2021/08/25 のログ
ご案内:「タナール砦」にグァイ・シァさんが現れました。
グァイ・シァ > ヒトに奪還されたばかりの砦は忙しない。
昼間に雪崩れ込んだ軍勢が砦を制圧し、勢いのまま撤退する軍を追い、戦線を随分と向こうに追いやる頃には既に日暮れ。
夜となれば圧倒的に魔族のほうが分がいい。
それを見越してだろう、兵は速やかに引いて砦へと撤収していき――――損失が激しかったからか、はたまた砦に隠し玉があるからか、更には他の要因か、兎に角今夜魔族は追撃は止めたようだった

撤収した兵が続々と流れ込む砦内は、漸く罠の解除などが終わった程度。どんな休息の手段も用意はされていなかったが、傭兵などは慣れたもので勝手に兵糧を漁ってはその場で宴会をはじめ、生真面目に食糧庫へと運ぶ正規兵から胡乱な目で見られていた。

ともあれ粛々と設備を整える兵を横目に其処ここで開かれている宴会の輪のひとつに、すこし場違いな空気を醸す女がひとり。
輪に加わって意気軒昂、侃々諤々、はたまた歌い出す輩もいる中、黙として盃を干している。注がれれば飲むが、催促はしない。そうとなれば貴重な酒をわざわざ不愛想な女に注ぐものも居らず、女自身只ぽつねんと輪にいるだけになっているが、何が楽しいのか、空の盃を手にしたまま周囲を眺めな、その場から去ろうとする気配はなかった。

グァイ・シァ > やがて、篝火も十分に焚かれ正規兵たちの右往左往の移動も収まり、砦の設備が自軍のものとして整備しつくされたと思われる頃。
すでにとっぷりと暮れた空に白く月が昇って、そろそろ宴会もたけなわかと思いきや―――今度は正規兵たちがその輪に加わって来る。
喧噪は静まるかと思いきや、逆に増す始末。

入れ替わりに傭兵のなかから何人か、酒に弱かったのか流石に草臥れたのか、輪から離れて何処かへと去って行く。
女の隣にも正規兵が輪に加わって来て、それを見計らったように女は輪から抜けて―――――何処かへ

ご案内:「タナール砦」からグァイ・シァさんが去りました。