2021/09/23 のログ
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 王国軍第七師団、対魔族部隊として王国に名を轟かせる一団がある。
一人一人が、魔族に対する戦闘のプロフェッショナルであり、王国の兵士で、誰も彼もが、一騎当千の兵。
タナール砦が魔族に奪われたと言われる際に、彼らは駐屯地から出て来て、魔族を撃退するのが、今の主な役割。
一度は魔族の国の奥深くまで戦線を押し込んだものの、撤退の憂き目があった。
今は、再度侵攻するための力を貯めている最中と言えるのだろう、少年兵は、そう感じ取っている。

今宵も、タナール砦が、魔族に奪われたという連絡を受けて、奪還のために出動をしている。
慣れ親しんでいる、タナール砦、そこかしこに、魔族が居て、妖魔が居る。
砦の中の、室内戦闘が主と言う事で、少年は鉄の槍を持たずにやって来た、もし必要ならば『武器庫』から奪えばいいだけだから。
闇夜に溶け込みそうなほどに蒼い鎧、がしゃり、がしゃりと金属の音を響かせるのは、周囲の注目を自分に向ける為に。
部隊の仲間とともに来てはいる、今回、部隊の中の少年の役割は陽動。
個体戦闘能力と、回復力などはほかの兵士と比べて頭一つ抜けているから、魔族をおびき寄せ、他を手薄にさせる。
本隊が来るまでに、なるべく数を減らすための効率を求めた作戦だ。
がしゃりがしゃりと、金属の音を響かせながら、石畳を走り抜け、手近にいた魔族の喉を掻き切り、頭蓋を粉砕。
有象無象に止められる程度の少年兵ではなく、ある場所を目的地に進んでいく。

―――基本的に、魔族も、人間も、位が高く頭が良いのは、指揮官のいる部屋に入るから。
頭を潰すために、少年は、砦の中を疾駆る

ゼロ > 両の手に握られるのは、金属の塊とも言えるナイフ。くの字に折れ曲がっていて、切り裂くために作られている造形。
普通のナイフに比べても一回りも二回りも大きなナイフ、少年の手が翻るたびに、魔族が倒れる。
走る少年を止められる魔族は、今の所は居ないようだ、踏み込み、加速し、右手で一閃。
倒れる魔族を踏みつけて、止めを刺し、加速する、目の前に大柄な魔族が壁になろうと立ちはだかるが、全身をフルプレートで包み込んだ少年。
総重量と、加速度からの体当たりで、魔族の骨が折れる音が聞こえ、苦悶の声も又。
左手に持つナイフで魔族の喉笛を引き裂いて、蹴り倒す。
その先には、魔法の詠唱をしている魔族が見えた、ナイフを投げつけたとしても間に合わないだろう。
直ぐに魔族の魔法が完成し、火炎の魔法がこちらに向かう、幾条もの火炎の矢が自分に向かうのが見えた。

「しっ!」

鋭く呼気を吐き出し、右、左、と両手に握るナイフで迎撃していく、持っているナイフは、マジックアイテムであり、魔法に干渉することが出来る。
その特性を使い、炎の矢を打ち落としつつ、にじり、にじり、と近づく。流石に先程の速度では、近づけない。
ただ、魔法を維持する魔族の表情は、近づくたびに恐怖に凍っていく。
正面から魔法の矢の雨を突破されるとは思って居なかったのだろう。打ち落としきれずに体に当たるものもいくつかあるが。
ミスリルの鎧は、そして、その下にある少年の体の回復力で瞬く間にやけどさえ消えていくのだ。

魔族の魔力が尽きてしまえば、後は、少年は無言で近づく。
恐怖はひとしおなのだろう、何故なら、無謀の仮面を纏い、表情すらも判らない。
ゴーレムのような存在が、唯々、殺しに来るのだから。
逃げようとしたところ、少年はその魔族を斃し、先へと。

指令所は、もう、目の前にある。

ゼロ > 外で喚声が聞こえる、恐らく本体が到着したのだろう。そして、部隊の作戦は十分に功を奏したと言える。
優秀な仲間は、自分が居れば強いし、いなくても強い。
彼らの働きがあって、魔族の軍勢は大混乱だと思われる、だからこそ、止めを刺してしまおう。

少年は、ゆらりと、意識を完成から扉の方へ、魔力が漏れている扉の方へ。

両手をかけて、ゆっくりと開けるなんてことはしない、片方の扉を盾に、扉をけ破って侵入するのだ。
扉を壊したことに関する謝罪は後、先に、魔族の指揮官の駆逐を優先。
少年は、ゆったりと、上官用の椅子に座る魔族に相対し。

魔族が何かを言っているがそのこと如くを無視し、ナイフを振り上げる。

今宵、タナール砦を再度、人間の軍が勝ち取る事になる。
決定的なのは、指揮官の首を持った少年兵が、出て来て、魔族が潰走したから――――

ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。