2016/06/20 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」にタマモさんが現れました。
■タマモ > はふー…どこか少し疲れた様子で、深々と溜息をつく少女。
そういえば名前を知らないが、どこかの山という事だけは分かる…うん、当たり前だが。
本来の目的は帝国とか呼ばれるシェンヤンという場所だった。
名前くらいは聞いてたしと、軽い気持ちで行ってみようと考えたのがそもそもの間違いだったかもしれない。
王都と同じ感覚で、正体も隠さず突っ込んだ。
それが駄目だったらしい。
人間やらミレー族やら…なんか違う呼ばれ方をされてた気がするが、まぁ、ともあれ、思いっ切り追われてしまった。
変化をしようにも、なんか妖力が上手く働かずに手間取り間に合わないし、もう踏んだり蹴ったりである。
唯一の救いは、超能力には影響が無かった事だろうか…それがなかったら、本当に危なかった。
…なんか、思い出したら腹が立ってきた。
だむだむと地団太を踏んでみる、虚しかった。
■タマモ > 「むむむ…どうやら、妖怪の話は聞いたが、よろしくない扱いのようじゃのぅ…?」
腕を組み、遠目に見える帝国を眺める。
…とりあえず、追ってはもう居ないだろうか?一安心だ。
考えてみれば、妖怪は居る、と聞いていただけだ。
まさか王国でいう魔族のような扱いとは…まったく、困ったものである。
しかも、見事に妖怪対策なんてものが施されてるらしく、まともに妖力は働きそうもない。
多分、入る時に正体を隠しても…無理そうだ。
眺めるだけに留めて、入るのは諦めよう。
「………いずれ目にものを見せてやるのじゃ」
ぐ、と握り拳を振り上げ、誓うのであった。
…いや、まぁ、それも無理そうだが。
■タマモ > 試しに手元に狐火を出そうとした…ぽんっ、と普通に出る。
「…ふむ、ここでは出るか。
やはり、あの中じゃろうな…原因は」
忌々しげに、帝国を見遣る。
きっと、王国内の魔族もこんな感じなんだろうか?とつくづく思った。
別に一切使えなくなる訳ではないが、感覚が狂うのは少々困るのだ。
かといって、すべてを超能力で補うのは燃費的によろしくない。
くそう、何か手はないんだろうか?とかどうとか、考える。
………くてり、手頃な岩の上に転がった。
もう考えるのも面倒になってきたらしい。
あの連中、帝国から出てきたら思い知らせてやる…ただそれだけは、変わらない思いだった。
■タマモ > …で、だ。結局のところ、ここはどこなのだろう?
岩の上で寝転がったまま、ふと思った。
感覚的にだが、他の妖力も感じている。
小さなものから大きなものまで、様々だ。
…まぁ、帝国の近くであんな感じだったのだ、余り近付く気にもならないだろうか。
かといって、他の妖怪に会おうとも、そう思っていない。
興味はあるが、面倒事はご免である。
よいせ、と身を起こす。
せっかくこんな場所まで来たんだ、何もせずに帰るのも何か物悲しい。
適当に何か探してみるか…そう思い、目的もなく歩き始めた。
■タマモ > うん、妖力を感じるところに近付かずに歩こうとすると、かなり移動に制限がかかるみたいだ。
満足のいく探索も出来ぬまま、元の帝国が見下ろせる岩場へと戻ってきた。
「むぅ…中に入れぬのが痛手じゃったか…」
見える帝国の光景、よりはっきりと見遣れば、色々とありそうな感じだ。
それだけに、残念でならない。
あの場所まで転移で行くのは、今ならば可能だ、見えるのだから。
ただ、中に入ってからが…間違いなくどうしようもないだろう。
変化をしていたとしても、見て回る暇も無いと思う。
…いや、変化をしても妖力を隠すのが苦手だ、あっさりとばれる。
幼少から人間と共に暮らしていただけに、まったく不要だったのがこうも足を引くとは…
いや、まぁ、環境の文句を言っても始まらない。
恨むなら、あんな力を張った帝国の誰かだ。
■タマモ > それにしても…
ふと少女は思う、この山に着いてから、違和感を感じていた。
その違和感は、時間が経てば経つ程に、強まってきている。
何なのかが分からない、違和感を感じるから、何か変わっているかといえば…そうでもない。
一体何なのだろう?と首を傾げるも、それで分かる訳もない。
少女は幼少より、どちらかといえば人間の方が多い場所で暮らしていた。
永い永い刻を生きて、それでもなお、妖怪よりも人間と深く関わっていた。
この地に召喚されても、それは変わっていない。
だが、この場所だけは違う。
ここはその逆であり、人間は居らず、妖怪が多く存在する。
さて、そんな場所に長く留まればどうなるか…
少女はそれに気付かぬまま、ゆっくりと意識を沈めていく。
まるで深い海の底へと沈んでいくかのような、そんな感覚。
…そして、ぷつりと意識が途切れた。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からタマモさんが去りました。