2021/07/31 のログ
ご案内:「タナール砦」にジギィさんが現れました。
■ジギィ > 夕暮れ時にあったスコールのせいか、月が中天に昇って尚湿気の漂う丘。
スコールのお陰で防衛戦は夜にもつれ込むこともなく、ヒト側の砦は今宵ほんの少し穏やかだ。
とはいえ恐らく上官の面々は明日の作戦について侃侃諤諤だろうし、負傷したものが居なかった訳ではないので衛生班だって暇ではないだろう。それでもいつもよりは穏やかな雰囲気で、傭兵や正規兵たちは各々束の間の休息を遊行やら飲食やらに費やしている。
その雰囲気の中、気の抜けない要員のうち一人
西側の物見の塔に見張りに立つ――――――いや、立たないでもはや外壁の手摺りにぺったり貼りついているエルフ。
「あー…
(外気が)あついぃ……(手摺りの石が冷たくて)きもちいい―……」
危ない台詞に聞こえなくもない声を漏らしながら、ぐったりと手摺りに寄り掛かっている。
一応気を抜いてはいない、…でもきちんと見張っても居ない。たまにちらっと視線を丘の向こうに投げたりはするが、魔族軍陣営は反対側だったし、夏草揺れる丘(ぬかるみ付き)を夜間にそうそう忍んでくる奴は居るまい、と。
「うう……3分に一回はちゃんと見るから……」
誰も聞くことのない言い訳を零し、あと2分ほど、冷たさを貪る事を決め込む。
■ジギィ > ひゅうーと風が吹いて来る。
湿ってはいるが、少しは体温より低い。
「…きもちわるぅ……」
しぶしぶ手摺りから顔をあげつつ言葉を零す。文句たらたらなのは、砦の中のなんとなく緩い雰囲気に混ざれない不満がほんのちょっとは関係がある。
背筋をしゃんと伸ばして月光が照らす丘を見渡す。
夜風に吹かれた夏草がさざ波のように波打つ姿は、嫌いではない。
「あーん、早く終わらないかなー」
今になって砦の手摺りも何となく湿っぽく感じて、もう貼りつく気分でもない。仕方が無いので、夏草の間に揺れる白い百合を数え――――
たまたま忍び込もうとしていた敵斥候を見付けたりして、女エルフとしては面目躍如の夜となったらしい……
ご案内:「タナール砦」からジギィさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。