2016/06/22 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」にディン・タウロスさんが現れました。
■ディン・タウロス > シェンヤンまでの商隊の護衛の任務を終え、現地で依頼人と他の護衛の面子とも別れて。
折角だから、物見遊山でもしながらのんびり帰ろうと歩いていればいつの間にか迷い込んだ山の中。
おかしいな、と言うように時折首を傾げながら歩き、ふと立ち止まっては周りを見回す。
「おかしいな、ここ。変な気配がやたらとする割には姿が見えないし…それなのに誰かに見られてるみたいな気配がする。
魔物とかがいてもおかしくはないんだろうけど、それならもう俺が襲われてるはずなんだけどな」
偶に強い魔力というか妙な力の気配を感じて、立ち止まればその気配も薄れて遠ざかるように消えていて。
まるで新参者の様子を見ようとしているかのような、観察されているかのような感覚を覚えれば少し考えるように脚を完全に止める。
「用心はしておいた方がいいだろうな…土の中に何かいたら、その時はその時か。
まぁ、ここで死んでもあっちにいる奴に意識が移るだけだしな」
呟けば足の裏に意識を集中し、そこから触手を靴を貫通させて地面へと潜り込ませていって。
十分な数の触手を潜り込ませ終えれば再び歩き始める。
■ディン・タウロス > それから暫く、雄大な自然の残る山の中を歩き、ある意味変化に富んでいて、
ある意味変化のない道を行きつづけて。
段々と、まるで同じ場所をぐるぐるとめぐっているような感覚に陥り、また脚を止める。
「おかしいな、さっきから見える風景が山と木しかない。
いや、山の中なんだからそれはそれで当然なんだがここ、さっきも通らなかったか?」
気配はあってもそれらが近づいて来なければ自然と独り言が増えてしまう。
それでも先ほどから感じる違和感にこれ以上歩くのは体力の消耗から考えても良くないと立ち止まることにして。
「そもそもおかしいんだよな、自然がこれだけ豊かなのに動物の声と気配がしないのって。
しかも、俺がいる周辺だけで他では声がしてるみたいだからな…つまり、何か仕掛けられてるってことか」
地面に潜り込ませた触手達は四方八方へと広がり、周りの様子を見ていて。
そこには野生動物の声や姿が聞こえて見えるものの、自分の周りにはそれがない。
どうやら違和感の商隊の一つはそれらしいと気づき、それなら何者かがそれを仕掛けているのだろうと、用心深く周りの気はを探り、目を閉じて触手達と感覚を共有し同調していく。
■ディン・タウロス > 「何か得体の知れない奴が何匹がいるな…これが街で聞いてた奴らってことか?
仕掛ける、にしてもあっちの魔物と特性が違うらしいからな、不用意にこちらから仕掛けるのも危ない、か」
目を閉じたまま、同調した触手達で見えた不可解な存在に小さな声で呟いて。
こちらから仕掛けて刺激をし、戦闘になれば他の存在まで加勢をしてきかねない。
まだ実害と言えるほどの実害がないのだし、あちらも取りあえずこちらを観察してるだけだと判断すればその場に座って。
「うろうろして体力を消費してもいけないしな。まぁ、食事はいざとなったらどうにでもなるしな。
幸い、動物も豊富にいるみたいだし」
自分が直接食べなくても触手達が食べればそれはそのまま、自分が食べたのと同じことで。
もちろん、自分で調理なり手を加えて食べた方が生で頂くよりは美味しいのだが。
幸い、能力のおかげで何を食べてもあたるとか毒を受けるということが無くなっているので、サバイバルには強いのだから。
■ディン・タウロス > 「まさかとは思うけど、俺が見たまんまの人間じゃないのが分
かってて、新しい仲間みたいに思ってるんじゃないだろうな…」
見たままなら普通の人間の自分だが、その正体は触手と一体化した存在。
無数の触手と共に生き、行動している存在でただの人間ではないともし気づいているとしたら。
仲間、と認識して不用意に襲わないのではないだろうかと考えて。
「しかし、話に聞いてた通りだと仲間意識なんてない奴ばっかりみたいだけどな。
しかも、俺があっちから来てるってのは服を見れば分かるだろうし」
シェンヤン生まれの人間でも魔物、妖怪、ではないということは察知しているだろう。
それなら、外敵と認識して襲ってきてもいいはずだがそれもなく。
それどころか妖しい気配はどんどん遠ざかっていき完全に感じなくなり、触手達の目からもそれらしい姿は消えてしまう。
■ディン・タウロス > 取りあえず気配が遠ざかり、消えたことはありがたいと目を開けて立ち上がって。
ぱたぱたと尻に着いた土を払い、伸びを一つしてからのんびりと歩き始める。
「ま、歩いてれば取りあえず何処かには出るだろ、物見遊山で山で遊ぶのも悪くないしな。
それに…まだ食ってないしな…ふふ、どんな味がするんだろうな、妖怪、っていうのは」
食べても良さそうな妖怪が襲ってくるなら、それを食べてみたいもんだと何処か楽しそうに笑って。
まだまだ出口に出ることの出来ない迷いの空間を歩き続けていくことに………。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からディン・タウロスさんが去りました。