王国の北方に存在する「魔族」の国。
王国とは険しく長い山脈で隔たれており、それらの山を越えない限り魔族の国へ行くことはできない。
多くが謎に包まれており、詳細を記録した書物などはほとんど存在しない。
囚われた人間などが奴隷として扱われたり、繁殖のために使われたりしているようである。
魔物の中でも、知能が高く、貴族的な身分の者たちが多く住んでいるらしい。
魔族の国にはそれぞれの魔族が治める領地があり、城などが点在しているともいわれる。
※魔族の国になります。魔族として捕えた人間を城の中で弄んだり、はたまた、あるきっかけで迷い込んでしまった人間としてなど、ご自由にどうぞ。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:00:31:55 更新
ご案内:「魔族の国・鎧都市グレイゼル領境」からラストさんが去りました。
■ラスト > (ともあれ、気付いた以上、此の儘放っては置かぬ
隣領とは特段にいざこざを起こした訳では無いが、火種には十分な話では在ろう
知らぬ存ぜぬを通すならば、其の時は踏み倒すだけの事
己がこの土地の実権を握った時点で、遠くない未来の衝突は避けられぬと
危機感を抱く位の器は、誰もが持ち合わせて居る、筈だ。)
「―――……書簡を送って遣れ。
近日中に対応されたし、で構わん。 其れで腰を上げるか、其の位は見て遣る。
其の間に、都市に人口が流入しても構わん様、外郭の拡張を進めろ。」
(――こちらの要求や私的を無視するならば、其れを答えと受け取れば良い
単純に、悪戯に領地を広げよう物ならば、広がった土地や地域の管理に手が回らなくなろう
故に、彼方の動きを待つ間、此方は備えれば良い
土地を、支配し、統治する為の準備と言う物を。
号令に応じて傍に仕えていた側近たちが、自領へと戻って行く
己が細かな指示を出さずとも、方針を示せば事は進むだろう
己は、事を構える時にこそ、力を振るえば良い。)
「――――……彼の男の様には行かないと、思い知れ。
俺の領分を犯す者は、誰で在ろうと、容赦なぞせんぞ。」
(右掌を持ち上げる。 森と平野との境界、其処に向けて翳せば
次の刹那、迸るのは空気を裂く様な閃光と、夥しい落雷の矢
轟音が響き、舞い上がる土煙が一瞬周囲を覆い尽くす
再び、煙幕が落ち着いた後、其処には、森の拡大を防ぐ様に、裂け目めいて深く抉れた地面と
土地其の物に刻まれたかに残留する、強大な雷の魔力の残滓
警告、とするには十分で在ろう。
無論、彼方が気にも留めずに、誰かを此処へと派遣する事すら無ければ
気付かぬままに終わるだろう警告では在るが――其の場合は、知らぬ
愚鈍であった自らを、呪う日が来ると言うだけだ)。
■ラスト > (――この地は、前領主であった男から、己が奪い取った
其の際の統治は、お世辞にも真っ当な物とは言えなかったであろう
防備を固める為に、都市の軍事開発こそ先進的に進められて居た物の
逆に言えば其れ以外の、領民を統治し、市政を行う、と言う点には
全く以て力が注がれては居なかった
力による統治、恐怖政治、そう言った物には在りがちな環境
そんな中で、襤褸雑巾と成り果てた都市圏の、民草の生活水準を
最低限の水準に引き上げるまでには、随分と時間を要した
そして漸く――其れ以外の部分に、眼を向ける余裕が生まれたとも言える。)
「―――――……。」
(――城に保管されて居た、隣領との境界を制定した書類
果たして、何時取り決められた物かも判らぬ、簡素に過ぎる其れは
正確な境界線が引かれて居る訳では無く
凡そ、この土地は、この森は、彼方の、此方の、と言った大雑把な決め事しか書かれて居ない
――そんな物だ。 別に、魔族の国では、珍しい事でも何でもない。
だが、己は簒奪者だ。 一度手に入れた物は、須らく己が元に支配する
故に、視察の為にこうして、境界とされる場にまで足を運んだ訳だが。)
「………ふ…。」
(――隣領の支配域、とされる森。 書類に記載されて居た規模では
決して大きくは無かった筈の森だが――今は、明らかに此方の領土を侵食する規模だ
自然とそうなったのであれば、己も問題視はすれど、目くじらを立てる事は或るまい
だが、その森は明らかに、"人為的"に拡げられて来た形跡が在るのだ。)
「――――……森が領土なら、森を広げれば実質の領土も増えるだろう、か。
……くく…、……はは…! ……考えが小賢し過ぎて、笑いしか出んな。」
(――呆れは通り越して仕舞った。
領土の支配と言う物に意識を割かなかった前領主は恐らく
気付くも何も、そんな策略を気にすら留めなかったのだろう
結果、目の前に広がるのは大森林だ。 隣領の小賢しさもそうだが
前領主の愚かさにも笑いが込み上げると言う物か
あれはあれで、土地を統べるだけの、王を名乗るだけの強き男では在ったのだが)。
ご案内:「魔族の国・鎧都市グレイゼル領境」にラストさんが現れました。
ご案内:「魔族の国」からネヴェドさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」からロッソさんが去りました。
■ロッソ > 【移動します。】
■ネヴェド >
「ぐ…ッ!!」
轟音と共に互いの力と魔が衝突する
莫迦な、此れ程かと
渾身の蹴りを放った右脚に残るのは、尋常ではない痺れ
徒手空拳にて巨竜すら屠ってせしめるだろう、自身の一撃で、ただ不満気に言葉を吐露させるに留まるとは──
しかし、女に驚愕を覚えさせたのはそれだけではなかった
唐突に男が口にする名
それは魔王が戴く宝冠たる女の真名であり
名乗らなければその存在を求める者、古い魔族であれば知っているだろう程度のもの
その名を、男は口にしたのだ
「貴様、どこで私の名を───ぅぐッッ」
それにより生まれた一瞬の隙に、男の突進が突き刺さる
長身の女よりも、更に大きなシルエットを持つ男に地面に引き倒され、女の口からくぐもった声が漏れる
「──、触れるな…!!」
倒されながらもその手を男の顔前に伸ばし、その掌から濃縮された魔力を打ち放とうと──
■ロッソ > 拳の振り抜きから突進までの一連の挙動を、人間やら低級魔族なら知覚できたか怪しい。
それだけの敏捷性にさえ反応できているだけで、格別の上位存在だと裏打ちされているのに。
男には、相手への怯懦がない。強者への畏敬が無い。敵対者への容赦がない。
当然の如く、引き下がるつもりなんてない。
だから、加減を放擲して繰り出された蹴りを避ける事はせずに、真正面からの打ち合いへと。
衝突する地点を見定め、力負けしないように微修正する細やかさを発揮し、いざぶつかり合えば――
「――くっそ痛ぇなぁ…!」
物理的な力と魔力とが破滅的に収斂し、派手な衝撃波を発生させる。
周囲の木々は、街中の小さな区画一つ分は根こそぎ吹っ飛び、おまけのように負傷兵達は直視できぬ彼方に木の葉のように飛ばされて。
近傍で余波を浴びれば生命の終焉を迎えるであろう接触をして、不満を吠えるだけで済ませている異常。
お互いの威力に押し戻され、少し間が開き次の一手、体格差を活かしてもう一度…というところで。
(シッテイル、シッテイル、シッテイル。)
男の頭の中に響く、溶け合い、混じり合い、輪郭さえもあやふやになっている誰かの声。
(カンムリ、カンムリ、ウバワレタカンムリ、オレヲミステタカンムリ…!)
その思念が殊更に強く、元より歯を剥いていた凶相に加えて眉間に深い皺。
「あー…何だ、厄介なのに恨まれてるんだな、『ネヴェド』…!!」
そこには同情するが、加減するかは別の次元の話だ。
只の魔族なら知らぬであろう名。
当然、人間如きが知るのは、更に稀有なそれを吠えながら。
低く、更に低く、地を這うように。
両腕を前に広げ、地面へ引き倒さんとタックルを繰り出し。
■ネヴェド >
「なっ…!?」
削り砕く壁となって男を跳ね飛ばすか、圧殺するか
そのどちらかのつもりで放ったそれが、よもや拳の一撃で正面を突破される
──見誤ったつもりはない、油断したつもりも
その障壁はゆうに大砲の着弾にも揺るがぬ威力を持っていた筈だった
さしもの魔王妃もその眼を丸くして驚きの表情を見せる、が──それは一瞬のこと
城塞の扉を容易く破るだろう、そんな威力を思わせる勢いの突進が目に入れば一転
その翠玉の瞳は釣り上がり、女の四肢に先程とは比較にならぬ、増幅された魔力が迸る
魔王と同等かあるいは…、知る者ならそう感じるだろう強大な魔力を纏わせた───恐らく、女の渾身の蹴りが男を迎え撃つ
男が障壁を打ち破った初手の拳一つ…それだけで、女に全力を出すことを選択させるには十分で──
■ロッソ > 生体の反応として痙攣しているんだか、死んでも筋肉が科学的に蠢動しているだけなのか。
具に見たのなら、適切な判断もできるだろうが。
魔族が目に入った途端、友軍の状況を確認するという行為は、優先順位を著しく下げてしまう。
勿論、無事に連れ帰るという本来の目的も同様に。
専守防衛タイプやら、初手では諍いを避ける慎重なタイプなら面倒だと思わないでもなかったが、早々に喰い付いてきて話がスムーズだと。
「ご高説痛み入るが、地図も魔族もよぉく知ってる。
その上で言うなら、狩られるのはお前さんに決まってるだろうっ…!」
横に薙いだ腕に連動して生じた無形の障壁。
武装した大の大人が触れた途端に吹っ飛ぶ程の威力を持っているのは見て取れるが、軽々と散らされるものだから上限値まで察するのは困難だ。
下手にぶつかれば挽肉になってしまうかもしれぬ攻撃に対し、左足を地面から浮かせて腰を捻って溜めを作り、
足を元の位置に戻す勢いをつけて、遠投のようなモーションで右の拳を振り抜く。
武装はないし、マジックアイテムを装着している様子もない。
だが、力任せの打ち込みで女の魔力をぶち破る。
「――只の人間かは、俺自身も近頃少し心許ないがな!」
既に人間離れした所業をやらかした男は、すかさず加速のために右足を踏み込み。
大柄な体躯を沈み込ませ、蹴り出しと共に右肩を前にした突進。
速度と重量だけで一応の脅威になり得るだろうが、更に魔力操作による硬化を施してた破城槌のような一撃で。
■ネヴェド >
「──何だ、貴様?」
眼の前に突然落下してきた…ようにも見えたモノは、一人の男
人外じみた赤い髪に赤い瞳、長身の女がゆうに見上げる程度には剛体
その登場といい、只者でないオーラを纏っている、そんな男を女は怪訝な表情で見据える
踏み潰した男の股間から漸く足を退ければ、男は泡を吹きながら失神しているようだった
他の者達も息はあるようで…残念ながら持って帰る手間は残っているようだった
殺さなかった理由は…彼らが帰還すれば、我が主が悦びを得られる程の強者を呼び込むことが出来るかといった程度のものだったが‥
思いの外、早く釣れたようだ
「狩る、とは大きく出たな…ただの人間が私に───…人間か?」
改めて視線を向ければ感じる異様さに眉を顰める
その詳細までは理解らぬまでも、ただの強者の人間とは明らかに纏う雰囲気が違う
我が主なら喜び勇んで切り込むところだろう───ならば、それに倣うとする
「此処は魔族の地、境界近くのタナールとは違う…。どちらが狩られる側かしら」
ゆっくりと眼前に掲げた掌
それを払うように、横薙ぎに振り抜く───
その身振りに追随するように女の足元から魔力の波動が壁となって、畦道の砂地を巻き上げながら、轟音を上げて男───ロッソへと迫る
……足元に倒れた男たちも巻き込まれて跳ね飛ばされそうではあるが、それで最早どうなろうと女の知ったことではなく
■ロッソ > その断末魔は、相応に遠方まで届き――ある存在を引き寄せに足るものだった。
内包する生命力を最小限に抑え、只、移動のために脚力へと変換する。
地を蹴る暴力的な膂力は、道に沿った木々を大きく大きく飛び越えさせ。
跳躍は長く、遠く。
且つ、尋常ならざる速度で。
丘一つ向こうから落下するものは、人間の形をしていた。
「はっ…!これだから功名心だけが取り柄の迂闊者は。
連れ戻す側の立場になってもらいたいもんだ。
あー…だが、こりゃちょいと手遅れか。持って帰る手間は省けたが。」
しっかりとした筋骨と、赤い髪に赤い瞳が、月明かりの中でも目立ってしょうがない。
身なりは、砦に赴けば幾らでも転がっているであろう傭兵達のものと同様だ。
惨劇を前に、それ以上に一目で上位に位置すると分かる魔族を前にして。
参ったね、と、頭を掻いていることこそが異常ではあって。
「そんで、お前さんが下手人?
領土に踏み入ったのはこっちだから、掃除のお勤めご苦労さん。
役目を全うし終わったんだから――心置きなく狩られろや。」
どちらが悪役か分からぬ台詞を吐き、闘気を巡らせる。
事情も素性も知ったことじゃない。
単に相容れぬ存在だというシンプルな敵味方判定によって、好戦的に口角を吊り上げる。
せめて先手は譲ってやるとでもいうように、半身に構えると指先をちょいちょいっと揺らし。
ご案内:「魔族の国」にロッソさんが現れました。
■ネヴェド >
この道をそのまま進軍すれば、我が主の座する城塞都市
タナール近くに築かれたその都市には、タナールから進軍する兵士が真先に攻め入る場所と高確率で成り得る
さて、この者達がその心積りだったかどうかは知ってことではないが
戦士達のうち一人が半身を起こし、何やら喚き立てる
……誇りを傷つけられたか、或いは恐怖で気が触れたか
口汚く眼の前の女を罵る吠声は、最早聞くにすら値せず───
歩み寄るままに足を進め、そのまま……
喚き散らす男の股間を、容赦なく踏み砕いた
「‥…きたならしい声ね」
耳を塞ぎたくなるような音と共に己の急所を踏み砕かれ、
絶叫じみた悲鳴を上げる人間の男を凍えるような眼で見下し、物憂げな溜息を吐く
──こんな連中が城塞都市に攻め入ってきたとて、主は微塵も喜ぶまい、と