2023/05/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にネヴェドさんが現れました。
■ネヴェド >
「成程、盛況だな…」
虚空に佇む、女の見下ろす先にはタナール砦の戦火が広がっている
日も既に落ち、篝火と月の僅かな光に照らされる戦場は、徐々に魔族側に有利が傾きつつあった
「幾許か以前に、我が主が攻めたと聞いて訪れてみたが…ふむ、大勢は決した、か…?」
砦を攻めているのはネヴェド──ひいては主である魔王、ラストの率いる軍勢ではない
故に加担はせず、上空から眺めるだけに留めていた
「何処ぞの群かは知らないが、随分とやる。人間側の軍も此処を守るのであれば並ではないだろうに」
そんなことを呟きながら、ばさりと翼をはためかせ、女は人間側が敗走しはじめた砦へと降り立っていった
■ネヴェド >
魔物も多いが、散見される魔族達は十分な装備をしており、戦力の高さが伺える
夜間の奇襲ということも手伝ってだろうが、人間にとっては苦境からの敗戦だったに違いない
逃げ遅れた人間──男は殺され装備を奪われる。女は──言わずもがな
ある者はその場で魔族に荒々しく犯され、またある者は地下牢へと連れて行かれる
戦場その場で事に及ぶ者を一瞥、女はやや深い溜息は吐く
「有象無象入り混じるとはいえ…品性は下衆な人間共さして変わらないな」
しかしそれも戦場での光景の一つ
荒々しくも強き魔王ラスト、その魔王に戴かれることを良しとした以上は、自らもまた戦場に並び立つ必要がある
戦場に品性を求めることが是かといえば、必ずしもそうではないだろう
人であれ、魔であれ
敗北を喫すればその身に尊厳など残りはしないのだと
■ネヴェド >
──否。
そのようなことを気に留めることがそもそも不要だ
魔王の側に並び立つ者として、その色にただ染まれば良い
あの方はそのような瑣末事を意に介さぬだろう
頂点捕食者たる在りようは、ただ強きこと…力在る者の矜持
それに倣うのであれば、自身もまたその力をただ存分に奮えば事足りる
「──ああ、では彼奴らはきっと。運が良かった」
敗走せずもっと抵抗を激しくしていれば、あるいは…女がさらなる戦火を焚くことになっていたかもしれない
未だ戦火燻る砦に背を向け、ばさりと翼を羽撃かせる
次に訪れた時は、主に倣いその力を振るおう。存分に、容赦なく
ご案内:「タナール砦」からネヴェドさんが去りました。