2022/01/05 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > タナール砦は、奪い奪われ、人族の、魔族の拠点となっている。今宵は、人間の手に第七師団の手に寄って、解放された状態だった。
情況が終了したのは、つい先程であり、今は工作兵や看護兵などが、砦の修復や、負傷兵の治療を行っている所。
そんな中、逆襲を警戒する第七師団の一部隊、ゼロの所属する第一強襲部隊は、警戒を行う事になっていた。
終わってすぐの事でもあるし、撤収するにしても少しばかりの時間が必要からだ。
人々が、あちらこちら、と走っている間、少年兵は、ただただ、魔族の国の方面に顔を向けていた。
その顔には、仮面があり、無貌の仮面は、唯々静かに見やっているだけ、という状態。
ただ、今現状だから、食事が出来る筈なので、部隊は、交代制で食事を摂りにいっていた。

だから今、少年は一人で魔族の国の方面の門に立つ。
全くの一人、というわけではなく、他にも元々の駐留軍の出す門番に。
冒険者ギルドから派遣されている冒険者等。
副数人が警備に当たる事になっている。
流石に、相手は魔族なのだ、撤退させたとして、気を緩める事は出来ないと言う事だった。

ゼロ > 静かに、仮面の少年は、兵士は、じっと闇夜の方面を、魔族の国の方面を見やっている。
何かがあるわけではない、そう言う風には思わない、何かが居るのかもしれない、相手も此方を見ているのかもしれない。
敵は敵だ、油断したときにこそ、攻撃のチャンスが来るという物なのだ。
そして、少年が被っている仮面は、夜闇を見通すことのできる仮面であり、それは、彼らのアドバンテージを無くすものだ。
奇襲しようと、何かが近づけば即座に反応が出来る。
少年の手には、鉄の槍が握られていて、その攻撃範囲は推して知るべし、という状態。
足元には、幾つかの石が転がっている、これはわざとであり、弓矢や魔法を使う相手に対して、投げつける為に。
ゴーレムの様に隙が無く、ただ、静かに立ち尽くす。

他の冒険者や兵士たちが交代をしていく中で、唯々、少年は立っている。
少年の交代の、休息の時間が来る時までは、その姿勢を変える事はないと思われる。
そもそも、雑談しようにも、少年の姿が、雑談すると気まずく思えるだろう程度にはびしっとしすぎているから。
こんな状態の少年に声を掛ける事は出来るとすれば、それは勇者と言って良いのかもしれぬ。

ゼロ > 更に、時間が過ぎていく。ピリピリとしている空間を作っている少年は、実はその空気に気が付いていない。
やるべきことを、淡々としているだけ、特に何かをしていると言う認識がないのだ。
なので少年はただ静かに立っていて、時間が過ぎるまで、警戒を解くことなく、門の外を眺めている。

その内、気の利いた兵士が居たのだろう。
少年の元にやってきて、交代を告げる、少年は頷いて、状況などの引継ぎを行い、移動をする。
ピリピリしている空気は軟化し、その門の周囲では雑談が始まるのだろう。
その後、何があったのかは、少年は知らない。
少年が戻ると同時に、撤収命令が発令されたから。

少年は、迎えの飛竜に乗り、第七師団の本拠へと戻っていく。
そこでまた、訓練の日々が始まるのだろう―――

ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。