2016/06/04 のログ
ご案内:「魔族の国」にシャルロット・タールハイムさんが現れました。
■シャルロット・タールハイム > ――魔族の国。
そこは人の手の入らぬ禁域。人知を超えた存在の跋扈する伏魔殿……。
とはいえ、文明が存在しないわけではなく人間のそれと遜色ない魔族によって築かれた街も
無数に存在する。
そのうちの一つ、とある力ある魔王によって収められている街に、一人の『人間の女』が足を踏み入れた。
女の名はシャルロット・タールハイム。事もあろうにマグメール王国で貴族位を持つ名家タールハイムの当主をつとめる女であるが、
今の彼女にはそれとは違う、もう一つの顔があった。
「セラ様に直接伝える要件があったとはいえ、直接魔族の国に足を踏み入れるとは緊張するな……。」
そう、彼女は人の子でありながら魔王セラに『洗礼』を施され、
魔族への奉仕者へと堕したマグメール王国獅子身中の虫であったのだ。
■シャルロット・タールハイム > 今回、彼女はマグメール王国で手に入れたある『重要な情報』を、
自身が主と仰ぐ魔王セラに直接伝えるために、魔族の国を訪れた。
彼女の居城まではまだまだ距離があるためこの魔族の宿場町にて一泊宿をとることになったのだが……。
「……もう少し、上等な宿を選べばよかったか……。」
そこは密かに魔族の国に出入りする、奴隷売りなどが利用するさほどグレードの高くない宿。
一階のレストラン兼談話室のようなスペースを見渡せば、目深にローブを被った奴隷商人とみられる男が、
魔族相手に、『商品』を熱心に売り込んでいる姿や、買った商品にその場で手を出す下級魔族もいる始末で。
(………………。)
今は魔族への奉仕者となった自分には関係がない、と思おうとしたが『元同族』が手荒に扱われている様を見るのは忍びなく。
シャルロットは目を伏せその光景を見ないようにしながら、静かに部屋の準備が整うのを待つのだった。
■シャルロット・タールハイム > やがて、部屋の準備が整うと
シャルロットはいささかげんなりした様子で、その部屋に向かう……。
魔族の国の夜は、まだまだ長い。
ご案内:「魔族の国」からシャルロット・タールハイムさんが去りました。