2022/05/14 のログ
ご案内:「タナール砦」にヴァレリアさんが現れました。
■ヴァレリア >
女はダイラスの商人『マリー・ゲーゼルリング』を名乗り、砦に現れた
魔物の大群を押し退け、戦勝に湧く王国の兵隊に酒と良質な食料を振る舞う少女の姿を
かつてこの砦に姿を見せていた魔王と重ねる者など一人もいなかった、故に──
「くす、くす…♪」
砦の見張り台に腰掛け
月明かりの照らす下、夜風に長い白髪を揺らしながら──
その眼下には、夜襲を受け魔物達に手ひどい仕打ちを受ける兵士達
目を覆いたくなるような凌辱の光景が広がっていた
十分な戦力たる者達だったにも関わらずその多くは女に振る舞われた食料や酒に混ざる薬によって満足に動けず──
「ふふ、あんな屈辱的な顔しちゃって…かわいい~♡」
女戦士が輪姦される様を視界に収め、満足気に嗤っていた
■ヴァレリア >
魔物を倒すために鍛えられた身体
魔物と臆さないよう研ぎ澄まされた高潔な心
その両面を四方八方から凌辱される──
嗚呼、どんな気持ちなのかな
そう考えるだけでぞくぞくと身震いを見せる白髪の女は
濡れた紅い視線を卑猥な色に染まり始めた砦を舐り回すように巡らせる
あちこちで悲鳴と嗚咽、そして嬌声が聞こえてくる
「にしても、こんなに上手くいくなんて」
ふわりと舞い上がるように見張り台から飛び立ち、装いをはためかせ凌辱劇の場へと降り立つ
高位の吸血鬼である少女がその場を歩みはじめると、知恵なき魔物などは本能的に道を空ける
「勝ったからって、やっぱり油断しちゃダメよね…♪」
軽やかに、まるで舞踏会場を歩むように
愉しげに女は地獄の様相と化した砦の中を歩んでゆく
■ヴァレリア >
可哀想、可哀想、可哀想
歩む先々で繰り広げられている光景はその一言
その一つ一つが刺激的で、堪らない
男も女も
今は魔物に面白半分に弄ばれているけれど
開きられたら、きっとゴミのようにその命を奪われる
なんて素敵な絶望感…
こんなのそうそう味わえない♪
───
……そう、なんて思っていたのも、結局束の間
「ふぁ… ──…飽きちゃった」
飽き性の魔王は欠伸を一つ
月が沈むうっすらと陽の光の差す砦では未だ複数の魔物が人間を弄んでいたが
「また遊びにこようっと」
ぐ~っと伸びをするとそのまま、ばさりと闇の翼を翻し、はた迷惑な女は砦を飛び去っていった
ご案内:「タナール砦」からヴァレリアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にグァイ・シァさんが現れました。
■グァイ・シァ > 生暖かい風が吹く夜。
篝火があちこちに焚かれた砦は、夜が更けるにつれ明日の戦闘に備えての静けさが染みわたって行く。
正規兵たちは規律正しく夜番を残して就寝し、傭兵たちも酒盛りの現場から三々五々と散って、砦は束の間の休息という様相だ。
その砦の隔壁の上、篝火の下、紅い髪の兵士の影がひとつ。
酒盛りの現場へ呼ばれても黙って首を振り、奇特にも交代を打診するものが来ても首を振って、誰もが不愛想な女だ、と去って行った後。
「―――――…」
女は暗闇の向こうを透かし見るように目を細める。
―――――心地の良い夜。
人知れず、女の唇に薄く笑みが浮かぶ。
明るい所からは影の中は見えないし、逆に明るい場所であれば狙われやすい筈だったが、女は構わないようだった。
バチン、と時折篝火が爆ぜる音が響く。戦場の夜は更けていく。
■グァイ・シァ > 戦闘の開始は夜が明けてからか、それともそれより先だろうか。
いずれにせよ
女がその生きる糧を得るのは遠くは無い筈―――
ご案内:「タナール砦」からグァイ・シァさんが去りました。