2021/04/30 のログ
ご案内:「タナール砦」にルチル・ラ・ティタニアさんが現れました。
■ルチル・ラ・ティタニア > 人と魔族の間で主権が入れ替わる砦。
しばらくは人が押さえていたが、今は魔族に包囲されて籠城を余儀なくされている。
連日の争いで城の中の食料はほとんど無く、扉の前での呼びかけに覚悟を決めて。
「分かりました、私がゲームをしますので他の皆様を解放してください。」
あと数日も砦を包囲していれば砦を落とせるのは見えているにも拘らず、告げられたあまりにも都合の良すぎる条件。
そこに隠された物を見抜けもせずに僅かに扉を開き、砦の外に姿を現して告げる。
内容すら告げられていないゲームをする事で、砦の中にいる人々の安全を量れるのならと。
■ロブーム > 呼びかけてはみたものの、現実的に考えると、そうやすやすと扉が開くとも考えていなかった。
犠牲の押し付け合い、或いは無謀な抗戦論――それを考えると、もう少し"おどかして"やる必要もあるだろう、と。
だから、男が引っ込む間もなく、彼女が現れたのは男にとっても小さな驚きであった。
故に男は、「ほう」と眉を上げて自らの驚きを表現し、彼女に近づく。
じろじろと、彼女の整った顔や、豊かな胸に視線を送る。
値踏みと劣情が混じった様な、湿った視線。
「鎧を見る限り、平民ではないな……。
騎士、それも、かなり家格が高い――」
そう言うと、不意に舌を首筋に這わせる。
まるで、芋虫の様なぼてっとした舌が、彼女の白磁の肌をぬろり、と撫でる。
その反応を見れば、男はくつくつと笑い、
「成程、これは"期待"できそうだ」
そう言うと、男は何処からともなく、蛇の意匠を持つ杖を取り出し、それを一振りする。
すると、今まで砦を取り囲んでいた魔物たちの殆どが、まるで煙の如く消え失せた。
男は、それを見やると、彼女を一旦離し、
「君は一度、兵たちを纏めて帰らせ給え。
残った将兵については、食堂に集めておいてくれ。
私は、砦の貴賓室で待っている――全てが終わったら、来るといい」
そう言って、男は無防備に背を晒して砦の中に入っていく。
無論、軍勢を消せるということは、軍勢を出すこともできるという事。
包囲を解いたからといって、逃走や反抗が許される状況ではない――それ故の無防備である。
「(さて、彼女が来るまでの間に、私も少々"模様替え"をせねばな)」
くっくっく、と、彼女に見えぬ様含み笑いし。
男は、砦の最上階まで歩いていく。
■ルチル・ラ・ティタニア > 扉を開き外に出るとすぐに目に入ったのは男の姿、次に周りを囲む魔族の軍勢。
男が驚嘆の声を上げ、近づきながら向けられる視線、僅かに下がりそうになるのをぐっと耐える。
目の前に立った男の値踏みをするように全身に向けられる舐めるような不躾な視線、鎧の下を想像しているのか豊満な胸元や股間等で止まるたびに微かに震えて。
「貴男の出した条件は女性であり、今は関係ないのでは?」
告げられた言葉、近からず遠からず、知りませんとぴしゃりと撥ねつける様に告げるが、手を伸ばされるとびくっと震え。
引き寄せられて首筋に這わされる舌、ねっとりと生暖かく濡れた感触は虫が這うように感じられ、しっとりと吸い付くような肌の感触を返す。
何時がゲームの始まりかも分からず、唇を噛みながら男が離れるのを待ち、反応を楽しむ様にくつくつと笑われるときっと睨み返して。
「聞き入れて頂いてありがとうございます。
それでは整うまで貴賓室でお待ちくださいませ。」
蛇の意匠を持つ杖を振るうと煙の如く消え去る魔族の軍勢、離れた事と約束を守ってくれた事にほっと息を吐いて。
更なる言葉に扉を開くと無防備に背を晒して中へと入る男を慌てて追い、貴賓室に案内すると集まった人の元へととって返す。
軍勢を一瞬にして消せたという事は、いつでも出現させる事も出来ると考え、すぐに言われたとおりに兵達は砦から脱出させ、将校を食堂に集めるとまた貴賓室へと向かう。
「言われたとおりに兵たちは帰らせ、残った者は食堂へと集めました。」
扉をノックして告げ、開くと中は蛻の空、一体何処へ行ったのかと男の姿を砦の中で探し回って。
■ロブーム > 彼女が男を砦の中を探し回り、砦の中の一室につながる扉を開くと、本来繋がっている筈のない扉の先が、貴賓室に繋がっていた。
まるで、空間を繋いだかの様な、不自然な現象――そして、不自然なのはこの部屋自体もだった。
貴賓室とは言え、あくまでも砦の一室である――精々手狭な空間に、ソファとシングルベッド、それに執務用の机と椅子がある程度だった筈だ。
だが、今や部屋自体が拡張され、ベッドは広々としたダブルベッドに変わり、壁には露出の高い淫靡な衣装がずらり。前はなかったガラス張りのサイドボードの中には、男根を模した梁型やら良くわからない器具が置かれている。
「おお、すまない。少々、模様替えに悩んでね。
こちらの部屋に繋ぐのが遅れてしまった」
これまた、前はなかった接客スペース――その椅子に座ってティーカップの中身を啜っている男。
彼の前には、机を挟んで椅子が置いてあり、更にその前にはティーカップが置かれている。
そこが、彼女の席という事だろう。彼は、手で座るように促す。
「まずはご苦労と言っておこうか。それに、感心した、とも。
私をわざわざ貴賓室まで案内してくれたのも驚いたが、何より私を出し抜いたり、時間稼ぎをせず――更には自ら私を探しさえする。
それが最適とは言え、これから身を捧げる男に対しそこまでするとは、中々できることではない。
君は私が思うより、ずっと賢く、清い心の持ち主だった」
その声には、一切の偽りは挟まれていなかった。
寧ろ、逆――本当はもっと褒めちぎりたいのを、敢えて抑えている風でさえあった。
まるで、美しい物を見るような、暖かささえ含んだ視線。
だが、それは偽りではなかったが、しかし。
「私は、そんな心を持つ者を、蕩けさせ、堕落させる。そういう悪魔だ。
――だから今回のゲームもまた、君が堕落するか、或いは時間いっぱいまで耐えきり、この場から去るか。それがゲームの主題となる」
そして、男の目つきが変わる。
最初に会った時と同じ――劣情を含んだ下卑たものに。
「それでは、ゲームのルールを説明しよう――よろしいかな?」
ご案内:「タナール砦」からロブームさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からルチル・ラ・ティタニアさんが去りました。