2021/08/31 のログ
ご案内:「タナール砦」にグァイ・シァさんが現れました。
グァイ・シァ > 薄雲が掛った空に頼りない月が浮かぶ夜。
砦の聳える丘に、彷徨う影がひとつ。

幾度も踏み荒らされてなお茂る夏草が、丘を渡る風に波打つ。
それを掻き分けるように、やや頼りない足取り。
風に長い髪を吹き散らされるが構う事もなく、人影、シェンヤンの道着を纏った女は丘の麓から、砦のほうへゆっくりと進む。

両腰に刀は履いているが鎧を纏っているではなく
衣服も異変はなく怪我をしている様にも見えないが、ふらつく足取り。例えれば、貧血のような。

ザアッ―と吹く風は女の背後から。
砦の中に嗅覚鋭いものがあれば、或いは物見の塔に詰めているものが居れば察知されているだろう距離。
―――そこで、女は脚を止める。

砦には篝火。どちらかの陣営かが占拠しているのは間違いない。
それを見定めようとするように、女からすると巨大な影となって聳える砦を見詰めていた。

砦に向かうのは間違いない。
ただ哀れな落人として振舞い庇護を求め、休息を乞うことが出来る相手か
でなければ、少しでも血の匂いを振りまくために忍び込むことにするか…

ご案内:「タナール砦」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「っつかれさーんす。んじゃ後お願いしますわ。」

 物見での監視業務を正規兵に交代し、塔から降りようとして、
 普段の癖から周囲を無意識に見渡す中、砦の前に立つ人影を認めて。

(えー、これどっちだ?)

 目の前のものを軽んずることなく、事実だけを情報として見据える。
 異国の装束、ふらつく足取り。

 動きだけで見れば迷い込んだ旅人。だがこんな夜に、多分女が一人で。

(いやこれ魔族じゃねえな。てぇことは……)

 魔族が化けている、とみるには装束の選択に違和感を覚える。
 ならば、この来訪者は夜に単独で砦にたどり着けるほどの、相当の得手。
 女だろうが関係ない。

 いや嘘吐いた。女であることはすごく大事だ。

 すぐさま降りて、入口まで向かい

「おーい。大丈夫かお前さん。なに、めちゃくちゃ腹減ってんのか?
 とりま戦闘は落ち着いてっからさ、さっさと中はいれよ。」

 警戒心ゼロな装いで貴女と相対し声をかける。

グァイ・シァ > 乱れた髪の奥から胡乱な目で砦を見詰めている女は、気配がこちらへ向かってくるのに気付いたか、扉のほうへと視線を揺らす。
軽率と言っても良いくらいの気配は、果たして自信の故か油断か判断がつきかねたらしい。
―――女は片方の刀に手を添えて、砦の入口を伺っていた。

「……いや」

軽い声音にぼそりと、掠れた声を返す。
同時に、柄に掛けていた指を離している。

「…戦闘中に、はぐれた。
 ………腹は減っていない」

続く、全く感情が籠っていない掠れた声。
翠の瞳を瞳を紅い髪の合間から光らせ、俯き加減に。
ふらり、近付く足取りは頼りない。
近付けば、弱い月光の下でも貧血のように青白い顔が確認できる。

女はそのままかよわき落人を装って砦の中へ、招いてくれた人物の横を擦り抜けて、入って行くだろう。
入った後は勝手知ったる場所の様に、招いた人物を顧みることもなく砦の中を、奥へと