2023/02/10 のログ
ご案内:「タナール砦」にクレイさんが現れました。
■クレイ >
人間が抑える砦に魔族の部隊が強襲。本来なら壊滅必須の状態だった。
だが、運が良かったのは……ここを攻撃したのが近接メインの魔族だった事だった。
その戦場で暴れまわる姿がある。
腰にある魔剣は抜かない。敵の、仲間の死体からロングソードを奪い取ってそれを振り回して文字通り戦場を飛び回る。
腕を振るう度に敵の首が飛ぶ。異名の通り銀色の翼が振るわれる。
魔法が少ない戦場でこいつを止められる奴などそうは多くない。近接戦闘ならば魔王だろうと切り落とすほどの男なのだから。
始めこそ数の差で有利だった魔族部隊はいつしか半壊。魔族の群れを前に男は立ち止まる。
「どうするよ降参するなら命は助けてやるぜ。こっちも掃討戦仕掛けるほどの余裕はねぇしなぁ」
なんて笑うが、嘘だと思わされる。まだ男は息すら切らしていない。
単純に報酬以上の仕事はしたくないからさっさと諦めて逃走しろというだけだ。
「勿論投降も受け付けるぜ? お前らだって逃げればたぶん殺されるんだろ? そりゃ無理だ……選択肢は3つだぜ」
さて、どのような対応が帰ってくるだろうか。こういう場合色々な反応がある。
自棄になって反撃してくるパターン、逃げるパターン。勇気ある誰かが出てくるパターン。そして仲間に売り渡される形で引きずりだされるパターン。まぁ王道はこの辺だろうか。
他にもいくつかパターンはあるが。はてさて。
■クレイ >
「……会議まだおわらねぇ?」
魔族内でもどうするといった会話が聞こえている。
だが、まだ決定的に答えには至っていない。はぁと溜息を吐き出す。
「じゃ、答えが出るまで……10秒につき1人殺す。降参するなら早くしろ」
向こうの内部分裂を促す選択。恐怖に負けた者に上の者を引きずり出させる行動。
宣言の通り敵陣に飛び込めば敵を斬り殺していく。宣言の通り10秒につき1人。
向かってくる相手、立ち尽くす相手を。
「選ばねぇと折角拾える命どんどん消えてくぜお前ら!!」
■クレイ >
しばらくそんな事をしていれば、敵軍が逃走を開始する。
それを見れば彼は攻撃の手を止める。
「……降参しろっていったのに」
自分はわざわざ追撃なんてしない。
けれど……他の兵士は違う。逃げる敵を見れば追撃する事だろう。
彼は正直、魔族とか人族とかどうでもいい。敵になるなら殺すし味方なら協力する。極論、魔族から依頼が来たら内容次第で普通に受けるのが彼なのだ。
だからこそ彼は投降しろ、降参しろという言葉を使った。そうすれば全員とはいかずとも生きていられる奴も出てくるのだから。
「気分わっりぃ」
追撃戦、掃討戦。それらは見ていて気分の良い物ではない。
男は後ろを向く。
「後は勝手にやってくれ」
そういえば勝利の追撃戦を行う仲間と逆に砦の中へ。
別に勲章とか名誉なんて興味はない。自分の依頼はあくまでこの砦を守れ。それだけなのだから。
ご案内:「タナール砦」からクレイさんが去りました。