2022/12/25 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > タナール砦、何時でも、何時も、魔族と人族が相争い、奪い、奪われている激戦区。
第七師団に所属する少年兵は、今宵もこの場所に居た。
魔族の一軍が表れて奪われた報告があり、要請を受け、救援にやって来て、魔族の軍を撃退した。
有名な魔将軍や魔王の率いるモノではない、低級の軍だったのか、奪還は直ぐに行なう事が出来た。

今現状は、魔族の軍がまたぞろ戻ってこないとも限らないので、少年兵を含めた一部隊は、補充の戦力が来るまでの間駐屯する事になった。
タナール事態に戦力がないわけでは無い、しかし、だ。
傭兵や、別の師団の兵と連携を取る、となると其れなり以上の訓練が必要だ、彼等には彼らの特色がある故に、その辺りを擦り合わせる為の訓練が必要となるのだ。
それを行う―――というは簡単だが、その辺りに関しては、上の意向が絡んでくる。
下っ端同士が仲が良くても、上同士の中が良く無ければ、連携など出来ようモノではない。
傭兵に関しては、訓練参加事態を厭う物が殆どだ、金になりゃしない、と。
そうなると結局、個人プレーというか、師団同士固まっての戦闘となり、烏合の衆と言って良いような状態となろう。
そんな事を考えながら、少年は砦の中を、歩き回る。

今現在、少年の任務は、警戒任務。
砦の中の決められた場所を哨戒し、魔族の侵入を防ぐための任務。

因みに、ツーマンセルの相方は、飽きたと言ってサボっているから、一人だったりもする。

ゼロ > 「――――。」

一人でいるから、少年は何もしゃべらない、喋る相手がいない時に、独り言ちるような性質ではないからだ。
誰かがいれば、会話位は行うのだろうけれど、今は任務の最中でもある、だからこそ、一層無言。
薄暗い石作りの砦の中、松明が、一定間隔で燃えているが、昼間と比べてとても薄暗い。
少年兵は、仮面があるからこそ、その薄暗さでも問題なく動けるが、逆を言えば怖いだろう。
夜の夜中に、白い仮面が浮かび上がるし、蒼い鎧は闇に溶け込みやすい、金属がこすれる音さえも、小さい。
全身が金属鎧だと思えないぐらいに、少年兵の足運びは静かで、金属音がしないのである。

薄暗いこの場所でそんな全身鎧+仮面をみたら、気の弱い人は大体驚くだろう。
それでも、少年は静かに歩く、余り煩いと仮眠をしている同僚たちに迷惑が掛かるのは判っている。
右も静かで、左も静か、部屋の中からは、カードゲームに興じている男たちの声や。
部屋の中だから、と、しけ込んでいる者たちの声。
唯々雑談をしている者もいれば、寝ている者の、寝言。

そんな、様々な夜の中を、少年は一人、静かに進んでいく。

砦の中を進んでいけば、足を止めるのは地下室への階段。
地下室は基本的に捕虜を捕まえる為の牢屋や、拷問の為の部屋がある。
階段の前で、少々考えるが、見回りと考えるなら足を運んだ方がいいだろう。
そう考えて、少年兵は階段を下っていく。