2021/05/12 のログ
■ルチル・ラ・ティタニア > 「えっ!?」
砦の中で人の居そうな部屋の扉を開いては探し回り幾つ目の部屋だろうか、開いた先が男を案内した貴賓室で思わず間の抜けた驚きの一言を漏らしてしまう。
軍勢を一瞬で消せる力を有しているのだから、空間を繋げてもおかしくもないとは思うが、そうなると何故その力を使って攻め込んでこなかったのだろうと新たな疑問も浮かび上がる。
ただ、疑問を問うよりも部屋の違和感が先にたち軽く辺りを見回し、寛ぐ男の姿を見つけて近づいていく。
広くなった部屋、明らかにあり得ないはずの広さに空間を繋げるというよりも弄れる力があるのだろうと考え付き、あまりにも分が悪すぎる賭けに乗ってしまったと今更後悔が湧き上がってくる。
「いえ、勝手に私が探しただけなのであまり気にせずにおいて頂きたいです。
そんな事よりも、こうして見つけられ、貴方が寛げているのならよろしいのです。」
模様替えされた部屋、拡がっただけではなく、男の背後では色々となかった物まで増えている。
少なくとも今ここで分かるのはベッドのサイズが変わっている事と壁際に何らかの衣装が並んでいるぐらいで男に促されるままに椅子に座る。
机を挟んで向かい合い、置かれているティーカップから香る上等の紅茶の香、男から探し回っていたのだから喉を潤したらと勧めにこくりと頷くと手に取って喉を潤す。
「感心される事も礼を述べられる事をした覚えはありません。
少なくとも現状貴方は客であるべきなのだから、貴賓室に案内したまでです。
それは先に貴方が約束を守ってくれたからであり、何よりも今分かった事ですが、迂闊な事をしなくて良かったと。」
かけられた言葉、偽りが感じ取れなければ己も正直に答える。
その裏で男が考えている事など想像もつかず、ほっと息を吐いてとんと手にしていたティーカップを机に置く。
「身を捧げるとはどういうことですか。
私は貴方がゲームだといったjから受けたのです。
それなのに………分かりました、説明をお願いいたします。」
一呼吸置き、男の目つきが変わって告げられた言葉に、思わず声を荒げる。
そんな様子をくすっと笑い、淡々と続けられた言葉、此処で前言を翻してはまさに迂闊な事だと分かってしまい、悔しげな表情を浮かべて。
向けられる劣情を含んだ下卑た視線の前で、しばしの間をおいて悔し気に受け入れ、先を促して。
■ロブーム > 「おや。我々に対して、ゲームを挑むというのは、つまりそういう事だと理解の上だと思っていたが――まあ、それならそれで構わぬ。
まずは、ルールを説明するので、それを聞いてから受けるかどうか決めてくれても構わぬよ――と。君は少しそのままで居てくれ」
そう言って、男は立ち上がると、何故かルチルの肩に両手を置いた。
そして、「ふむ、これぐらいか」と言うと、指を鳴らす――すると、部屋の中にあった、何もないスペースにいきなり柱が二本生えた。
柱は丁度、ルチルの肩幅程度の間隔。高さは、彼女の腰よりやや高め。
階段の手摺ぐらいの高さだ。
その先端には、仄かに赤く輝く水晶玉が二つある。
席に戻った男は、こんなものかと頷くと、紅茶を飲んで一啜りする。
その所作は王都のものではないが、きちんとした所作に則っており、先程の獣じみた情欲は微塵も感じさせない。
「ルールは簡単だ。ゲーム開始時、君はあの宝石の間に立って、宝石の上に両手を置く。
そして、制限時間まで、"両手を"外さなければ君の勝ちだ。
言い換えるなら、片手を外す分にはセーフ……明瞭だろう?」
但し、と男は付け加える。
「無論、対戦者たる私は、それに対して妨害をする。
但し、この際妨害側は『直接的に勝敗を決する様な妨害はしてはならない』とする。
例えば、力づくで腕を動かしたり、空間転移で柱を手の届かない場所へと移動させたりなどだな」
言い換えるなら、男の勝ち筋は、彼女自ら手を離させる事に限定されるということだ。
彼女が"妨害"に耐えきれずに手を離すか、或いは時間切れになるか。
男がさっき言った言葉は、つまりはそういう事である。
「さて。そして最後に時間制限だが……本来なら、このゲームは賭けるものの大きさに合わせて、時間を増減させる。
だが、今回は四人の将を捕えていてな――本来の相場では一人一時間だが、それでは多すぎると思うかもしれん」
そこで、と男は壁を指差す。
その先にあるのは――壁にかかった淫靡な衣服である。
「この衣服に着替える事で、一時間減少して三時間としよう。
無論、着替えなくても問題はない。君の判断に任せよう」
■ルチル・ラ・ティタニア > 「いえ、卑怯な手を使って言わされたわけではなく、自分から言い出したのだから受けます。
理解はしてなくとも貴方がゲームと言った事を勝手に思い込んで、考えていた事と違っていたから受けないではそれこそ卑怯というものです。
これは貴方が悪いのではなく、先に確認を怠った自分が悪いだけなので。」
目の前で立ち上がリ背後に回られ、不意に下ろされた両腕、両肩に置かれると思わずびくっと震える。
何かされたわけではなく、ただ確かめただけなのは漏れた言葉から分かり、ほっと息を吐いて成り行きを見守る。
指が鳴らされると同時に何もなかった空間に肩幅程度の間隔をあけて競り上がってくる二本の柱、仄かに赤く輝く水晶玉が腰よりわずかに高いぐらいで止まるのを見ると何に使うのだろうと僅かに首を傾げる。
席に戻った男が紅茶を啜るのを見ると己も一度落ち着くために紅茶を啜って。
獣じみた情欲の混ざる下卑た視線を向けた相手とは思えないほどに整った所作に微かに見入って。
「確かにルールとしては簡単ですね。
私は柱の間に立って宝石に触れていれば良いだけなんて。
妨害も直接的に勝敗を決する事をしてはいけないなんて、例えるまでもなく私の方が有利な気もしますが。」
説明を受けると自分の方が有利過ぎて首を傾げる。
それが何故身を捧げるに繋がるのか自分の中で結びつかず、僅かに悩んだ後こくりと頷き受け入れて。
「着替えたら一時間短縮していただけると。
んっ、あっ、あれにですか。
分かりました、着替えさせていただきます。」
追加のルールを述べられるとうんうん頷き繰り返すように呟いて。
指を追うように動く視線、刺された壁で止まり、淫靡な衣装に気が付くと思わず叫ぶように訊ねて。
男は答えずただ頷くのみだが、しばらく悩んだ後で立ち上がり壁の方へと歩いていく。
「着替えるのも此処でになるのでしょうか?」
真っ赤になって衣装を選びながら尋ね、衣装を決めると手に取り柱が立った空間へと歩んで。
■ロブーム > 「成程、これは中々手強い相手になりそうだな――此処まで自分に厳しいのは、此処最近では中々いなかった」
先から思っていたが、この少女は随分と真面目である。
無論、その"真面目"をこれから堕とす訳だが――しかし、これは王都では生きにくかろうと思う。
勿論それは、男が絡め取るには都合がいいが、しかしそれとは別に好感が持てる。
なので、男は彼女が有利だという指摘にも、安心したまえ、と鷹揚に笑う。
「元より、私の考案したルールで、私の支配領域で行うゲーム。
ちょっとこちらが不利な方がこちらも楽しめるというものだ。
それに、私は砦を占拠した時点で十分益を得ている――確かに王都の将兵を奴隷にしたとなれば利益にはなるが、それはあくまで余録に過ぎぬ」
それよりは、こうして君と楽しくゲームをする方が優先だ、と言う。
そして、着替えの場所を問われると、「それも考えたが」と言ってから、指を鳴らす。
すると、柱の近くに、黒いパーテーションが置かれる。
「君の公平さに敬意を表し、ゲーム開始前まではそういった淫行じみた事はやめておこう。
ゲームの結末に不服が残るのは、私も好ましくないのでね」
そう言うと、男は眼を瞑り、「着替えたら言い給え」と言う。
本当に、彼女の身体を覗くつもりはないようで――
■ルチル・ラ・ティタニア > 「別に自分に厳しいつもりはありません。貴方が約束を守っている以上、私も守っているだけです。」
真面目なのか、天然なのか、言いだした事を覆す事はしないだけだと告げる。
男の本来の目的が分かるはずもなく、自分から逃げ道を無くしているだけにも見えるのかもしれない。
自分の有利さを指摘しても気にする事はないとばかりの鷹揚の笑みを浮かべている男を一度見据えて。
「それならよろしいですし、今までの行動から私は言い出さないと信じていますが、そのために負けたというのは無しですよ。」
用意している空間全てが支配下にあるのだからと尤もらしい説明をされると確かにと納得して。
先に信用していると強調した上で告げるのは、脳裏を掠めた子悪党の理論、それを確かめるのもまた生真面目さ故であろうか。
ゲームと言う名の凌辱、そうと理解していなければ、楽しくゲームをする方が優先だと言われると微かに頬を染めて照れて。
着替えの場所を問うと前置きと共に鳴らされる指、柱の間に黒いパーテーションが出現し、紳士な行動に微かに絆されて。
「ありがとうございます、それでは着替えさせていただきますね。
嘘っ、中までしっかりと確かめるべきでした。」
見た目は全て淫靡な衣装、表面的にでも自分好みの淫靡で可愛らしい衣装を選んできた。
目を瞑っていても音は聞こえる、鎧を順番に外した後に響くのは衣擦れの音、見てはなくともある程度の想像は出来るだろう。
一糸纏わぬ姿になって拡げる選んできた衣装、中から出てきた下着に、驚きの声を上げ、壁の方を見ると選び直しは出来ない様子に仕方がないと身に着けていく。
「着替え終わりましたのでよろしいですよ。」
全てを身に着け、男に言われたままに声をかける。
振り返って目を開くと純白のシースルーテディ姿、クロスボンテージブラで豊満な乳房はさらに強調され、Tバックでパールのあしらわれたオープンクロッチショーツに純白のがーたストッキング姿が映るだろう。
■ロブーム > 彼女の不安に対し、男は特に気分を害した様子もなく
「私の手にかかって尚、堕落しない心。
それを見られるならば、それはそれで一興だ。
当然、負け惜しみも言いがかりもなく、君達全員を返そう」
と言う。
彼女の言うことはある意味ではこちらに対する侮辱ともとれるが、しかし状況が状況である。
その様な疑義が出るのは、ある意味仕方のないこと。
寧ろ、その程度の疑いしか――その程度の悪意しか想定できない事が、可愛らしいぐらいだ。
そして、彼女が選んだ衣装は、どちらかというと可愛らしさの強い純白の衣装。
一応は胸を隠せるが、しかし一番大事な女の花園は完全に露出している。
男は、上から下まで見た後に、ぺろりと舌なめずりする――まるで蛇の様な舌が唇を濡らす。
「その衣装は、私と私が堕とした配下の内、服飾の心得がある者でデザインしたものでね。
中々、愛らしいだろう?中にはクロッチ部分を埋めたものをパジャマとして使っている者もいるぐらいでな」
等と言いつつ、指を鳴らしてパーテーションを消す男。
これで、前準備はほぼ終わりである。
後は――
「君がその宝石に手を置けば準備が終わる。
手を置いた際、判定用の目印として、宝石の色が赤から青に変わる。
それが、スタートの合図だ」
彼女が自ら、自分の身体を悪魔に委ねる最後の準備。
それが終われば、いよいよ始まる――彼女を堕落させるためのゲームが。
ご案内:「タナール砦」からロブームさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からルチル・ラ・ティタニアさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > 人魔入り乱れる魔境、タナール砦は、今現在は人類側が占領をしている状態。
先程魔族を撃退し、橋頭保を確保した状態で、次の魔族が来ない様に人類の精鋭が必死に砦の補修に整備、そして修繕などを行い。
第七師団の面々がその護衛に入っている状態、しかし、それだけではなく―――訓練もしているのだ。
半数が警戒を、残った半数の中で、休憩と訓練を交代で行っている。
今回、ゼロの所属する第一強襲部隊は訓練をしている最中。二人一組で向かい合い、相手を魔族と想定した個人戦。
大掛かりな物であれば、宮廷魔術師などを含め、魔族の魔法を想定した大攻勢も有るが、今は唯々、武器での訓練。
少年兵は、仮面をつけたままに、何時ものように槍を手にする。
個人戦であれば、ナイフも又選択肢に有るが、昔から槍を使っているが故に、思わず槍を手にしていた。
相手の獲物は剣と盾で、スタンダートなタイプだ。だからこそ、付け入るスキなどが少ない。
『はじめ!』
教官の合図とともに、兵士たちはぶつかり合う。
お互いの武器を、武威を相手に知らしめ、高めるために、第七師団は、未だに精強だと伝えるために。
相手が魔族と思い、少年は、踏み込みからの突きを繰り出していく。
槍の強みは、そのリーチ、剣の届かない所からの一撃を繰り出すための武器だ。
其れを思う存分知ってもらうために。回転をかけての突き、殺意さえ込めた一撃だ。
それだけで、同じ第七に所属する仲間が倒せるわけではないが、負ける気はしない。
そんな、訓練の開始である。
■ゼロ > 案の定、槍の穂先を盾で滑らせて、避けていく兵士。訓練と言えど、手を抜かない全力を持った一撃だ、自分の体が流れかけるモノの、それは強引に修正する。
槍だからこそ、と言えるだろう、彼じゃ一撃を滑らせながらも、此方に迫ってくるのを見て居られる。
彼が、柄を攻撃しないのは柄も鋼鉄製だから、斬鉄が出来るような技量が無ければ無理だし、そもそも、斬鉄させる気もない。
攻撃されるなら、槍を上手く往なしてポイントをずらしてしまおう、そして、彼の一手を防ぐ。
それだけではない、踏み込んでくるその速度は速いが、自分からすれば対応は可能。
故に、鉄の槍をそのまま横に凪いで仕舞おう、往なしたはずの武器は、武器としての効果を無くさない。
横合いからの動きに、踏み込み、接近しようとする彼、其れを、腕の筋力と背筋と―――己の体幹で吹き飛ばす。
それで大ダメージになるかと言えば、壁とかにぶつければ、だろうが、残念ながらここは、広めの庭であり、周囲に障害物はない。
だから彼を移動させるだけにとどまり、しかして間合いが広がる。
近づかせなければ、少年の攻撃ターンは変わらずに、今度は、軽く牽制の二連撃。
顔面と太ももへと突きを繰り出してしまえば、彼はそれを対応せざるを得ない。
剣で叩きつけようとも、太ももへ盾を移動させようと。弾くことが出来ても彼は動くことができない。
地力がそもそも違う、動けない事を良い事に、槍を何度も何度も、連続て突き出す。
ギリギリ、彼がはじける所を狙うのは、彼の疲労を誘う為で、少年に疲労はない。
かすり傷を小さく作り、体力を奪う、そんな地味で、厭らしい攻撃を繰り返していく。
訓練だからこそ、手段を選んで、相手を削りゆくのだ、訓練するから、実践でそれが出来るようになる、と。
■ゼロ > 少しずつ削って、削っていく、少年の基本的な考えとして、魔族とは実力の高い物が多い。
だから、少しずつ彼らに気取られぬようにダメージを与えていき、倒すか、若しくは、一撃必殺を選んだ方が良いと考えて居る。
何方も難しい所だが今回は、訓練なので少しずつ削る方にする、それなら治療もしやすいし、一撃必殺でしくじったら大変だ。
覚悟のある兵士とは言っても、流石に訓練で事故死は出来る限り避けたいものだ、それでも、歯を潰した訓練用を使わないのは、訓練を訓練と思って居ない。
本番と同等に考えて全力を出す必要があるから。
再度、槍を突き出しながら、相手を見据える。
戦意を失っていない相手は、盾を構え、剣を構えて、迎撃をしている。
未だ、何かあるのだろう、彼の手口は知っていて、だから油断はない。
剣戟、金属音が響く、剣と盾と、槍が踊り、訓練は続く。
教官の声が響くまで、全力と全力は、ぶつかり合っていく―――
ご案内:「タナール砦」からゼロさんが去りました。