2022/01/31 のログ
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > タナール砦の冬
道がある限り 殺し合いは続く
どちらがか居て どちらかが近づけば 殺し合いは始まる

季節的な、大雪という現象がこの冬は今だ遅く
村々も街も道を作るか閉じこもるかをするには、まだ早い
北の魔族が支配する国の山や、山脈のような気高い山の見える山頂はすでに白が見えているところもあるというのに
この国の土はいまだに、赤を吸っている。


「■  ■ ■ ■   ■ ―――!!!」

言葉にならない咆哮と共に、メイラは砦の中を巡る
多少の損壊はまるで構わないような暴れ方は、メイラが目上として扱うような老練な戦士か
王以外にはまるで聞く耳は持たないかのようだった

メイラの今回の獲物は戦槌
それも、ピッケルのように見えるような貧相なものではなく
槌の頭部は大きく膨らんでいるそれ

鋳造や製錬とは一見見えない
何かを強く強く繋ぎ合わせて槌にしたかのような形状
少なくとも職人が、魂を込めたようには見えないだろう武器だった

メイラはそれを操り、砦という場所を生かしていた。
方法は簡単だ 戦槌で 敵を地面に叩き潰す以外は

壁に追い込んで叩き潰し 壁に向かって叩き飛ばす この3択である

足が地面から外れるまで殴り続ける 足が地面からへし折れるまで殴り続ける
巨剣や長槍ではなく槌で行う戦闘方法は、周りの足運びの遅い自軍も巻き込むかもしれない

しかしそれは、メイラの間合いの延長線上にいるせいといわれてしまえば、それまでだった。

「殺す! 殺す! 殺して   や り ま す わ ァ ッ !!」

種族性のステータスと練り上げた歴 経験値からくる怪力と 重量級の槌の撃は
砦という場所において鎧のおかげで壁に叩きつけられるだけで済む者がいたとしても
周りの者らが喉に 脇に 胴の繋ぎ目に 剣を 槍を いくつも刺し別れにさせてしまえば
メイラの散らかすような槌撃は効果的だった。

全身黒ずくめの 大男とは言えない黒い姿で 槌を片手に いくつもの 重い衝撃音を響かせていく。

メイラ・ダンタリオ > 戦場で、戦槌や星鉄球 メイスなどを扱う者らは主に頭部を狙うだろう
肩を破壊してからでもいいかもしれない

しかし砦という 多数と多数の殺し合いの場所で メイラは槌で打ち込む場所は
身長差があれば容赦なく腹部や武器と合わせ、鎧部分であればなお都合がよかった。
一撃 一撃 一撃 それは一殺になるものもあれば、一倒にしかならないものもあっても
先に述べたように、周りの者らがトドメを刺す

逆に盾持ちは強気で襲い掛かってくるものもいれば、メイラはギロリとその盾へ目を向ける。
一撃を受け止めながら一撃を食らわせるまでの、動きを想定するそれが敵に入っていたとしても
メイラは鎧無しの重さならは叩き飛ばす 鎧ありならば、実にアナクロな方法を取り込んだ


「―――ぜ ぁ っ ! ! 」

槌を用いた、勢いをつけるために腕で振り回すという
これからする行動を読ませるような動作
そしてその通りに、盾へ向かって回転ではなく、一条に真っ直ぐに戦槌 金属の塊が放たれた

轟音 衝撃 身を半分以上隠すほどの、それに耐えきれる盾となれば重さは数人分となる
それを纏えるほどの怪力武者ではないとわかってだったのか、盾がひしゃげ、圧で転倒と共に
その槌が中空で停止する そしてそのまま ウォンッ と同じ速度でメイラの手元へと戻る様子が周りの目に映った

バシンッ!とその重量を受け止めたメイラは、事も無げに走り出すや、凹凸の盾を構える倒れたままの鎧者へと
両手握りによる 突出した片面での振り落とし。
ガギョン、と金属でしか出ない潰れた音の向こうは、潰れた鉄 しかし肉は平たくなれど、なお見えずだった。

怪力が 分厚いを 叩き潰す

その光景と共に、赤い瞳 今の衝撃でこぼれ噴出した赤を頬に汚させ
三日月型のギザ歯を剥き出しにして笑む

「アハハ……   ハ ハ ハ ハ ハ ハ ハ ッ !!!」

暴れて 嗤って ダンタリオの本懐を往くイカれた姿。
どちらが魔かもわからないかのようだった。
そんなメイラに付き従うその隊ですらも、イカれている 狂気が伝染し 脳内麻薬をこれでもかと溢れさせ
高揚させ 騎士ではない 殺せば勝ち 卑怯でなければいい を地でいく者ら。

ご案内:「タナール砦」にオリアナさんが現れました。
オリアナ > こういう戦場は、今までは見ているだけだった。正確に言うと、中心地までは行ったことがなかった。
だから、このような光景を見るのは初めてだった。
それが故、どれだけ衝撃的だったのだろう。『味方』がこんなにも恐ろしいというのは。

「『アレ』が、ダンタリオ家の女……」

名前は聞いたことがあった。名前だけはこの国に響いている。
まして、騎士階級には特に響かれるその家名。唾棄すべきか。
称賛するべきかもわからないほど、その名は悪名高い。
今も目の前で、武器を振るう彼女にうすら寒いものを感じざるを得なかった。

「(……アレは私が目指す姿ではない)」

そう、目指す姿ではない。しかし……もしかしたら。
あの姿に憧れる自分の姿も、あったのかもしれないな。
そう思って、後方の雑兵を相手にする。
盾を持ち、槍を持つ。今の自分は一兵卒のようなもの。
梅雨払いに徹するべきなのだから。

「……」

あの戦い方は参考にするべきじゃあない。自分にはできない。
だけどその勇猛さは、見習うべきものなのだろう。
故に、この目に焼き付ける。あの勇姿を。

メイラ・ダンタリオ > タナール砦は普段は厳しく監視しながらも平和なもの
この砦で務める者の唯一の娯楽は 捕虜を貪ること
メイラからしてみればくだらないことでも

魔族国が指揮を執る場合 そこを奪還した際には向こう側の資源 鎧 武器 そして捕まった捕虜
これらが財となってどう扱うかを決められている
そんな場所にやってきた者らは当然、いつ来るかもわからない 導火線に火が付くか 付かないか
それ次第の場所にいるリスクを受け入れるためのリターンを味わうのだ

それが捕虜を貪ることだ 女も当然 男も美麗なら男娼扱いとなる
傭兵 領民兵 がなぜ従うのかを紐解けば同じこと

そんな場所を奪還か 防衛に努めれば
恨みと殺意はお互いに凄まじく 欲が絡めば多少の業も受け入れられる

それが普通で 普段で 平常だ


逆を言えばダンタリオはそこから浮いている

王の為に

全てはそれに尽きる行為であり 勝つために 王に汲み上げたものを差し出す為にいる

ゆえに狂気的で 強欲で どこまでの容赦がなく どこまでも王以外は須らく 同じ

メイラを含む隊からすればオリアナという存在は平等で
他からすれば仮にも王族で 騎士に憧れてやってきた者として
たとえこんな獄に投じることを認める親だとて 結果次第でどうなるかわからない輩達からすれば
扱いにくいだろう存在だった

だからこそ、メイラの後方にいるということは 誰も止めようがない
誰も、さらに後方に下げる相手がいない
それがオリアナにどう働くか それは戦場に拠るものでしかないだろう


槌という武器を選択し、一時の砦勤めを行うメイラの振るう 槌の衝撃と音
地面へ転がし、壁へ叩きつけ 他が止めを刺す前に 鎧事胸骨や肋骨を砕けばもう動けないだろう
鎧という重さありきでは 猶更に。

赤い飛沫を頬に受けた表情 ウルトラロングを一条の三つ編みに変えてループさせたメイラが
オリアナが自身に対し、懐かしくもあり慣れ切った視線を向けてくるのを感じたらしい
槍と盾を構え 戦場に立つオリアナを前に、メイラは血に塗れた歯車と金属の槌を手に
自身の友人が仕立てた黒い鎧と 端がボロボロのスリットマントを揺らめかせて近づこうか。

来る道中 近づく敵を槌で弾く姿はドワーフにも負けない。

「どうしましたの オリアナ嬢?
 タナールでのわたくしの殺しっぷりに、何か思うことがおあり?」

例え王族であれ関係ない それがメイラの行動の強さ
王以外は、全て平等
それがオリアナにこの態度を貫かせている。

「ここで正義と寛容の騎士道を貫くよりも 首を並べたほうが王のお役に立てるのではなくて?」

狂戦士 狂犬 王以外に従わない暴れ者 メイラの ダンタリオの家名は
恐ろしくただ一人に向けられて それが周りに 白く 黒く 見つめられている

「王族の見習い騎士 貴女も随分とわたくし側では有名ですのよ?」

ここで、オリアナが王族でありながらの騎士見習いとして
きっとこの国では綺麗すぎるのか 知っている者は多いと告げる。

「貴女がわたくしと今回の戦場に立った以上興味がありますわ。
 どう、化けるのか。」

我が王に褒められるといいですわね?

そう言って、再び殺し合いに身を投じようか。
メイラの暴れた方は 武勇伝の騎士ではなく 村人が憧れる戦士ではなく
王以外に手が付けられない狂戦士として やはり見られ方は変わらないままに。

オリアナ > 戦場とは狂気だ。その狂気の中で我を貫ける者だけが英雄となりえる。
なるほど。その法則であれば彼女は間違いなく英雄だろう。
だがそのあり方には、その戦い方には、自分の望むものはない。
それでも、ここにいるのは、憧れからでも、使命感でもない。
逆に、ここがある種安全だと本能で理解したか。
下手な魔族では決して彼女に触れる事すら敵わない。ならば、彼女の足さえ引っ張らなければここが一番安全とも言える。

そう思っていると、未だ戦場の真ん中にいるというのに彼女はこちらへと振り向く。
特注品の装備を持ち、そしてその装備は彼女しか振るうことすらできないシロモノなのが見てわかった。

「……いえ、思うことなど。なくはないですが」

そう、返事をするオリアナは、分かりやすい、一兵用の重装備。
銀色のプレートアーマーを、自分の採寸に合わせた程度のそれ。
しかしそこに、ハルバードを片手に、青銅のカイトシールドを片手に持っている。
メイラと比べれば天と地との差だが、生半可な兵士の膂力では彼女もなかった。
その兜のバイザーの下から、彼女を見て。

「騎士道を戦場で並び立てる程、綺麗なモノじゃないとは私も頭では分かっているつもりでしたわ。
けれど……王の為、などというのは今の私には無理です」

そう素直に告げると同時に、降ってくる矢の雨にシールドを構えて防ぎ。
こちらへと近づく魔族をハルバードで薙ぎ払う。

「有名、ですか。でも、ここに立っている以上はその有名さなど関係ないのではなくて?
今必要なのは」

薙ぎ払い、姿勢が崩れた魔族の一人をその槍で貫く。
最初に腕、次に胸を、必ず2回ずつ刺してから。

「どれだけ相手に血を流させたか。が必要なのでしょう?」

そう吐き捨てると言うと同時に、彼女の後ろに走る。
彼女ほどの戦果は自分には上げられない。今は。
それでも……その戦果ばかりは、自分も欲しいと思わざるを得なかった。
だから今は我武者羅に頑張る。ひたすらに頑張る。必死に頑張る。
自分が取れる選択肢など、これしかないのだ。まず、生き残るために。

メイラ・ダンタリオ > 絶対に裏切らない過剰戦力
それを家名で連ねるメイラ

王族でありながら騎士に憧れ
見習いからタナールにまで至ったオリアナ

互いに真逆のような存在感を戦場で放つ

メイラは首の価値があり、オリアナは捕虜にすれば交渉材料や
身代金など大いに利用価値がある

二人がほんの少しの間といえど、メイラが興味を以て話しかけ
それに答えながら 弩が放つそれを盾と、メイラのマントが叩き落とすようしに
威力不足となれば、黒真銀の鎧が弾くだろう

戦場で、この二人に視線を向けるものは少なからずいる
家名と立場 二つが同じ理由で二人に目を向けられている。


そんな中で、メイラが投げかける 綺麗な騎士など居らず
されど腐ることを許さず役に立つほうがいい

なら多くの血を流して生き残りましょうなどと

メイラは三日月型の口元と、ギザ歯 トラバサミのような歯列を見せて笑む

「ええ、王の為に死ぬのではなく自分の為に生き残りなさいな。」

王の為ではなくとも、王へ貢献できていますわよ 貴女

言葉の反発をまるで遊ぶようなそれ

メイラの前で王など糞くらえといえば
判り切った結末がある。

しかし王の為には動かないというならば
しかし現に役に立っている

と述べてしまうのだ。



そうして戦場の奪還か 防衛か
この殺し合いが終わった後 槍を 弓を 矢を回収させ
逃亡していった者をどちらも捨て置き 捕虜が捕らえられ
タナールの内部での闘争の為の仕掛けを確認するなどの環境

戦場が終わっても、この作業が終わらなければ一時のゆとりは出来上がらない中

メイラはオリアナと鎧姿のまま生き残り合ったことで笑みを浮かべ
周りでは持て余す存在を そも腐りきった騎士らでは扱えないだろうオリアナを傍に置き
歩くという状況になっていた。


―――砦内部にて

「たくさん殺したようでなによりですわ。
 オリアナのことも王へ報告するときが楽しみですこと。」

メイラはオリアナと共に歩かせながら
タナールの実態を経験でもさせるつもりなのか
休憩時間となっている者らの中でも、優先的に権利を得られた者らが
捕虜を輪姦し続ける部屋が連なる廊下を歩く。
中には拷問部屋もあるだろう。

タナールの中で、敵も此方も同じことをし続ける場所である。

「タナールでまた役に立てるよういろいろとみておきなさいな。」

上記のような 罠の確認 差異の確認 そして武器回収に拷問と凌辱

今のタナールはゴブリンの巣とそれほど変わらないだろう。

ご案内:「タナール砦」からオリアナさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にオリアナさんが現れました。
オリアナ > 貫く。切る。払う。上がる血しぶきに、自分は彼女のように興奮を覚えることはできなかった。
あるのは汚れる事への嫌悪感。そして貫いた感触への不快感。
だがその不快感にはそろそろ慣れてくるというもの。というよりは、そんな余裕もないと言うべきか。
他の兵士たちならばあるいは彼女の狂気に当てられたのかもしれない。
しかし自分には……と思う。

あるいはその狂気は、自分の中にもあるのかもしれないが。

「自分の為、ですか。えぇ、今はそうさせてもらいますわ」

その矢をくぐり抜けて、その先へと向かう。
ゴールの見えない場所でも、そのゴールは確かにあると信じるしかない。
それを信じられなかったものから死んでいくのだから。
なにより。

「王の為……か。まずは私の王を見つけないと、ですわね」

そうぼやき、ただ必死に前を駆け抜けた。


しばらくして、ひとまずの勝利を得て砦の中を彼女とともに歩く。
兜を脱げば、汗で汚れた顔をその手で軽く拭う。
ひどい戦いだった。綺麗ごとでは済まないことは知っていたが、それでもここは異常だ。

何よりも異常なのは……。と目線をそこかしこへ向ける。

部屋から響く、男たちの怒号と女が苦痛、あるいは快感の叫び。
こんな部屋ばかりの場所を歩かせるなど、彼女はどういうつもりなのか。

「役に立つ、ですか。正直このような場所は二度と御免なのですがね」

そう言いながら、しかし彼女の方が目上であり、ここではずっと地位も実力も高い。
それに付き従うのは道理であり、騎士としては当然のことだ。

「……それでも、やり続けなければならないのですわね。
この行為を。士気を、戦意を保つためには……」

と、言いながら。陵辱が続く部屋から目をそらして、自分に言い聞かせるように。
結局、その後は何もなかった。というよりはまたすぐ敵の襲撃があったために戦いに駆り出されたのだが。
今はまた……別の話としよう。

ご案内:「タナール砦」からオリアナさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。