2022/02/06 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
タマモ > 人間と魔族、各々の国の境界線、タナール砦。
常に…とまでは言わないが、それなりに、戦いの繰り返されている場だ。
しかし、そんな場所であっても、少女の気紛れは変わらない。
今回、人間側が占領しているらしい、やってくる魔族達を前に、ふらりと少女は現れた。

が、そんな光景が砦から見えていたのは、そう長い時間ではなかった。
少女を中心に、いきなり広がる濃厚な霧。
それが、辺り一帯を完全に覆い、包み隠してしまったからだ。
ただの霧なのか、何らかの力を込められた霧なのか…それは、中にいる者達にしか分からない。

「まぁ、殺め殺められ、そんな殺伐な事、する気はないからのぅ。
何事も無く、お帰り願うのが、一番じゃ…うむ。
………もっとも、これだけの事をしたのだから、少しは妾に得るものがなければ、な?」

そんな霧の中、少女は、そこに捕らえた魔族側の侵略者、その内、目を付けた相手の前に居た。
そんな言葉を掛けながら、軽く肩を竦めてみせて。
正直、全員なんて、まともに相手をする気はない。
言葉の通り、この霧の中、彷徨い、魔族の国に戻って貰うつもりだ。
実際に、その相手以外は、この霧を突き進もうとしても、元来た国の方へと戻されてしまう。
少女の前には、この集団の先導者か、支配者か、偶然に選ばれた哀れな一兵士か…一人相対する。

タマモ > ちなみに、この霧の効果は、全体に及ぶ。
この霧に対し、人間側から入った場合、人間側へと戻されるのだ。
そして、捕らえた相手だけは、逆に出ようとしても出られない。
彷徨い、彷徨い、結局は少女の元に戻される。

…まぁ、安易に逃げそうな相手、なんて選びはしないが。
抗って抗って、その間に霧に混ぜた悪戯、それに嵌まって貰う。
逃げによる、時間稼ぎはお得意様だ。
後は、ゆっくりと頂く…もちろん、己的な意味合いで。

「と、言う訳で…少しだけ、相手をして貰おうか。
なぁに、そう長い事、束縛はせん。
ささっと楽しみ、ささっと帰してやろう。
お主には、帰りの道も、残っておる事じゃからのぅ」

腕を組み、己の言葉に、うんうんと頷いてみせる。
いつもは長々と楽しむのだが、今回は、気分的に軽く遊びたい、そんな感じだ。
相手からすれば、何お前の勝手で物事を進めているのか、と問いたくなるだろうが。
現状、この霧の中は己の領域、相手に何ら手段は無い。

ただ一つ、何かあるとすれば。
人間側にも、この状況、理解している者は居ない。
後から何か言われたら…とも思うが、そこは、誤魔化して済ませよう。

タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
霧の内部から、己と、目の前の相手。
それ以外の者達が、霧の中から、出た事を確認したのだ。
それ以降、中へと足を踏み入れる者、それも感じられなくなる。

「………ふむ、これで、準備は整ったか。
それでは、軽く遊ぶとしよう。
ふふ…では、楽しい一時を…じゃな。
あぁ、もちろん、妾にとって、だし?
もしかしたら、お主にとっても、になるやもしれんがのぅ?」

そう、相対する相手に伝えれば。
ゆっくりと、その身を揺らし、歩み始め…

その後、どうなったのか。
それは、少女と、その相手、二人のみぞ知る事となるのだろう。
その者から、きっと口外もされない、そんな出来事。

ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。