2015/11/17 のログ
魔王アスタルテ > (逆に言えば、直接関係しないからこそ魔族の間でも色々意見が飛び交うわけだよー。

 例えば、『この機会を利用し、ティルヒア側に付いて王国を掻き乱しちゃおう』派の魔族がいたり、
 『いやいや。ティルヒアは実は憎きアイオーンが生み出した神の一柱だ! そんな奴の味方をせず、むしろ王国と組んで奴を滅ぼすべきだ!』派の魔族がいたり)

(要するに、人間と人間が衝突しちゃうと同時に、今回の件で魔族もそれぞれ意見が別れちゃって衝突しちゃう展開もあるわけだねー。
 王国陣営やティルヒア陣営など、それぞれ直接関係する立場ではないからこそ、そういう事も起こっちゃう。
 まあそれが発展しすぎたら、問題になっちゃうよねー。
 そーいう意味でも、人間達の内乱を娯楽と捉えるのは、魔族達の変な蟠りを回避する事ができるね)

「各所の魔王軍の皆に、この件の伝令を急いでねー。
 各地のダンジョンにいる魔族とかは、まだ知らないって者もいるだろうからね。
 まあこんなに大きい案件だから、時間が経てば嫌でも情報は広まっていくだろうけどねー」
『御意!』
(高位魔族数名は、その場から人知れず消えていった)

魔王アスタルテ > (大罪の魔王同士で行われる賭け事は、言ってしまえば余興。
 王国軍VSティルヒア軍! 勝つのはどっち!
 楽しんだもの勝ちだねー♪)
「ねぇロータス。
 君は、王国とティルヒアのどっちが勝つと思う?」
(アスタルテはにこりと笑みを浮かべて、四天王の一角にそんな質問をしてみる。

 ロータスは少しだけ考える仕草をした後、答えてみせる)
『そうですね……。
 ティルヒア軍は、王国軍とも引けを取らない巨大な軍と言いますからな。
 それなりには、王国軍にも立てつきましょう。
 ですが、王国軍にも優秀な将兵が多くいます。
 おそらくは王国軍の勝利に終わり、ティルヒアの野望は儚く散っていくかと……』
(ロータスとて深くは考えず、大まかな予想である。
 完全に第三者の意見だ)
「そっかぁ。
 そうだよねー、さすがは王国軍って感じで彼等はけっこー強いよね。
 それで、ブルートはどう思うの?」

(アスタルテは続いて、四天王ブルートにどちらが勝利するかを振ってみる。
 ブルートは即答してみせる)
『ティルヒア軍こそ、名立たる猛者が多くいます。
 総大将たるティルヒアもかなりの実力者……。
 さすがの王国軍と言えど、ティルヒア軍に敗れると予想します』
(わぁー、ここでも意見が別れちゃったね。
 なんか、四天王二人で議論にまで発展しちゃったよ。

 ロータスとブルートって結構言い争いとかしてるけど、
 実は仲良いよね。
 アスタルテは手を一度パチンと叩いて、二人の議論を止める)
「あははー♪
 そーいうのは、後でたっぷりやっててよ」
(さてさて、アスタルテはどっちの陣営に賭けちゃおうかな♪
 まあ賭ける方は、『勝つと思う方』じゃなくて『面白いと思う方』だよ。
 だって、そっちの方が楽しいじゃない?)

魔王アスタルテ > 「それじゃあ、あたし達はそろそろ魔王城へと帰還するよ」
(アスタルテは、このダンジョンのボスを任せているデーモン型の魔族に視線を移す。
 その魔族は、デーモン型の魔族でも高位に位置する存在だった。
 キング・オブ・デーモンとでも言うべき魔族と言えるだろう)
「この塔と、近辺の自治は引き続き、任せるねー」
『ご期待通りに……』
(デーモンズタワーのボスは、魔王に一礼した。

「じゃあねー」
(アスタルテは、ダンジョンのボスさんに手を振る。
 その後、魔王と四天王、百を超える高位魔族達は一瞬にして、デーモンズタワーの屋上から消えていった。

 残されたのはキング・オブ・デーモンなる魔族と、その配下たるデーモン達のみとなった)

ご案内:「デーモンズタワーの頂」から魔王アスタルテさんが去りました。