2022/10/31 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > タナール砦にも、落ち着いた時間というのは、有る。
今は人間がタナール砦を勝ち取っていて、防衛を何度か成功させている状況。
外壁などもある程度修理されていて、兵士達も十分な数、駐留している状態だ。
第七師団が出張る理由は薄く、もう少ししたら、自分たちには撤退の指示が出るのだろう状況下。
様々な兵士が、防衛のため、将又、魔族の国への出陣の為、準備している状況。

騒がしくも、活気のある状態、兵士は宛がわれている部屋で、一人休息を行う。
蒼い全身鎧の上に、白い仮面をつけた兵士―――ゼロに親しくしようとするのは珍しいので、基本は一人。
なので、邪魔する者の無い状況で休息をしつつ荷物をまとめて、タナール近くにある第七師団の兵舎に戻る為の準備をしている。
時間的にはそれなりに良い時間でもあるし、食事でもしてから戻るか、と、仮面の下で少し息を吐き出す。
荷物をまとめ終えたら、食堂に行こう、と心の奥底で決意。

それは兎も角、だが。
嵐の前の静けさなのか、それとも誰かのおかげなのか。
今現状、タナールに魔族が来るような兆候はない。

其処に、何やら胸騒ぎを覚えるのだけれども、それを吐き出す友人がいないのが、この男だ。

ゼロ > 少年がいる部屋は、一般兵士の為の部屋であり、ベットはあるが、共用の部屋であり、ゼロの他にも何人もの兵士がいる部屋だ。
ゼロ以外の兵士は、任務に出て居たり、休憩だから、と他の場所に出たりして、部屋にはゼロ以外には居ない。
そもそも第七師団の兵士は、この部屋ではゼロだけだ、そう言う意味で言うなら、部屋割りはランダムだ。
何故そう言う風にしているのかはわからないが、休憩できるならそれでいい、とゼロは思うので文句はなかった。
荷物は少ないので直ぐに荷物のまとめが終わってしまう。
誰もいない部屋の中、荷物の整理が終われば、後は辞令を待って戻るだけの状態だ。

完全に、休憩状態になった。
訓練するのもいいのだけども、訓練の時間は未だ別にある。
休むべき時には休む、それは大事な事なので、少年は、矢張り、と言う事で。
最初に覚えた飢えを満たすために、食堂に移動することにする。
様々な兵士が動く廊下を進む蒼鎧のゼロ。
通る兵士に挨拶をされることもなく、唯々通路を進み、食堂へ。

食堂は、かなりにぎやかだ。
差もありなん、食堂は酒とかも振る舞うから、休憩の人は、基本ここに集まるのだ。
なので、ぐるりと見まわして、空いている席を探すのも面倒なくらいの人の中。
自分の吸われそうな場所を探して、右に、左に。

ご案内:「タナール砦」にラボラスさんが現れました。
ゼロ > 暫くの間、食べられそうな、空いている席を探していた所、とても良さそうな所を見つけた。
ああ、あそこで食べよう、と少年は移動し、席を取る。
何時ものように、隅っこの席に腰を掛けて、トレイを取って、配給の食事を貰う。
それを静かにもくもくもくもく、とマスクをずらして食事を終える。

腹がくちくなって、丁度良い眠気を感じる。
部屋に戻っても、矢張りほかの兵士などはいなかった。
未だ、帰還命令は来ていないので、軽く仮眠をとる事にしよう。
うん、と、小さくベッドに横になろう、としたのだけども。


「――――!?」


何かの気配を感じる。
嫌な予感、という物ではない。
感じた事のある、存在の気配だ。

がば、と少年は、身を起こした。

ラボラス > (――食堂を通りがかった兵の一人が、同僚と雑談して居る
他愛の無い会話だ、最近食べた飯の事、美人な娼婦を連れ込んだ事
冗談めいて、此処から帰った後の予定を喋りながら、やめろと頭を引っ叩かれたりもしたろう
そんな折、会話の隅で、こんな事を口にして居た

『そういや、さっき外で蝙蝠が一匹飛んでたぜ?』

蝙蝠なんてどこにでも居るだろうよ、何てまた、呆れた様に言い返され
其の話題は其れだけで終わる。 ――そう、他愛の無い事、だ。
戦場にだって鳥は飛ぶ、何の不思議もありはしない。
何より、何か問題が有れば、真っ先に見張りが気付く筈だろう

――そう、其の筈、なのだ。)


(――――数秒後、鐘が鳴り響く。
敵襲と、戦闘準備を知らせる鐘。
余りにも急な号令は、敵が、もうすぐ其処まで接近して居る事を示すもの

遠距離からの視認が出来ず、まるで陽炎の様に、戦闘の間合いまで踏み込む形で出現した、敵
果たして、其れの記憶を留めている者は、どれだけ生き残って居るだろうか
かつて砦に出現し、今も尚、甚大な被害を齎して居る魔族の群れ
神出鬼没に戦場へ現れ、蹂躙の限りを尽くす統制された「軍隊」

そして――其の最後尾にて、砦を見据える、金眼の魔将を。)

「――――――行け、殲滅戦だ。 準備させる暇も与えるな。」

ゼロ > それは、偶然と言うべきなのか
 それとも、運命と言うべきものなのか。

『それ』と、ゼロは一度遭遇している。
そして、生き残った事のある、数少ない兵士だ。
第七師団という、再編される前に出会った軍隊、そして、その時にも身に着けていた腕章。
あの時の鎧の色こそ、白銀で、今の色は蒼と、色自体は違う物の、鎧も、仮面も同じ。
現れた軍隊、唐突なそれに混乱する同僚や、防衛の為の兵士や傭兵。
経験というのは、この時に出てくるものなのだろう。

起き上がった少年は、立てかけてある鉄の槍を手にし、そのまま、窓から跳躍。
三階の窓から飛び出して、自由落下しつつ、態勢を整えて、地面に。
少年のいる場所は、運が良いのか、それとも悪いというのか。
魔族の国の方面―――北側の砦の兵士の休息所だ。
一番、門に近い場所、と言って良い場所にあるからこそ。

「―――。」

勢いよく走る。
引き絞り、放たれた矢のように。
『軍隊』の数などに躊躇はせずに。
何時しか、遭遇し、一合した将軍。
あの、羽のある獣のボスに向かう。

いついかなる時も、変わりの無い。
新しい師団長が、新しい方策を伝えたとしても。
少年は、ゼロは。

―――一振りの刃であり、破壊装置だ。

現れた魔族の兵士を、『敵』を。
鉄の槍で薙ぎ払い、吹き飛ばす、無論金の目の、将に向かい。

ラボラス > (本来ならば十分に配備され、魔族の襲撃に備えるであろう魔術師隊も弓隊も
その備えが出来て居なければ、一軍を止めるには不十分だ
其れが統制され、意図を持った行進で損害を抑えながら進軍するのだ
防衛側にとって、其れがどれだけ厄介な事であるか等――良く、理解っている

戦場と言う巨大な盤面から見れば、程なくして砦に到達する其の行軍は圧倒
砦から、余りにも速く飛び出した、一人の兵の存在など、矮小にも思えた筈だ。

――だが、其れは、明らかに"違った" 圧倒的に他とは違った。
行軍の全てを無視して、只真っ直ぐに、奥へ、奥へと、突進して行く
すれ違う兵が捕縛、或いは攻撃しようと刃や鈍器を振るうも
其れを掻い潜りながら、矢の如くに――飛燕の如くに

無論、其れを後方に坐する金の瞳が、見逃す筈も無い
勇猛か、其れとも蛮勇か。 余りにも無謀にも見える其の突進を見て
されど、金眼は嗤うのだ。)

「―――隊列を乱すな、進め。 砦の蹂躙に専念しろ。」

(――全軍に、無視しろと号令を出す。
其れが、明らかに己の元へと向かってきていることをが分かって居て尚
己が手に、分割と広がる黒き炎の剣刃を顕現しながら、矢が、己へ届く其の刹那に。)

「―――――来い、俺を愉しませろ。」

(槍先を、自らの剣で受け止め、対峙しようとするのだ)。

ゼロ > 敵将の判断は、的確だった、ゼロの判断としては、敵将を斃して、指揮系統を崩す方法だ。
彼がゼロを受け止めてしまえば、敵軍は生きているし、動いている。
詰まるところ、タナールへの攻撃は止まらない、と言う事になるのだ。
ゼロが、矢のように一直線に走ったせいで、軍としての魔族の被害は、其処迄ではないのはずだ。
自分の進行を邪魔する魔族を吹き飛ばし、殴り飛ばし、ひき飛ばしているのだろうけれども、軍から見れば、一部、少数。
瓦解させるには、圧倒的に破壊力が足りない。

何処かの将軍が言っていた、戦いは数だ、と。
どんな存在であったとしても、個人では、限界がある、それを浮き彫りにさせてしまった、と言う事だ。

ただ、砦には、他の第七も居るのだ。
詰まるところ、対魔族特化の部隊がいる事もある、敵将が思う程に早く堕ちるとは限らない。
跳ね返す可能性もまた、在るのだ。

だから、ゼロは、後顧の憂いなどせず、ただ、目の前に、敵将に視線を向けている。

―――ぎぃぃぃぃんっ――――

金属音が、響き渡る。
磨かれて、使い込まれた鉄の槍は、柄も刃も、全て鉄の槍。
只の鉄の槍でしかない、それが、炎刃に叩きつけられて。
ぎり、と更に握り、踏み込み、突き込む。
地面がみしり、と踏み込まれて、地面の強さに跳ねるように、加速する

人間には有るまじき筋力を持って、ラボラスを突く。
突撃(チャージ)アタックを敢行。

ラボラス > (――普段とは違った。 ……否、もっと正確に表現するなら。
此れまでよりも、手応えを感じた、と言うべきだろうか
此処最近の奪還戦では、感じられなかった、敵兵の練度と戦力
ただ、力で蹂躙するだけでも成し得たかも知れない奪還戦を
軍隊の訓練に使う余裕すらあった、今までとは違う、予感だ

己が指示が無くなったとて、指示系統は存在する
己が二人の腹心は、己が采配教育を施した優秀な副将だ
砦を攻める為の采配には、何ら問題はあるまい
だが、もし苦戦をするとしたなら――其れは、何よりも待ち望んだ事だ。
敵が抗い、奮起してくれるならば、喜んで其れを叩き潰す
其れが、"翼在る獣"だ。)

「――――――知って居るぞ、貴様。」

(鳴り響く剣劇の音。 人間種とは思えぬ膂力、そして何よりの速さ
己が言葉に、果たして相手が言葉を返すかは判らぬが
強烈な一撃を、されど此方も、決して侮らぬ形で迎えれば
次の一撃にも、真正面より、剣を振り下ろし、受け止めんと

みし、と、僅かに己が身体が、地面を滑り、後ろへと圧される
だが、体勢は崩される事無く、巌の如き体躯を隆起させ、力を、力で以て捻じ伏せんとしながら
其の一撃を、振り払い、己が横薙ぎの一閃にて反撃とせん
剣先が空気を切り裂き、冷ややかに其の首を跳ねんと――迫る)。

ゼロ > ゼロは知らなかった。
以前調べた時、軍の内容を、ある程度の把握はした。それが全てでは無かったとは、理解している。
『軍』に、副将の存在があると言う事を。
だからこそ、将軍が足を止めたとして、生き物のようにタナールを襲っているのだろう。
変幻自在の用兵は、一人の指示ではない、と言う事なのだ。
今、砦がどんなことになっているのか、それを知るために意識を向ける事は、出来ない。

何故ならば、目の前の将は、以前、自分と戦ったことがある―――否。
自分が魔族の国を偵察していた時に見つかり
手も足も出ず、弱き存在として見逃されたのだ、この将に。
復讐の気持ちはない、ただ、対面した。
偶然でも、運命でも、何方だとしても、現実として、いま彼と自分は対面している。
自分を思い出した言葉に対しての返答は。

「―――対魔将戦闘に付き、封印限定解除―――」

戦闘の意志を込めた、言葉。

二回目の遭遇、躊躇なく封印を解き放つ。
人間の限界を超える為、自壊を抑える為の、封印を二つ解放
上位魔族並の身体能力を解放するまでに、指揮官のいない状態での限界まで、解放。
全身を掛ける魔力が、ゼロに彫り込まれた強化魔法を活性化させる。
薬と麻薬で作り上げられた、肉体を更に、強化する。
歪な生き物は、目の前の魔将よりも人間味の薄い気配を持って立つ。

ただ、それをして初めて、彼の前に立つ資格を、最低限満たしたと言った所なのだろう。
前身の勢いを込めて、鉄の槍、鎧の重さ、全てを持った突撃を振り下ろしでの一撃で受け止められた。
以前も、彼の巌のような肉体を吹き飛ばすことはできなかった。
一瞬の拮抗と言って良いだろう、膂力は彼の方が上なのだ、人と魔族では、身体能力の差が、悲しい程に大きい。
人を辞めるほどの強化を行ってなお、届かない。
それに。

鉄の槍が、ラボラスとゼロの突撃に耐え切れなかった。
振り払った一線、ゼロは槍を立てての防御。
あっさりと、切り捨てられる鉄の槍は、そのお陰で一瞬だけの空白を作り出し。
横薙ぎに対し、地面すれすれにしゃがみ込むことで、掻い潜る。
そして、腰に手を伸ばし、一対のナイフ―――と呼ぶには物々しい大きさのククリ刀を引き抜いた。
鉄の槍とは違う、魔力の籠る金属で、防御の魔力をこれでもかと込めた、守りのククリ刀。
両手に一つずつ握り、牽制とばかりに横薙ぎが終わったわき腹に、右一方の刀で下から上への起き上がりざま切り上げの一撃を。

ラボラス > (一人の人間が、如何にして、其の力を得たのかなぞ知らぬ事だ
血の滲む努力をしたのやも知れぬ、神に祝福されたのやも知れぬ
或いは天賦の才の際を持って生まれたのかも知れぬし、研究と実験の結果なのやも知れぬ
何だって云い、己にとって重要なのは、いかなる理由で在れど、己へと其の力が近付く事だ

例え人としては余りにも歪で狂って居ても、最早人とは呼べぬ何か、であったとしても
其処に覚悟さえ在るのなら――歓迎すべき事に他ならないのだから。)

「――――惜しい物だ。 貴様の其の力、長くは保つまい。」

(――明らかに、身体の耐久力が追いついては居ない筈だと、直ぐに知れる
だが、其処に憐憫と言った安っぽい感情は無い、この闘争を、長くは愉しめぬであろうと言う惜しさだ
鉄の槍が役立たずと足り果てた直後、己が刃を躱した相手が、懐に入り込む
槍での突撃は、完全に使い捨てと割り切った物か
其の両手に握られた二振りのナイフを垣間見れば、成程、と口元に弧を描き

――相手の一閃に合わせて、身体を捻る
衝撃を和らげ、接触を浅く変える身のこなしは、人間も良く知る"技術"であろう
剣先が僅かに胴を掠め、硬質な鎧の表面に傷を与えれば
鉄と鉄が打ち合うだけでは無い、鎧と刃の魔力が反応した様な、鈍い色合いの火花が散ろう

其の儘、くるりと身を回転させれば、振り向きざまに、相手へと向かって蹴りを放つ
ただ、暴力的に、足元へ転がって居るから当然の如く、蹴り飛ばすかの様に)。

ゼロ > PL中断致します。後日継続。
ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からラボラスさんが去りました。