2015/11/19 のログ
■エドガー > 魔族の国には、未だに人間が知らない秘境と呼ばれるような場所が数多く存在する。
此処、治癒の霊泉もその中の一つだ。普通ならば、治らないはずの怪我でさえも治癒させる霊水の沸く泉。
その霊水に服を着たまま身体を浸けて、瞼を閉じている男がいた。
先日の戦いで斬り落とされた右腕の治療が目的だった。
「此処を利用するのも、随分と久しぶりだが…変わってないようで何よりだ。」
少し欠伸をすると、男は右腕を見る。少しずつだが、繋がり始めているようだった。
■エドガー > 「まぁ…それだけ良い経験をさせてもらったわけだから、構わないと言えば構わないのだがね。」
左腕を頭の後ろへと回して枕のようにする。
水の中をゆらゆらと浮かぶ感覚も思えば久しぶりのような気がする。
腕を斬り落とされたというのに、男は楽しげに口元に笑みを浮かべていた。
「私も何か…強くなれるようなものを求めてみるとしようかな」
■エドガー > 「ともかくだ…先ずは、この右腕を何とかくっつけないとお話にならないね。適当な本でも読むとしようか…」
枕代わりにしていた左手を掲げると、次の瞬間には小さな本が握られている。
器用に片手でそれを開くと、悠々と足を組んで読み始めた。中身は人間の書く小説と言うものだった。
そうして、右腕が元通りになるまで泉の中で時間をつぶし続けるのだった。
ご案内:「魔族の国 治癒の霊泉」からエドガーさんが去りました。