2022/12/27 のログ
アクラ > 「がっ、べっ、、、んん゛、人間は脆いんだから暴れるな!」

よく見えない目と顔の肉が盛り上がり元の表情に
視界が無く掴んだのに簡単に逃げられてしまい名残惜しいと爪についた血を舐める
掴んだ手を思い切り握りつぶせばもう少しダメージは与えただろうがそうするとその場で死んでしまう可能性が有る
あくまで目的は生け捕りなのだ

「むぅ、どうするか、、、ぬんっ!」

振るわれる魔剣に太さを増した腕を向け、掌で受け止める
再現できる最硬の腕をもってしても肩の寸前まで切り抜き、振り抜かれる
致命傷を回避する事は出来たが腕を斬り飛ばされる寸前の痛みに顔を歪める

「いぎぃっっっ、、、、ぐるあぁっ!!」

無事な腕をハンマーの様に薙ぎ払う
精細さはないが暴力的な攻撃は速さと威力だけは有る

「殺すっ、、ご褒美っ、、、!!んがあぁぁっ!」

今すぐ目の前の男を殺してしまえという本能と生け捕りにしろと理性の間で揺れる

クレイ >  
「そういえばお前は生け捕り目的だったなそういや」

 これは……ラッキーかもしれない。
 相手を殺すだけなら同レベルでも可能だろうが、殺す気の相手を生かして制圧するとなるとかなり難しいはずだ。
 相手の戦力次第だが、勝利の目はそこにあると踏んだ。
 剣は受け止められるが、剣の威力と強化によってました破壊力は相手の腕を切り裂く。
 と同時、腹部の傷が少し回復していく。与えたダメージに比例して傷がふさがる。

「チッ斬れなかったか……っておいおいマジかよ」

 こちらを生け捕りにする。それに勝利の目を見出していたのだが、ダメージ故かそれを少し忘れたかのような一撃。
 とはいえ、悩んでいるのだろう。繊細さはない。

「クソッ!!」

 相手に斬りかかったのとは反対の剣を振り上げ、それで受けるようにして直撃は避ける。
 とはいえ、その暴力的な威力は防御の上から自身を吹き飛ばす。
 ボールのように地面を何度も跳ねながら地面を転がる。
 剣を地面に突き刺して無理やりブレーキ。

「おいおい生け捕りにするつもりなら、もう少し手加減しねぇと人間は簡単に壊れちまうぜ」

 ツゥと頭から血が流れる。視界が悪い、だがこの位ならまだいける。
 再び地面を蹴る。だが前だけではな。壁を利用してアチコチを跳ねまわるようにして接近する。身体能力に物を言わせた壁蹴り。そして天井を蹴り飛ばし。
 上から飛び掛かるようにして袈裟切り。両手の剣を使い両肩から腰にかけて斜めに切り裂くように。

アクラ > 「ぐるる、、、治った、、、?」

殺意の滲んだ瞳は確かに見た、男の傷が自分の様に塞がったのを
全快はしていないが確かに回復している

「お前、、、普通じゃないな?」

ニタリと笑う
相手は自分と似た事が出来る、つまりは普通の人間より遥かに丈夫なのだと
それはこの状況においては朗報であった、が、、、同時に悩む

「ちぃっ!」

反応が少し遅れ肩口から肉が斬られるが骨を断たれる前に後方へ下がる
戦闘が始まって初めての逃げ、、、その行動を取らされた

最初に放置した騎士を思い出す
人間はすぐに仲間を呼んで集まってくる、目の前の男だけでも手古摺る中でそんな状況になればどうなるか

クレイ >  
「そりゃ弱い人間だからさ、色々と小手先を用意させてもらうのよ」

 とはいうが、まだしっかりと治った訳ではない。跳ね飛ばされた傷もある。
 つまり全くの無傷というわけではない。その上、相手の攻撃力を考えれば回復手段なんて無意味な可能性もある。
 つまり現状脅し以外の何物でもない。
 無理して跳ね回ったからだろう。完全に治っていない脇腹の傷から血があふれ、頭からも血が流れる。

「さて、こりゃお互いに厳しい戦いだな。俺は無理して攻めればお前の超パワーにやられるし……お前も長く勝負はしたくねぇだろ」

 ここは敵陣。準備が整えば援軍が来る。実際派手な戦闘音がしているのだ。それはそう遠い話じゃない。

「でだ、改めて交渉としねぇか。ここで殺す気で突っ込んで来られると俺は非常に不味い。とはいえ、タダではやられない。お前はお前でそれ以上ダメージ受ければここの他の騎士から逃げるのは難しいだろ」

 相手だって軽い傷ではない。片手は深く切りつけているし、肩だって裂けてる。再生すればなんとでもなるのだろうが、それが出来るのならもっと攻め込んでいるはずだ。そう予想を立てていた。

「戦闘したって証は残した。実際お前の攻撃を俺はこのエリアだけで抑えた。戦果としちゃ上場だ。お前は元々作戦で来たわけじゃねぇなら無理して死ぬなんてアホらしいだろ。どうだ、一旦手打ちってのは」

 通るかはわからない。向かってこられたらカウンターを決める。その為に剣を構える。どの方位から飛んできてもいいように片手は相手にしっかりと向け、もう片手は気持ち高めに構える。

アクラ > 「、、、そうだな。」

同意はする、だが納得はしていない
それでもちゃんと考えなければならない
今までだって考えたから生きてこれたのだから

「手打ち、、、?」

男の言葉を呑み込み、、、このまま帰れという意味だと理解した
見た目上アクラの傷はもう塞がってきている、だがその実消費はかなり激しい
すぐにでも血肉を補充したい

「、、分かった、私は帰る。追いかけて来るなよ!追いかけてきたら食べるからな!」

ご褒美だってほしいし痛いのは悔しい
けれどもこのまま削り合った所で自分にはその先がないと理解する
仮に勝った所で騎士達に袋叩きにされれば助からない可能性が高い
泣きそうになるのを我慢しながら外へつながる壁を壊し砦から離れていく

もしも討伐隊が差し向けられれば、、、森の中で手負いの化け物を相手する事になる

クレイ > 「バカ言え、追いかける余裕がありゃ殺してるっての」

 ハハハと笑う。これは紛れもない事実だ。そんな余裕があればここで勝利をしている。
 とはいえ、完全に撤退するのを見届ける事も必要だ。

「ああ、待て……俺はどうだったよ。その悪魔とやらの代わりにはなったかよ」

 と笑う。それもある意味で大事な目的。傭兵として他人より格下だと思われたままというのは色々と不味い。それもあった。
 どんな返事をもらうにしても、彼女がいなくなれば援軍が来て、何とか追い返したがこの様よと笑って騎士と話したことだろう。
 戦闘で言えば引き分け……といっていいのだろうが。こちらとしては痛みを受けただけで向こうは目的を半分は果たしたわけで。
 ある意味で負けと言えるのだろう。魔族相手はコリゴリだとボヤいていた男がいたとかいないとか。

アクラ > 「クレイは強い、後面倒くさいぞ!」

去り際にそんなことを口走る
純粋な戦闘面もそうだが自分と同じ回復しながら戦える相手は面倒くさい

純粋で、かなり省略された評価を口にして森の奥へと逃げていった

ご案内:「タナール砦」からクレイさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からアクラさんが去りました。