2021/09/06 のログ
ご案内:「タナール砦」に魔王メフィストフェレスさんが現れました。
魔王メフィストフェレス > タナール砦、其れは人間と魔族の国境に存在する。
そんな砦の魔族の側か、不意に何も無い空間に黒い人影が現れる。
漆黒の闇に紛れる様な黒いフードの付いたマントで姿を覆い隠しており。
特徴的なのは、其の漆黒の中で目立つ真っ白な顔の無い仮面。
砦を占領する者達の死角と為る位置で在り、其の気配は希薄で今はまだ何者にも気付かれていない様だ。

其の人影は場に佇んだ侭で何もしない。
只、其の場に佇み魔族の国へと続く先を見詰めている様に見えるか。

魔王メフィストフェレス > 時間が止まっているかの様な静かな一時が過ぎる。
其の沈黙を破ったのは、そんな人影の前に現れたもう一人の人影。
否、其の後に続き付近に魔力の律動が感じられた。

『イグリス、参上致しました』

先ず声を発したのは先に現れた人影。
全身を黒で覆う整えられたスーツ姿の壮年の男性は先に立つ者へと一礼する。

『やっほー、メフィスト様!
あたし達も来たよ!?』
『お、お姉ちゃんっ…
もう……あの、エリン、コリン、参りました』

続いての声は、先の言葉とは打って変わり幼いもので。
其の姿は丈の長い法衣姿の双子らしき少女達だ。
先に声を上げる姉と思われる少女は元気な声と共に挨拶と共に手を振るも。
其れを嗜める様な言葉を掛ける少女は、慌てた様子で男性に続く様に一礼をする。

「ああ、態々来て貰ってすまないね。
呼んだ序でに伝えた通り、今回の件は君達に任せる事にした。
あちらに赴き、其の指示に従って動いてくれれば良いさ」

ゆっくりと頷けば、男性とも女性とも、若者とも老人とも聞き取れぬ、異質な声で其の人影は言葉を発する。
顔の無い仮面で覆われた顔、其れが向けられるのは今居る魔族側とは反対の、人間側の国だった。

魔王メフィストフェレス > 「其の間、君の持ち場はチェンに任せた。
安心してすべき事を遂行してくれれば良い。
二人は其の手助けだ、解ったね?
さあ、皆頑張ってくれよ?」

改めて呼んだ三人へと顔を向け。
小さく手を翳し伝えれば。

男性は其れに応える様に頭を僅かに垂れ。

『手助けなんて云わず、ぜーんぶぶっ飛ばしたって良いんだけどね!?
今回はイグリスに花を持たせてあげるわ、感謝しても良いわよ?』
『あ、あぅ…』
『ええ、エリン様には感謝を。
コリン様は御気に為さらずに。
其れでは参りましょう』

続けての高慢な少女の言葉に、其の言葉に戸惑うもう一人の少女。
そんな少女達へと律儀に、優しげにそう男性が伝えれば。
間も置かずに三人の姿は消え去るのだ。

そうして、再び場に佇む人影は一人と為った。
然し、其の残った人影も又、其の姿を闇の中に消して行くのだった。

ご案内:「タナール砦」から魔王メフィストフェレスさんが去りました。