2015/10/16 のログ
ご案内:「魔族の国」にフェリアナさんが現れました。
■フェリアナ > (――どうしてこんな場所に来てしまったのだろう。骨董店からの帰り道、気まぐれで路地裏へと入り込むと、不思議な宝玉のようなものが落ちていた。それを拾い、不思議に眺めていると突如宝玉が光り、視界を奪った。……そして気づけば、見知らぬ土地に立っていたのだった)しかし、ここは………(辺りを見渡しながら、ぽつりと呟く。どうやら、自分の知らない土地のようだ。そして空気が全く違う。――どう表現したらいいのかは分からない。だが、ここは「ダメ」だ。早く元の場所へ戻る方法を探さなくては。)
■フェリアナ > (――その後、再び宝玉が光り、元の場所に帰れたそうな)
ご案内:「魔族の国」からフェリアナさんが去りました。
ご案内:「魔族の国/商店通り」にヨゾラさんが現れました。
■ヨゾラ > (深夜。閑散とした商店通りにて。
吸血鬼が店主であるとか、そういう変わった店を残してこの辺りは大体もう店じまいされている。)
飽きたわ。
(この言葉を言うのは何回目だったろうか。
近頃つまらない。暇で暇で仕方ない。適当に金を稼いで楽しんではいるのだけれど、
同じ様な事が続くと飽きるのは当然だ。
奴隷を買って甚振って嬲るのも、何だか飽きてきた。)
つまらないわね。
(そう憂鬱な声を漏らすのは、その辺の薄汚い横長の、
四人掛けのベンチ席に偉そうに荷物を置き据えて抹茶オレを啜る、暇な魔族。
死神の名を騙りながら、己の悦楽のみを求める、所謂遊び人。)
ご案内:「魔族の国/商店通り」に魔王アスタルテさんが現れました。
■魔王アスタルテ > (商店通りを堂々と突き進む魔族の集団があった。
その魔族は、どいつもこいつも高位であり、それが数十名も集まっている。
そして、その高位魔族集団の中央には馬代わりに黒竜が引いている漆黒のいかにも魔王が乗っている巨大な馬車があった。
馬車には魔王アスタルテと、魔王軍四天王が乗っている。
群衆達は『あ、あれは……魔王アスタルテ様の……』『アスタルテ様だ。道をおあけしろ』などと、畏敬の念を抱いていた。
魔王アスタルテ。魔王軍という魔族の一大勢力を掌握し、魔族の国に広大な領土を有している強大すぎる魔族の実力者。
この土地は魔王軍の領土からかけ離れているというのに、当然のようにその影響力が及んでいる)
(女の子だもんねー。
商店通りでお買いものぐらいするよ~♪
だが、その買い物途中にとんでもないものに出くわしたよ。
なんとそれは、底知れぬ程の圧倒的魔力。
わぁ~、これはかなりの実力の持ち主だよ。
その人物は、ベンチに座っていた。
魔王の馬車はそのベンチの手前で停止する。
膨大な魔力の持ち主は、なんと可愛らしい女の子だよ!
背が高くて、すらっとしている女の子だよ!
それも、あまり見られないすっごくステキな服を着てるよー。
最も、アレが真の姿かと言われれば、どーにもそうでもないよね?)
(アスタルテは馬車から降りて、ヨゾラに近づいた)
「君、すっごく可愛らしいね♪
名前は、なんていうの?
あたしは、アスタルテだよー」
(子供のように無邪気に笑って、気さくにヨゾラに話しかける。
そして、魔王たるその名を堂々と口にした)
■ヨゾラ > (暇だった。暇だったが―――。面白い。
如何にも、と言った感じの黒い龍が引く車。
呻く群衆。大名行列か何かが始まろうか。
面白いじゃあないか。アルタイルだか何だか知らんが、そんな幼女がいたなと思いだす。
まぁ、魔王位ひとひねりなんだが。
こいつらが喚くと言う事は、成程、何か面白い物が、見れそうだ。
さては良い奴隷でも売りに来たか?
いやしかしもう奴隷には飽きた。じゃあ適当に見逃すか、用はない。
―――と、思ったのだが。
幼女が出てきた。…悪くない。可愛らしい。成程奴隷とは趣向が違った玩具に出来そうだ。
あろうことか話しかけてくれるのだから、これは嬉しい。
どうせ暇をしていたのだから。
適当に抹茶オレの紙カップを投げ捨てる。)
こんばんは。御嬢さん。
(微笑みはすれど、それだけだ。
身じろぎ一つしない。取り敢えず先に御挨拶をするのが、上流階級の通例らしい。)
…ん?ああ。私はあれよ。
貴方が魔王《ラスボス》なら私は最終鬼畜兵器《裏ボス》って所かしら。
私はね、夜霄《ヨゾラ》っていうの…知らないかしら?
…ええ、どうも。お褒めに与って至極光栄よ、魔王《アスタルテ》ちゃん。
貴方もとても可愛らしいくて、美しいと思うわよ。
(尚和服は誇りである。そこはふふんと鼻を鳴らして答える。
怖じる様子もなく、適当に笑って嘯く。彼女の想像通りというか、この姿が真であるかといえば、微妙である。
敬う様子が欠片もないのは、彼女が適当で気まぐれで、その上この状況を些かも恐れていないのだろう。
彼女は、数多の魔物を統括する名が知れた魔王だ。では私は?大して名の知れていない寂しい死神。
賢者だなんだと言われる奴や、異世界について知っている者なら私の名は知っているだろうが、
まぁ、多分知らないからこうなんだろう。知っていたとしても彼女はこうだっただろうが。)
…ふふ、ショッピング?
もう閉まっているわよ、お店は。
(深夜帯だ。この辺りに開いている店はもうほとんどない。
私のベンチの後ろ側のお店だってもう消灯している。)
■魔王アスタルテ > (すらっとした可愛らしい女の子。
だがその実、とんでもない魔力の持ち主。
きっと、この女の子の姿も偽りのもの。
まあ、普通の魔王なら軽くやっつけちゃえそうなぐらいは強そうな子だよね。
それぐらいはやってもらえる実力でないと、わざわざこの場で話しかけようとする気もなかったかもねー。
奴隷を売りにきたのではなく、単にショッピングに興じにきただけである。
けっこー、良い物買えたよ~)
「あはっ♪ あはは♪
そっかぁ、最終鬼畜兵器かぁ。
この世界には意味不明なぐらい強大な存在っているよねー。
つまり、君はその内の一人って事かな♪」
(その言葉の裏には『この魔王アスタルテ』もその内の一人』という意味も含まれていた。
これ程の実力があるなら、この魔王アスタルテ相手でも堂々としているって事だねー)
「ヨゾラちゃんっていうんだね。
かなりの実力がありながら、あまり名をあげようとはしてないんだねー。
何か事情でもあるの?
目立つのが嫌い?」
(無邪気な仕草できょとんと首を傾げる)
「でもねー。実は異世界とか、そういうのあるじゃない?
あまり知れ渡っていない事だと思うけどねー。君程の者ならそういう世界にも気づいてるよね?
あたしは実際に行った事もないから聞いた話でしかないんだけどねー。
ヨゾラちゃんって、その異世界の存在だったりするのかな?
そっちの方だと、聞いた事があるんだよねー」
(この世界の住民でありながら、異世界を知る術を心得る。
魔王アスタルテとはそんな、他の魔王とも一線を画する存在だった)
「わぁ~、ありがとー。
そう言ってもらえると、すっごく嬉しいよー。
えへへ~」
(褒められて喜ぶ、またもや子供のようなにっこりスマイル)
「そうだねー。
ショッピングは終えたところだよ。
いっぱいいっぱい、良い物買えちゃったね♪」
(まあ最も、魔王アスタルテの権力があれば、店ぐらい無理やり開かせる事ができるけどねー。
でもそれって、あまり褒められた事でもないよね)
■ヨゾラ > (所であの、アホみたいに数が多い貴族連中だ黒龍だ馬車だは、通行の妨げにはならんのだろうか。)
さてどうかしら。
私はただの一介の魔族だから、その辺りはよく分からないわ。
(自分で最終鬼畜兵器とか言っておいて自分でとぼける。
終始何を考えているかなど分からないし、実際は特に何も考えてない。
魔王を語るのだから、相応の実力はあろうし、まだ落ちぶれても居ないのだから、
今は最盛期かそこらだろうか。)
さぁて、どうかしら。
私には実力の「じ」の字もないもの。魔王《アスタルテ》様にはとても敵わないわ。
…ふふ、よく御存知ね。私も適当にやったら軍勢くらい作れるのだけれど。
何より目立つって"面倒くさい"のよ、そういうの。貴方もよくやるわね。
(そういう性格である。王たるにしては適当で、部下たるにしては不誠実。
個たる事、暴君たる事、それがこの魔族の在り方。
カリスマも度量も忠誠心もない、気紛れで自分本位な刹那主義的ヴァンダリストだ。)
あら、そう。よく御存知で。内と外の境界は我が手中に。
けれど他の世界での話はヒ、ミ、ツ。何処で知ったか知らないけれど、
人の過去なんて覗くものじゃないわ。そうでしょう?
悪趣味な魔王様だこと。
(人差し指を口元に、ウインク。
赤い血の池にどす黒い墨が滲んだ様な茶色でも赤でもない、文字通り赤黒い瞳。
覗き込めば深淵より深く、"ヨゾラにとっては"ちょっとした魅了の魔法がぶっ飛んだ。因みに無意識である。
今更術式だ詠唱だ等は述べるまでもない。体に電気が走る様な衝動を催す、かもしれない。)
まぁ…外の世界での話なんて戯言よ。そうね、お近づきの印に。如何かしら?
(空間が割れる。重力が歪む。そこから出てきたのは抹茶オレ。しめやかに金髪幼女の手へと落下するだろう。
例えそれが重力に逆らう向きであっても、だ。
これは魔王に自分の実力を示すパフォーマンス…ではなく単に立つのが面倒くさかったからである。
因みにこの飲み物は、ヨゾラが出身の異世界の飲み物をアレンジしたものである。
ついでに促尿効果も入れてあった。本人は忘れているし素でやってるからまぁこれも困りもの。
意外と天然さんなのかもしれない。)
…ううん。
(さて、餓鬼の様な笑いを浮かべる幼女だが、正直胡散臭い。)
あらそう。ふぅん…良かったわね。
最近私、良い買い物できていなくて困っているのよ。
ねぇ魔王《アスタルテ》ちゃん、王国の姫騎士、だったかしら。
あれについて教えてくださらない?
(そう、ただの幼女と話すのは正直つまらない。かの魔王が魔王であるからこそ面白いのであって。
魔王なりの意見や見解を、折角だし聞かせてもらおうと、ひょんな会話を振った。
どうやらその辺の息吹きかけたら死ぬような軟弱な魔王様とは違うのだと、段々分かった。
「面白い話、聞かせて頂戴な」と暗に含ませて笑う。嗜虐的な笑み。
赤い池にどす黒い幾多の線が、穏やかな三日月を描く。)