2016/04/14 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」に暁燕さんが現れました。
暁燕 > 久しく帰ってきた帝都シェンヤン

王国からの土産などを持ち寄りつつ馴染みの店にやってきたものの
既に夜もふけて客もまばら、マスターは渋い顔である

せっかくおみやげ買ってきたのにーとクスクス笑う狐
この店の客を麻薬で廃人にされ続けた店主としては気が気ではないのだろうが

あくまで噂であり確証はなく、それを知る狐も笑ってグラスを傾けるのみであった

暁燕 > 「そう睨まないでヨ」
そんなマスターをよそに悪戯な笑みを浮かべる
いわゆる悪名が根付いている帝国ではあるが、長らく過ごしていただけに居心地は良い
お酒の味も懐かしい、狐としてはしっかりとくつろいでいる

「看板出しちゃてもいいヨ。
 あと適当な娼婦がいたらまわしてヨ、可愛い子」

狐の傍若無人な態度にマスターはただただ渋い顔をする
そんなことをすれば薬漬けにさえて帰ってくることは明白である

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」にルーザリアさんが現れました。
ルーザリア > と、マスターは良い事を思いついたという風にポンと手をうち、
カウンターで手持無沙汰にしていた娼婦に、ある客を連れてこいと命じた。

……曰く、その客はマグメール王国から流れてきた流浪の女戦士。

この所、シェンヤン・マグメール国境近辺での『仕事』を受けた後帝都まで流れてきたらしいのだが……。
その女戦士は男も女も区別せずに抱く『好き者』であるらしく、それだけならいいものの、乱暴にコトに及ぶため
娼婦を何人かキズモノにされてしまったらしい。

――奴さんにはほとほと困っていた所だ。好きにしていい。

そう、耳打ちをされた時だった。

「ん……何、マスター。たしかにいい娘が入ったら呼んでと入ったけど。
 もう私、寝ようかなって思ってたんだけどねぇ……。」

店の奥……『ベッドルーム』から出てきたのは癖のある赤毛の女だった。

暁燕 > グラスを傾け、現れた赤毛の女のほうを眺める

……見ない顔、と、雰囲気
この国の人間ではなさそうだと直感的に狐は感じ取る

「ドナタ?へぇ、流浪の戦士…確かに腕に覚えがありそうネ」

マスターから説明を受けると、なるほど頷く
基本的に面食いであり可愛らしい男女を壊すのが好きな狐としては直接アンテナが反応することこそなかったが…

「(今まで遊んだことがないタイプ、ではあるのよネ…?)」

じ…と視線を釘付けにする
マスターの知るこの狐はおよそ悪の形容すべてに当てはまる文字通りのクズ女である
それをわざわざ紹介する、ということは…何かを期待してのことなのだろう

妖仙といえど徳を積んでもいない狐には、人の心までは読めないのであるが

ルーザリア > 「ん……。」

と、ルーザリアの目が暁燕に止まる。
ドレスの裾から除く、すらりとした足から腰、そして胸。
最後に顔へと、まるで男が娼婦に向けるような卑下た、値踏みするような視線が注がれて。

「へー、いいじゃないか。こういう娘。好みだよ。
 寝ようかと思ってたが、撤回だ。」

腰に手を当て、にぃ、と嗜虐的な笑みを浮かべ。

「あんた、一晩いくらだい? 抱いてやるよ。」

話を分かりやすくするために娼婦だ、とでも暁燕の事を説明したのだろうか。
いくらか、シェンヤンの貨幣を腰のベルトに下げた革袋から取り出しながら、
ルーザリアは言葉を投げかけた。

暁燕 > いくらだ、と言われれば目を細める
こんな店で飲んでいれば娼婦に間違われることもあるかもしれないが

「悪いけど売り物じゃないシ、
 根無し草の稼ぎで買えるほど安売りもしないヨ。
 この店の安物娼婦がお似合いネ」

特に同性ということを気にした様子もない、そういう性癖を持つ者も珍しくはなかった
なんなの?とマスターに目を向けると、当のマスターは目を背けるようにして片付けのためか店の奥へと引っ込んでしまう

「……看板かしラ、つまんないわネ」
ぷらぷらと空のグラスを手元で揺らす

まばらにいた客も帰り始め、幾人かは娼婦をつれて店から出て行く

ルーザリア > 「寝無し草とは失敬だね。魔族殺しのルーザリアの名前は、多少は通ってるつもりだったが……。
 ……少なくとも、その辺の男には負けはしないつもりさ。金払いでもね。」

――革袋をカウンターの上で反対にすると、じゃらじゃらと貨幣が滑り落ちカウンターの上にたまる。

幾度か運よく小さな依頼を成功させたというだけでは説明ができない額のカネではあるが……。
魔族殺しの戦士様だろうが、やっている事はその辺の好色な小金持ちと変わらないのは否定できない。

「安物娼婦でもまぁ、たのしめはするけれど。
 生憎、アンタのいうとおり看板みたいだし……ね。」

暁燕 > 魔族殺し、そう聞けば興味が湧いたようで、耳がぴくんと跳ねる

「…ふゥン。そういうコトならむしろお金を払ってボディガードにしたいくらいヨ。
 なぜかワタシ、この国だと"謂れ無き悪名"が知れ渡っているみたいダシ」

わざと裏にいるであろうマスターに聞こえるような声でぬけぬけとした言葉を発する

「でもご生憎、ワタシも娼婦を買って遊ぶ立場なのよネ。
 おカネで買うつもりならもっともっと大金持ちじゃないと買えないヨ」

細めた目で挑発的に笑う

ルーザリア > 「ん、依頼の話かい? ちょうど前の仕事が終わってヒマしてたんでね。
 あんたさえよければ、それも悪くないかなァ~。」

娼婦を買って遊ぶ立場、と聞いて少しバツが悪そうな顔をして。
自分よりもはるかに経済力がある、依頼主となりえる女性に娼婦扱いをしてしまって
悪かったとでも思っているのだろうか。

「んじゃ、こういうのはどうだい。私は今宵の『相手』がほしい。
 あんたは『ボディーガード』がほしい……。互いに足りない物を欲しがってる。
 だからあんたは『体』でその報酬を払う。私も『体を張って』あんたを守る。」

女はマスターが裏へと行った隙を見計らい、カウンターから手を伸ばして酒瓶を一本手に取ると
それを豪快にあおりながら、暁燕に提案を持ちかけた。

「こう見えても、女だてらに頑張ってきたつもりさね。
 何ならその辺のチンピラでも何人かのして、腕前を見せてやろうか?」

暁燕 > なるほど、豪胆そうに見えてその実気遣いの出来る…それなりに良識がある人物らしかった
ならば、いくらでも利用はできるのではないか
狐の中の毒蛇が首を擡げ始める

「ワタシのカラダと等価交換だなんテ、随分と自信家なのネ。
 でもそうネ、腕前は見ればある程度はわかるつもりヨ。
 むしろ…どこまでやってくれるか、のほうが重要かしらネ…」

察するに、この女はマスターから自分がどのような人物かは聞いていないようだ
だとするならば…

「チンピラなんかよりも、裏にいったマスターをくびり殺してきてヨ」

毒蛾に近づきすぎたものは死ぬ
しかし自ら手を下すには色々と目立ちすぎる、狐としては実に調度良かったといえる
目の前の女がそれを良しとするかどうかは、わからないが

ルーザリア > 「……ハン。」

目の前の女はにやりと笑って鼻を鳴らし、
酒をすべて飲み干すと、ゆっくりと席を立ちマスターの後を追うように、
店の裏手へと消えて……。

数分と経たぬうちに、まるで散歩にでも行ってきた風に戻ってくることだろう。

「……あのマスター、私にもここから出ていってほしそうだったしねぇ……。
 この街の掃除もかねて、ちょっと『懲らしめて』やってきたよ。」

毒蛾に近づきすぎた、哀れな男は死んだ。
そしていま新たに、毒蛾に近寄ろうとする愚かな女がそこにいた。

「これで、交渉は成立かな?」

暁燕 > 実にあっさりと仕事してのけた女戦士をぱちぱちと軽い拍手で迎える

「フフ、気にいったヨ。
 …それじゃあ望み通りに、一晩のお相手をしようかしらネ…?」

狐からふわりと、鼻口をくすぐる甘い香りが漂う
その香りは情欲に火をつけ、熱を与える媚香……

「此処じゃなんだシ、ベッドルームに行きましょうカ」

そう言って誘うように尻尾を振りながら、先に立って歩き出す
…途中、マスターの死体を確認し満足気な笑みを浮かべて…

木製のドアをくぐるとそこは小さなゲストルーム
ちゃんと灯りもあり、整えられたベッドもある
用をこなすには十分だろう

ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」からルーザリアさんが去りました。
ご案内:「北方帝国シェンヤン「帝都シェンヤン」」から暁燕さんが去りました。