2019/04/07 のログ
ご案内:「八卦山―禁域前」にイーシンさんが現れました。
イーシン > キング・オブ・反省ポーズである正座をして大岩の前で頭を垂れている。
自分の脳裏に響く男だか女だかよく分からない声を聞きながら舌打ちをした。

「ちっ、せーな、反省してまーす」

態度は最悪の一言に尽きる。こうして師に呼び出され叱責を受けるのは一度や二度ではない。
最初は粛々とした態度で挑んでいたが、平行線の域を出ない問答に嫌気が差していた。

「でもよー。お師様。毒気を抜いて禁域に戻れったって。
都には綺麗なネーチャンが一杯でんな暇ねーって。
他のもん抜く暇ならあっけどよー……うおっと」

近くに雷が落とされて若干ビビる。弟子イビリか。イビリなのか師よ。

イーシン > 「禁域には仙女や女道士がわんさかいるっていうから弟子入りしたんだぜ?
それなのに手出ししちゃならんとか生殺しじゃねー?」

雷の一つや二つで軽口は止まらない。ついには正座を解いてだらけた姿勢になり、
手元に転がっていた小石をお手玉のように弄びながらつまらなさそうに周囲の山々を見回す。

「どっかに迷い込んだ女とかいねーかな」

どかん。どんどん。ばりばり。雷が雨のように降った。ついでに雹も降った。

イーシン > 「なあ一発当たったんだけど!?
オレまだ半仙だから下手したら死ぬんだけど!?」

チリチリになった髪から煙を立ち昇らせて唾を飛ばす。
これはいよいよ本気で連れ戻す気だ。首根っこを掴まれない内に退散しよう。

「オレだって怠けてばかりじゃねーって。
俗世には強ぇ奴も一杯いるしよ――ってなわけで再見!」

だらけた姿のまま合掌し、空気の爆ぜる音を立てて姿を消す。
立ち込めた雷雲が不機嫌そうに唸っていた。

ご案内:「八卦山―禁域前」からイーシンさんが去りました。