2021/11/08 のログ
ご案内:「タナール砦」にイディオさんが現れました。
■イディオ > (どうしてこうなった、男は自問する。そうなるべくしてそうなった、男は、自答する。
人間と、魔族が、相争い、毎日のように奪い合う場所、タナール砦、最前線とも言える戦場に、冒険者は居る。
最初は、護衛依頼として、商人の移動の護衛を引き受けていた。冒険者複数名を集めての依頼なので、一人当たりの危険度は減る。
そして、報酬がそれなりに良かったのと、タイミング的に運が良く、即席チームで、受けることになった。
顔見知りの冒険者が数人、実力も並み以上のベテランたちだから、安全な旅でもあった。
が、ダイラスに到着した際に、商人がタナールにも足を運びたいという話を始めた、そのばで、冒険者達で話し合い、結果、タナール砦まで行き、戻れば追加報酬を貰えるという事で行くことになったのだ。
そして、到着したのが数時間前。
其処は阿鼻叫喚の戦場と化していて、魔族が兵士が入り乱れて戦っていた。
流石にそんな中に到着すればどうなるか、判りきったこと、商人は、商売などするような状況でもなく、撤退。
そして、冒険者たちは、商人が戻れるだけの人数以外は、残るように命令された。
正直に言えば、命の危険があるような命令に関しては拒否権もあるはずだったが、逃げる段になり、魔族の追加が現れる。
今回のリーダーは、正義感が無駄に多い人物であり、ここで撤退しては正義に悖るという事になった。
そして、他の冒険者も其れに合意をしてしまったのだ。
正直、帰りたかったが、空気を読んでしまえば帰れるはずもなく。
ここに有る物資を撃退の為に使い放題でも良いと、指揮官に許可をもらった上での参戦となって居た。
魔法が近くで爆発する。
兵士たちが吹っ飛んでいる、逆に魔族に攻撃を繰り出している魔法使い。
戦場の中、震える暇すらなく、男はクレインクロスボウで、空を飛ぶ魔族を打ち落とした。
盾と、射撃武器を持つ故に、砦の屋上から、射撃するのが、イディオの現在の役割。
―――下に、遠くに、沢山の、魔族の影。)
■イディオ > (クレインクロスボウの、クオーレルをセットする。狙いを直ぐに空に向ける、夜の闇の中、魔族は翼を使って飛んでいるものが多く狙いにくい。しかし、男は静かに構えて、引き金を引く。
強い弦がクオーレルを射出する、普通の弓矢よりも強力なクオーレルが、一直線に魔族へと向かい、その頭を撃ち抜く。
堕ちて往く様を見ることなく、直ぐに弦を引いてクオーレルをセットしていくが、魔族も馬鹿ではない。
打ち落とせない様に魔法で守りを固めたり、高く飛んでいくのが見える。
だから、次は、下へと視線を向ける。地面を走る魔族は、ゴブリンなどの弱い存在も多く居る。
それらへの牽制を行う必要がある。
男は、自分の腰にある小物入れから、幾つかの色のついた石を取り出す。)
「砦の武器庫から持ってきた、属性魔石……たんと食らえよな。」
(イディオは魔法は使えないが、マジックアイテムを使うことは出来る。
タナール砦の武器庫に有る属性魔石は、火炎なら、赤、水属性なら青と、色のついている魔石。
ぶつけるとその属性に見合った魔法の効果が発生するアイテムだ、使い捨てだが、こういう所では重宝する。
火炎属性の赤い魔石を幾つも取り出し、それを下のゴブリン共に放り投げていく。
ファイアボールのような爆音が幾つも響いて、衝撃と火炎でゴブリンが吹っ飛んでいく。
その中を、他の冒険者が潜り、剣で、槍で、魔族を屠っていく。
冒険者や、兵士が囲まれたりしないように、魔石やクレインクロスボウでの援護を続けることにする。
とは言え、そう言うのが続けば当然、狙われたりするだろう。
だから、男は、その、光の無い目で、キョロり、キョロりと周囲を警戒し続ける。)
■イディオ > 「っち……。」
(警戒をしていれば、当然と言えば、当然の如くいる。空に飛んでいる魔族、彼らからすれば、砦の上から邪魔をする冒険者はうざいだろう。
魔法使いは、空間移動の魔法を使っているからか、砦の中から攻撃魔法を放っていることもあり、後回しにされている様子。
逆に、自分の様に屋上に陣取っているのは、格好の的なのだろう、殺意がビシビシこちらに向かってくる。
頼むからこないでくれと言ったとして、土台無理な話。
殺気のする方を見れば、果たして魔法攻撃の準備をされていた、炯々と光る魔族の目に、其の上に、灼熱の光球。
同じファイアボールだとして、ここまで違う物だと、思わざるを得ない。
逃げ場は―――無い、何故ならば、魔法が使える訳ではない、飛び降りるには高すぎる。
尖塔の中に入るという手段もなくは無いが、逃げる前に魔法が飛んでくるだろうし、魔法の速度は、早い物だ。
準備を終わっているという時点でもう、詰んでいるといって良い。)
『―――――!!』
(魔族が何かを叫んだと同時に、放たれる火球、此方に向かってくるのは、逃げて逃げられるものではなさそうだ。
だから。男は、盾を構える。
ガキイィンと、地面に叩きつけられる、男の巨大な盾は、石畳に杭をぶち込んでいく。
固定された盾、その後ろに男は隠れつつ、蒼い魔石を取り出す。
少しでも威力を相殺するべく、男は魔石を投げまくる。
じゅっ!とそんな音が響く、幾つも、幾つも。
時間かからずに、魔法の爆発は、盾にぶつかり、大きく膨れ上がり、炎に包み込まれる。)