2019/01/07 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」に紅月さんが現れました。
■紅月 > 絢爛豪華な繁栄の都…シェンヤン。
提灯や燈籠の明かりの中、月の無い空を見上げる紅が風に揺れた。
「さて、宿も確保したし…何処に行こうか」
乱れた襟足を右手で耳に掛けながら呟く。
王都から帝都への道中警護…それが今回引き受けた仕事の内容だった。
新年早々に受けるにしては遠出だが、極東出身者の習慣として初詣をしたかった己としては寺院があるシェンヤンに仕事で行けるのはむしろありがたく…嬉々として頷いたくらいだ。
惜しむらくは到着が黄昏時だった事か。
依頼人を送り届けた時には疾うに寺院の門扉は閉じており、出来ることと言えば観光くらいのもの。
とりあえず寝床を確保し、今まさに宿を出た…そんなところだ。
■紅月 > 宿の番頭に聞いた話じゃあ、どうやら此所は王都で言うところの平民地区…すぐ近くには屋台通りがあり、その奥には大きな商店街もあるそうな。
まさに観光の拠点とするには打ってつけのエリア、と言えよう。
依頼人だった商家の嫡男に言われるがまま宿を取っただけなのだが…初めて訪れた地でこの快適さは、どうやら大当たりだなぁなんて思い至れば。
「…こりゃ、足向けて眠れないな」
ポリポリと頬を掻いて、ゆっくりと歩き始める。
から、ころ…下駄独特の足音が雑踏に掻き消され、小さく響く。
「せっかく来たんだもん、此方の衣装は買っときたいよなぁ…後は団長と皆にお土産もか。
あっ、蒸し鶏美味しそう…」
とりとめもなく、視界に入るものにコロコロと思考が移り変わってゆく。
辺りにはだんだんと屋台が増え…胡麻油や唐辛子のピリリとした香りや酒精の香りが漂う、それはまるで通りそのものが一つの飲み屋のようだった。
■紅月 > 食欲をそそる香りに釣られ、あっちへフラフラこっちへフラフラ…こういった場所へ来るとついつい色々買い込んでしまうのは悪い癖で。
気付けば両手に熱々の料理がてんこ盛り。
…ホクホクとした表情に方々から微笑ましげな視線が向けられているが、それに気付くでもなく。
「えぇと…何処か空いてるトコ……」
実に、幸せそうな笑顔のままに。
机と椅子が並べられたフードコートのような所へと辿り着けば、キョロキョロと見回して。
春巻、焼売、水餃子、卵とキクラゲの炒め物に麻婆豆腐…有言実行とばかりに蒸し鶏も。
余りは持ち帰るつもりなのか、ズラリと…帝都名産の紹興酒をあおりながら、地元の人と飲み明かすのだった。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」から紅月さんが去りました。