2022/07/05 のログ
ご案内:「タナール砦」にロブームさんが現れました。
ロブーム > 適度に調度が整えられた部屋のソファに、男が一人いる。
脂ぎった、太った男だ。醜悪な肉体を投げ出すように、ソファに深く座っている。
魔法により適度な室温に保たれたこの部屋は、陣頭指揮で疲れた身体を癒すのには最適であった。

「とはいえ、何時までもこうしてはいられぬか」

ロブームが姿勢を正すと同時、直属の部下の一人である、メイド服を着た女がやってくる。
彼女は、『戦勝おめでとうございます』とまずは儀礼的な祝辞を述べると、次に頼んでおいた事について報告してきた。

『捕虜の内、女性にのみ個室を与え軟禁処置を。ロブーム様の指示通り、個室の目立つ場所に手紙を添えております』

手紙の内容は、解りやすく言えば交渉の提案だ。
『個室に置いた手紙を食料の給仕をするメイドに渡せば、ロブームと話ができる。その内容によっては捕らえた戦力の解放も検討する。但し、呼び出しに応じずとも、それによる不利益は発生しない』とその様な内容である。

だが、目端の利く人間ならば。
わざわざ女性のみを軟禁した上でこの様な提案をするというのが、どういう意味を持つのかは理解できるはずで。

「(そうと解っていて尚、この部屋にやってくる者が居るのかどうか……もし居るとすれば)」

その女は、美しい心を持っているかもしれぬ。
そう考えると、この疲労も、徒労ではないと思えるのであった。

ご案内:「タナール砦」からロブームさんが去りました。