままその柔い乳の感触を楽しむように揉みしだく …つもりだったが
「うごッ!」
面白い悲鳴をあげるクルエル
アイアンクローの痛みに負けて思わず手を離してしまった
まったく、こちらは優しく鷲掴みしてやったというのに
■カレリア > 「...ねぇ、貴女封印されたらどうなりますの?」
倒せない殺せない
しかしこうして黙らせるだけならこんなに簡単
ならいっそ...
「地下不覚に埋めておいたら...出てこれますの?」
ふとそんなことを尋ねる
ただ純粋に気になったので
■クルエル >
ぶんぶんっと再び頭を振って振りほどいて、一息
「ん?ああ、何度も封印されたこともあったな。
その封印が完全であれば完全であるほど早く我が別の場所で再誕するだけだ」
殺せない、とあらば封印を試みる魔王達もかつては多くいたのだ
再び血色の翼をはためかせ、魔族の国では暗く曇った天を指し
「火の星にまで飛ばされたこともあったが我でも気づかぬうちに我の生まれたところへ戻ってきていた」
ある意味では絶対に死ねない、
存在を覆うこともできない呪いのようなもの
「単純に埋められたらそのうち窒息して地上で復活するだろうな、たぶん」
■カレリア > 「なるほど...そこまで来るともはや呪いですわね」
不死、不滅の呪い
....考えてみても何も思い浮かばない
どうしてそんなメチャクチャな呪いを受けているのか
「はぁ....やっぱり王都に放り込むしかないですわね
私の頭痛も限界ですし」
面倒なのでそうしてしまおう
面倒なことはどこかに押し付けてしまう
それしかできないのが悲しいが
■クルエル >
「まだ諦めていないのか、負けず嫌いも過ぎるものだぞ」
やれやれ、と肩をすくめる
「先程も言ったが庭園のあのエリア一角は我が何百年も前から寝床にしているのだ。
不法侵入でも何でもないのだ。力押しによる立ち退きなどお前は地上げ屋か何かか。
しかもか弱い我に暴力まで振るう始末……」
じーっと眺める
いや挑発したのは自分でもあるけど
■カレリア > 「負けず嫌いでも何でもなく公務ですわ
子供の教育に悪い、子供が寝ていて落ち着かない等々
あそこを利用する方達の不満の声はどうするつもりですの?」
何百年も不法占拠してたのかこの変態は...とまたため息
いっそあそこがこのクルエルの私有地なら済むのに
「嫌ならきちんとした場所に住めばいいでしょう?
家を作るなりどこかに間借りするなり...」
子供のホームレスなんて街の見栄えとしても最悪すぎる
だいたい誇り高い魔王が野宿とはどういう事なのか
■クルエル >
「そんな声は我の耳には入っていないぞ」
ぴこぴこ、と長い耳が跳ねる
苦情とは失礼なことである
「魔王が安宿などに間借りなど格好がつかない。
なにもないところで寝姿を晒すのは王者の寝相という感じで風格があるだろう。
しかし家を作る?ふーむ、家を作るか…その発想は数百年なかったな。
家というよりも城だな、やはり魔王には城が必要か」
おお、と手を打って感心したような表情を見せた
■カレリア > 「それとなく追い出そうとしたが相手にもされないと報告がありましたが」
例の魔王云々のせいでまともに会話も成立しなかったらしい
どうしようと思いつつクルエルは城を作るという発想が気に入った様子
「今のままでは裸の王、それらしい城でもあれば
貴女のことを誰もが魔王と思うでしょうね♪」
誘い、褒めて伸ばす
どこかに小屋でも建ててそこで暮らしてくれれば自分の役目は完遂できる
■クルエル >
「城を誇示するなど虚勢だろうと思っていたが…」
ふーん、うーむ、
と何度か首を傾げて見せたあと
「なるほどよいアイデアだな、名前を聞いておいてやるぞ、混ざり者」
相変わらず偉そうな口調と態度は崩さず、腕を組んで見下ろしてくる
表情こそは変わらないものの上機嫌になったのか、尻尾はせわしなくくねっているが
■カレリア > 「意外と実用的ですわよ♪」
よしよし上手く行きそう
と、名前をそう言えば名乗っていなかった
混ざりものと言われたので強めのビンタを一発叩き込み
「私の名前はカレリア、分かりましたかクルエル?」
ビンタを振り切った態勢のまま尋ねる
相手が喜ぶと分かっていてもやらずにはいられない
■クルエル >
「……おい、カレリアとやら」
もろにビンタをくらいその顔が横へと流れる
ゆっくりと睨めつけるような視線をそちらに戻して…
「なぜグーで殴らないのだ、こんな痛み、ただ肌がヒリつくだけだ」
ぷんぷん怒っていた
いやビンタされれば怒るだろうけれど怒る方向性が斜め上である
「まぁいい、ナイスアイデアの提供者だ。半分だけは認めてやる」
■カレリア > 「私がスッキリしつつ貴女は少し物足りない、これぐらいの匙加減でしょう♪」
グーや武器で殴ればクルエルは喜び悶える
しかしビンタなら...結果は不満そうなクルエルを見れば一目瞭然
そして、やはりこいつの頭はおかしいと確信するには十分だった
「負けず嫌いとはどの口が言うんですのでよ...
貴女のほうがよっぽどですわね」
数百年を生きた不死の存在なのに見た目よりも小さい子供の様に思える
精神はやはり体に引っ張られるのだろうか
■クルエル >
「負けず嫌いではなく人に蹂躙、殺戮されてきた力なき魔族の吟詩だ。
力なきものが理想を語るなという先程の貴様の言葉など届こうはずもない、我の在り方なのだ。
故に、貴様のことは半分しか認めてやることはだきないのだ、カレリア」
叩かれて赤くなったほっぺたを片手で撫でつつ、
カレリアをまっすぐに見据えながら言葉を紡ぐ
「先程、和平と言ったな。互いに血を流しすぎた、禍根は絶対に消えない。
魔族というだけで、人間でというだけで忌み嫌う者は双方に多すぎる、根が深い。
綺麗に終わらせるにはどちらかが滅び、親交を持ちたい少数派は隠遁し目の届かないところで生きるべきなのだ。
我は自分の考えが間違っているとは微程も思わぬ」
淡々と述べた言葉はどこか少女の姿には似つかわしくないもの
魔王という存在であれば、釣り合いの取れるものでもあった
■カレリア > 「そこまで言い切るのならもう何も言いませんわ
私も貴女は認められませんしね」
お互い譲れないものはある
彼女にもきっとそれがあるのだろう...変態でなければ認めることもできただろうか
「もう後戻りできないなんてただの思考放棄ですわ
争いを終わらす形を自ら狭める貴女の考えでは流れる血も涙も多すぎる
貴女の考えは間違ってはいないでしょう、でも正しくもないですわ♪」
魔王らしい風格で魔王そのものの言葉を吐き出すクルエル
そう、実に魔王という名に相応しい考えだろう
しかし魔を統べ導く王とは自分は思えない
魔王ではあっても魔族の王とは認められない
「ま、結局どこまで行っても私達は平行線ですわね」
仕方ない事実としてそう受け入れるしかなかった
■クルエル >
「まぁそもそも血が混ざっている時点で相容れないのだが」
両手を肩ほどまであげてやれやれといったアクションを取りながらしれっとそういうことを言いつつ
そこではっとしたように目を開く
混ざり者と揶揄したが、もしかして
「しかしそうか、貴様は半分が人間なのだな。
タナール以西では、ハーフブラッドは力を抑えられるということがないのかもしれんな…。
それで気づかなかったというのならば考察の余地はある」
ふむぅと再度考えるような仕草を見せて…
「……まぁ先程はああ言ったが我には人間の国に出向いて滅ぼす力は出せないし、
今後も混迷した状況は続くのだろう、何百年以上も見物してきたが、
お前たちが流れを変えるというならそれはそれで楽しみに見させてもらうのだぞ」
我が城でな!とつけくわえる
まだできてもいないけれど
■カレリア > 「ハーフブラッドも何も私は元々純粋な人間ですわよ。
今の身体は後天的な改造によるものですわ」
さっきから混ざり混ざりとしつこい奴、と睨む
今度合うことがあればまっさきにその口を塞いでやる
「ふっ、そういうセリフは立派な城を建ててから言うんですわね
すぐには厳しいでしょうから数日は猶予を差し上げますわ
さっさと城を建ててあそこから出ていってくださいね?」
時代の流れ...もちろん変えてみせるとも
愛しい彼女と共に、この戦争を終わらせてみせる
■クルエル >
「ふむ、しかしその素性はいたずらに明かすものではないな。
実際の混血でさえ、人間に仲間や家族を殺された魔族からは疎ましく思われるものだ。
まぁ貴様ならそれで襲われても簡単に返り討ちにくらいできるのだろうが」
うむ、とそこで一度言葉を区切る
人間との争いに反対する姿勢を見せているし、そう簡単に手は出さないのだろうが
「(邪な人間からすれば格好の餌だな)」
内心でそう思いつつ
「ふふん、我が兵力は無限だぞ。
先程だって貴様が邪魔しなければ数千の不浄どもが武具に憑依し貴様をミンチにしていたところだからな
その力をもってすれば城の建造など容易いのだ」
あんな庭園のどこに数千近い武具なんかが転がっているのかは誰も知らない、口にしている当人も
■カレリア > 「相手は選んでますわよ、貴女に何かされるとも思えませんからね」
頭のおかしい変態相手なら遠慮も何も必要ない
はぁ...なんだか今日は一気に疲れた気がする
帰ったらすぐにベッドに横になろう
「それは便利ですわね。では3日以内に城を建てて出ていって下さいね♪」
無限の労働力はあるらしいので無茶苦茶な要求を通しておく
クルエルならそれぐらい簡単と勝手に決めつけ
「次に会う時は庭園ではないことを祈っていますわ」
その時はとりあえず一度埋める
心に誓いを立てて魔族の国の方へと飛翔していく
■クルエル >
「まあ任せておけ」
ない胸を再び張ってそう応える
そう兵力は無限、労働力も無限
……憑依するための鎧とか武器とかが無限にあればの話である
3日後、庭園を訪れたカレリアが目にするのは
庭園のド真ん中四畳半におっ立てられた藁葺き屋根の小屋と、
『魔王クルエルの城』と汚い字で書かれた木造の看板だった
…かもしれない
ご案内:「魔族の国」からカレリアさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」からクルエルさんが去りました。